ブログ

blog

HOME > 2015 > 10月

ブログ  blog

2015年10月28日

人民元をめぐる動き

IMF(国際通貨基金)のSDR。

日本語では「特別引出権」と訳される、IMF加盟国の国際準備資産です。

SDRについての詳細な説明は省きますが、このSDRの価値は米ドル、

ユーロ、ポンド、円の通貨バスケットから構成されています。

今回の報道によるとIMFの事務方が通貨バスケットに人民元を入れる

方針を固めたとのことです。仮にこれが実現したとすると、人民元は

「国際通貨」への仲間入りを正式に果たすことになります。結果として、

各国の外貨準備に人民元が用いられるなど、人民元が使用される領域は

格段に広まることになるでしょう。

 

中国経済の規模を考えれば、人民元が国際通貨に近づいていく流れは

止められないでしょう。我が国としても、戦略的互恵関係を構築して

いく中で、国益を追求する観点から人民元との効果的に向き合わねば

なりません。また、日本円の地位低下は必至の中で、円をめぐる今後の

方針を明確に打ち出していくことも求められます。

 

しかし、仮に報じられているように、来月のIMFの理事会において

人民元の「SDR入り」が認められるとすれば、明らかに時期尚早です。

確かに人民元の使用エリアは近年急速に拡大しているとしても、

それは中国市場のポテンシャルへの評価や期待の裏返しに過ぎず、

資本の自由化を含め、国際通貨として認めるまでには踏むべき

ステップがまだまだ残されている現実を忘れてはなりません。

 

そして、これまでも申し上げている通り、何よりも忘れてはならない

ことは、通貨問題を単なる金融・経済の面だけから捉えてはならない

ことです。

第二次世界大戦時に、米国が武器貸与をてこに、英国主導の

スターリング・ブロックを解体し、金・ドル本位制へと移行させ、

基軸通貨をポンドからドルへと力づくで切り替えた歴史を振り

返れば、通貨問題は世界のパワー・ゲームの文脈で捉えなければ

ならないことは自明です。

中国が将来的に米ドル依存からの脱却を考えていることは明らかです。

その後の中長期的な展開(人民元の基軸通貨化)までを視野に入れて

いるかは分かりませんが、我が国としてはそこまでを念頭において

布石を打っていく必要があります。

 

今後の中国経済の行方に不透明感も漂う中で、今、我が国とっては

人民元のSDR構成通貨入りについては極めて慎重なスタンスを取る

ことが国益に適うと考えます。

報道の中には、「人民元をSDRの構成通貨として認めた後、中国が

改革を進めていくよう注視する必要がある云々」ともありますが、

順番が逆。

中国自身による改革の実行をSDR構成通貨入りの認定条件とし、

中国に改革を促すツールとして効果的に本件を用いなければなり

ません。

 

SDR構成通貨への認定には、IMF理事会において投票権のうち7割

以上の賛成が必要。裏返せば、阻止するには3割以上の反対が必要

です。

日米合わせても3割には届かない中で、中国を安全保障上の脅威と

感じない欧州は本件につき前のめり。加えて、既に米国は容認の

姿勢に舵を切ったとの報道もありますが、本件を認めることは

東アジアの安定にとって将来に禍根を残すことになりませんから、

我が国として安易な妥協をすることは許されないと考えます。

いずれ容認するタイミングが来たとしても、日米がそれぞれの

立場で今後の基軸通貨のあり方、人民元との向き合い方を明確に

示すことがパッケージとしてなければ、中国に対して誤った

メッセージを発することになりかねない。

冷静な判断が求められています。

icon_blog

<p><iframe src="//www.youtube.com/embed/EmJ22BNtjNU" width="302" height="180" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe></p>

最新号を見る(PDF形式)最新号を見る(PDF形式)
一覧ページ一覧ページへ
講演会入会お申し込み後援会入会お申し込み
献金のお願い献金のお願い

<p><iframe src="//www.youtube.com/embed/EmJ22BNtjNU" width="302" height="180" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe></p>




たかゆきチャンネル
鷹之ブログ
ツイッター フェイスブック
自民党LibDems
pagetop
pagetop