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2019年03月18日

国家戦略としての情報インフラ整備について

データドリブン型社会が進行する中で大きな課題になるのは、集積される膨大なデータの送受信速度やデータ処理能力を司る情報インフラの整備です。

 

すなわち、現行4Gの100倍とも言われる通信速度の5Gが整備されることによって、自動運転やロボット、AI(人工知能)などによる新たなサービスが可能となります。そのために、早急に整備する必要がある重要インフラとしては、①スマートフォン等から無線で情報を受信する5G基地局、②基地局の間を有線で結ぶコア・ネットワーク、③それらの大量データを集積・分析する「クラウド型」データセンターの3つです。

 

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 出典:将来のネットワークインフラに関する研究会資料(和田尚也NICT所長) 

 

まず、無線アクセスのポイントとなる「5G基地局」に関しては、米中対立で議論の的となっているファーウェイ社の基地局については、その部品の多くは日本製だと認識しています。現在、移動通信基地局の世界市場の約9割を、ファーウェイ社、エリクソン社、ノキア社、ZTE社が占めていますが、今後、5Gをフルスペックで利用するためには、基地局の数も今の10倍以上必要となります。だとすれば、日本製の5G基地局の展開(少なくとも国内は)を国策として位置付けることも考えるべきではないでしょうか。

 

今後は、こうした基地局の間をつなぐ「コア・ネットワーク」、すなわち5Gに対応できるだけの通信容量と伝送速度を持つ光ファイバー網の構築が必要になります。こうした光ファイバー網や基地局は、「未来の公共インフラ」です。

莫大な投資が必要になるので、民間企業だけに任せていてはスピーディーな整備は難しいと思います。こうしたインフラ整備こそ、民間企業を巻き込みながらも、国が主導して早急に行うべきと私は思います。

 

そして、基地局やコア・ネットワークと共に重要なのが、「データセンター」です。

GAFAやBATによる超巨大データセンターの世界市場は2018年第3四半期のみで2.8兆円、前年同期比53%の増加です。とりわけ、Google社やAmazon社は世界中でデータセンターの拡大計画を進めており、四半期ベースで数千億円もの投資を続けています。最近ではGoogle社が2.5億ドルの税制優遇を受けてネバダ州の73万㎡の土地に700億円を投じてデータセンターを新設する予定とも言われています。まさに、データ市場サービスが成長市場であることの証左です。

 

IDC Japanによれば、日本国内におけるデータセンターの新たな増設投資額は、昨年は約1,500億円です。但し、国内にあるデータセンターは、数としては2014年時点で8万箇所を超えてはいるものの、小規模のもの、老朽化したものも含まれています。コネクテッドインダストリーを実現するためには、クラウド型のデータセンターを増やすことと、その大規模化が重要だと思います。

 

特筆すべきは、Amazon社が、企業や米政府をはじめ、様々な機関の「機密情報」を管理するサービスを提供している点です。CIAは2013年時点でこのサービスを利用してクラウド化を図り、セキュリティー性とアクセス性の向上に成功しました。また、ペンタゴンにおいても、同様の検討がなされていると言われています。

 

我が国が、米中に比肩しうるデータドリブン型社会を本気で構築していことするのであれば、政府が取り扱う全てのデータを早急にクラウドに移行していく必要があると思いますし、そのためには、大規模なデータセンターが必要だと私は考えています。

 

そして、データセンターは電力消費量が大きいのが特徴です(注:現在、小規模のデータセンターが集中している首都圏においては、全消費電力の12%にもあたる電力を消費しているとされています)。したがって、大規模データセンターの建設のためには、大容量の電力を安定供給できる広大な土地が必要です。サーバーや空調など、様々な機器が大量に必要になることから、大きな経済効果が期待できますので、地方にデータセンターを誘致することで、地方創生の一助となることも考えられるでしょう。

 

現時点において、日本にはAmazon社などに比肩しうる国産プラットフォーマーが存在していない以上、国家としてデータセンターを建設することも考えて良いと思います。

 

「5G基地局」、「コア・ネットワーク」、そして「クラウド型データセンター」の一体となった情報インフラシステムの整備。大きな構想でありますから、決断するのは役所ではなく、政治だと思います。日本の国家戦略の一つとして速やかに検討し、結論を出すべき課題です。

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2019年03月16日

外国人労働者に対するデジタルマネーでの給与振り込みについて

昨年末の法改正によって、今年の4月から外国人労働者の受入れ拡大が始まります。

この点について、これまでの自民党内の会議や国会審議で私自身がとってきた慎重なスタンスについては過去のブログで紹介した通りです。

 

法改正後も、政省令等の様々なルールの策定が残っていましたので、残る懸念については可能な限り明らかにすべく心がけてまいりました。

 

その中で、昨日法務省の政省令が交付され、これから労働者として在留資格を得ようとする外国人の方には「健康診断書」を求めることとなりました。

これまで、私たち日本人の保険料等で運営されている保険制度を利用して、低価格・高品質の医療行為を受けることを目的に日本に短期滞在する外国人の存在が指摘されていました。

党内議論や国会審議でも私自身、政府に提案・要請したことが形になったことは良かったと思います(国によっては診断書を容易に偽造できるかもしれないので、しっかりとした審査が必要であることに変わりはありませんが)。

 

加えて、今朝の日本経済新聞で、「外国人労働者への報酬については原則として預貯金口座に支払うことを義務付ける」というが報道されています。

実は、少し前に、こうした外国人労働者の中でも「口座開設が困難な外国人」に対しては給与振り込みを(口座振り込みではなく)デジタルマネーで行うことを認める方針が政府によって公表されました。

 

この点について、私は反対でして、先月の自民党法務部会の場においても、次のような異論を申し述べました。

 

・一般論として、社会におけるキャッシュレス化を進めていくことに異論はない。しかし、これから大勢入国してくる外国人労働者の給与をデジタルマネーで支払うことを認めることには反対である。

 

・そもそも「口座開設が困難な外国人」のために、給与のデジタルマネー支払いを認めるとあるが、仮に日本や英語が話せない外国人であっても金融機関が外国語対応は責任をもってやるという方針を掲げている以上、これは口座開設困難という理由にはならない。また、外為法上、預貯金口座の開設には「6カ月以上の滞在」が条件としてあるが、そうであったとしても、日本国内の企業で勤務する場合は口座開設が可能とされているので、これも理由にならない。だとすると、今後受入れを想定している「口座開設が困難な外国人」とは一体どのような外国人を想定しているのか?

 

・そもそも、現在の「技能実習制度」の下でも、既に年間7,000人以上の外国人が失踪している状況である。在留管理を強化する観点からは、何かあった時に、お金の流れをしっかりと把握できる体制が必要であり、そのためには、せめて預貯金口座の開設くらい義務付けてはどうか?

 

・また、外国人労働者に限った話ではないが、デジタルマネーによる給与支払いを認めるとすると、こうしたマネーを取り扱う業者は、いわゆる「銀行」ではなく、「資金移動業者」ということになる。預金を取り扱う機関である銀行については、破綻時には預金保険機構によって預金が守られることになるが、資金移動業者は元々は送金を主な業務とするため、こうした制度で守られることはない。問題が生じたときには労働者への賃金支払いが滞るリスクもあるので、外国人労働者の権利を保護することにも反する。

 

・マネーロンダリングやテロ資金対策でFATF(通称ファトフ。マネロン対策等を担当する国際的な組織)によって様々な規制や勧告がなされているが、資金移動業者の中でこうした規制基準をクリアしているところはそもそもどれくらいあるのか。決して多くないと思われる。

 

 

以上の問題提起をしたところ、法務部会の幹部の同僚議員もこの点についてはご存じなかったということで、後日、政府より再度説明ということになりました。

しかし、その後の説明においても、納得できる答えはなく、逆に、デジタルマネーでの給与支払いについては近々、政府内の労働政策審議会で議論が開始され、結論を出す予定であることが判明しました。

 

既に述べた通り、本件には多くの課題がありますし、そもそもの前提が「口座開設が困難な外国人」の存在にあるわけですから、その前提が崩れている以上、拙速な政策対応は厳に慎むべきです。

その意味で、「外国人労働者への報酬については原則として預貯金口座に支払うことを義務付ける」との本日の報道の詳細を確認したいと思います。

「原則として」義務付けるということは、「例外」が存在するということです。

政省令において、そうした例外が本当に存在するのか、制度が蔑ろにされないように、確認します。

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2019年03月13日

我が国の先端技術の流出を防ぐために

本日の経済産業委員会で世耕大臣にも質問をしましたが、私が以前より強い問題意識を持っている課題です。

 

昨年来、米国は、中国による知的財産の窃取や技術の強制移転、不公正な貿易慣行などを理由に、中国製品に新たな関税を課すなどの制裁を始めています。

さらに、米国では国防授権法の一部である「輸出管理改革法」と「外国投資リスク審査近代化法(FIRRMA)」に基づいて、先端14分野について、技術の国外流出に対する規制強化を図っています。

この規制対象には、安全保障とは一見関係がなく、また、実用化には時間がかかるけれども、有望と見込まれる技術の種、シーズも含まれています。

 

一方で、わが国では、東芝の半導体に関する研究データが韓国のSKハイニクスに漏洩された事件や、新日鐵住金の高級鋼材の製造技術がポスコに漏洩された事件をきっかけに、2016年に不正競争防止法が改正されました。

これによって、技術上の営業秘密を侵害する品目の譲渡や輸出入などが不正競争の類型として追加され、罰金上限も引き上げられました。

更に、日本企業が元従業員らの不正行為によって莫大な被害を受けたことが露見した結果、昨年、データを不正取得する行為なども不正競争行為として追加する法整備がなされました。

また、一昨年には外為法が改正され、安全保障に関する機微技術や貨物の輸出についても規制強化がなされました。

こうした一連の規制強化については、私は国益にかなうことだと考えています。

 

しかしながら、近年ではシャープが台湾の鴻海に買収され、東芝メモリが日米韓企業連合へ売却され、タカタも中国企業に買収されるなど、日本独自の技術や最先端技術を持つ日本企業が経営悪化を理由に外国企業に買収され、その技術が「合法的な形で」他国企業に流出している現実があります。

 

このように、現行の外為法などでは規制対象にはならないけれども、わが国の競争優位をもたらす「戦略的資産」である最先端テクノロジーを有する企業の買収に対して、私は国として何らかの対応ができるような仕組みが必要ではないかと考えています。

現行の外為法上の規制は、主に安全保障上の理由などに限られていますが、今の時代、どの技術、どの部品が軍事転用されるかわかりません。だからこそ、先端技術については、あまねく軍事転用可能性があるという前提で、我が国においても、外為法上の対内投資規制の対象を広げるべきだと考えています。

 

更に問題だと感じているのは、国が出資し、技術開発をしている企業が、安易に他国企業と連携したり、買収されたりすることです。

例えば、官民ファンドである産業革新機構(INCJ)の投資対象であるルネサスエレクトロニクスが昨年よりアリババと連携を開始しました。ルネサスは半導体技術を保有しています。また、有機ELパネルの技術を保有するJDIに関しても、中台企業連合が買収を検討しているとの報道もあります。こうした展開は、我が国の国益を毀損しかねないと思います。

 

こうした事態を未然に防ぐためには、国の出資のみならず、補助金を含め、公的な資金が入っている企業の買収案件については、事前に政府への届出を義務づけるなどの対応が必要なのではないでしょうか。

 

加えて、こうした海外からの対内投資の審査体制については、外為法上、財務省と各事業官庁とが審査することになっていますが、実質的には各事業官庁のみによる審査となっています。

より複眼的な審査を可能にするためにも、米国の対米外国投資委員会、いわゆるCFIUS(シフィウス)のような合議制にするか、または新たな審査機関をNSCの下に設置するなどして、審査体制を強化していくべきと考えます。

 

こうした考え方については、いまや一企業でイノベーションを起こすことは難しく、グローバルなサプライチェーンも組まれているとの理由や、ボーダーレスな自由経済の下においては政府による介入は可能な限り控えるべきだとの反論もあるでしょう。

 

しかし、ビジネスと政治は異なります。

政治家は、あくまで一企業の利益ではなく、「国益」を見据えて行動しなければなりません。その国益の定義の仕方も各政治家によって捉え方はまちまちでしょう。

ただ言えることは、国際社会においては、自由主義経済を標榜している国であっても、自国の国益をいかに最大化できるかを冷徹に考え行動しています。日本はこうした点において、ややナイーブな気がしてなりません。

制度面や運用面でどこまでできるか、同僚議員と共に検討していきたいと思います。

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2019年03月6日

児童福祉法改正について

昨日も自民党内で厚生労働部会と虐待等に関する特命委員会の合同会議が開催され、自民党としての提言や児童福祉法の改正案についての議論が行われました。

報道されているとおり、いわゆる「懲戒権」の位置づけや中核市への児童相談所(児相)の設置義務化などについての議論がメインでありましたが、私からは前回と重なる点も含め、主に次のような点について意見を申し上げました。

 

・児相内の家庭支援部局と介入機能部局とを分けるという案を頭から否定するつもりはないが、保護者から見れば、共に同じ児相内の部局なので、支援について相談したら逆に介入されてしまうのではないか、との懸念を抱き、かえって児相への相談を控えてしまうリスクがあるのではないか。

だからこそ、支援と介入は別々の「機関」に担当させるべきではないか?2022年度までに市区町村に設置される予定の子ども家庭支援センターには家庭支援の機能を持たせ、児相については、介入に特化させて、児童「相談」所ではなく児童「保護」所とすることも一案。仮に、児相内にて部局を分けるのであれば、(上記の)リスクを低減させるための制度的な担保はあるのか?

 

・党提言に、警察と児相の連携・情報共有とあるが、児相から警察への情報共有もさることながら、警察を含めた捜査機関から児相への情報共有にも焦点を当てるべき。

捜査機関である以上、捜査に関わる機微な情報については共有すべきではないことは当然のこととしても、単に釈放した親の表面的なプロフィールだけではなく、子どもの命を守る観点から必要な情報というものがあるはずで、できる限りの情報共有を進めていくべきだと考える。

 

・今回は焦点が当たっていないかもしれないが、党提言にある「司法面接」(児相・警察・検察など関係機関が連携して、虐待の被害にあった子供たちへの聴取をまとめて行い、心理的・肉体的な負担を軽減し、二次被害(トラウマ等)を防ぐためのもの)。

野田市や目黒区の事件は最悪の結末であるが、虐待の被害を受けている子供たちの大半は、虐待の経験を背負いながら、その後の長い人生を生きていく。だからこそ、二次被害を防ぐための司法面接については、先般の刑法改正時に参議院の付帯決議にも盛り込まれているので、そろそろ法定化を検討すべきではないか。

 

こうした党の会合の他にも、超党派で児童虐待の厳罰化を考える勉強会も発足しています。厳罰化すれば問題が解決するというような簡単な話ではありませんし、虐待が問題となっているのは高齢者の方や障害を抱える方など、児童に限った話でもありませんが、様々なアプローチを模索していく価値はあると考えています。

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2019年03月5日

原子力政策について

本日、久しぶりに、自民党のエネルギー総合調査会が開催され、資源エネルギー庁から我が国のエネルギー政策全般について説明がありました。

 

私からは原子力発電について次の点を指摘しました。

 

エネルギー安全保障の観点から、原子力政策をしっかりと位置付けていくべきである。

国内では再稼働が進まず、海外案件も事実上ゼロになった今、原子力の技術の承継や技術者の育成は喫緊の課題である。

既に、現場では原発を動かしたことのない30歳前後のリーダーが増えてきているし、このままいくと原発を製造する技術者が確実に減っていく。資源エネルギー庁が原子力イノベーションとしての高速炉などによって技術を維持していくというが、それで本当に充分なのか?私はそうは思えない。

もちろん、国民による原発の安全性・必要性に対する理解は大前提なので、科学的知見に基づいた冷静な説明や、海外の原発の状況を含めた説明を国民に対してしっかりと行っていくことが求められる。

その上で、国内では、再稼働を進めていくことはもとより、第5次エネルギー基本計画に盛り込まれなかったリプレースや新増設を国が一歩踏み込んで進めていくべきである。

また、海外案件については、コスト面が合わずに日本企業が事実上撤退せざるを得なかったとの報道があるが、国としてどのように関与したのか?インフラシステム輸出の旗を掲げるのであれば、案件を取るまでではなく、案件が取った後も、民間企業だけに任せるのではなく、国が様々な支援をして国策としてテコ入れしていくべきではないか。

 

 

以上です。

我が国が先の大戦に踏み込んでいかざるを得なかった背景にはエネルギー問題があります。

国民感情も大切ではありますが、エネルギー安全保障の観点から、冷静に議論をしていくことが求められていると思います。

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<p><!– レスポンシブに対応していない為、非表示にしています。2017年10月23日佐野
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