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2018年07月15日

児童虐待に関連して ~子どもの視点に立った「司法面接」の導入を目指して~

昨今、心が痛む児童虐待事案に触れる機会が多いです。身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクト(放置)。しかし、それも氷山の一角。我が国では、児童相談所(児相)で対応した児童虐待相談対応件数は122,578件と過去最多を記録。うち検挙件数は1,081件となっています(平成28年度)。行政による対応が不十分、あるいはそもそも把握されていない案件(暗数)が少なからず存在すると考えられます。こうした中で、児相の体制強化や他機関との連携強化は喫緊の課題です。加えて、こうした一次被害に加え、「二次被害」が深刻な問題となっています。

 

特に、親などから性的虐待の被害にあった子どもが、児相に、警察に、そして検察に同じことを根掘り葉掘り聞かれます。忌まわしい被害を再体験することになり、調査・捜査の過程で耐え難い二次被害を受けることになります。しかも、捜査機関による聴取では、立件するための証拠となるよう、子どもは様々なことが聞かれますが、質問のやり方を相当丁寧にしないと子どもは誘導や暗示にかかり易いため、記憶の混濁も起こります。

 

児相、警察、検察などの関係機関の連携は、以前と比べると改善されました。しかし、一般論として、児相よりも捜査機関の力が強いせいもあり、どうしても「捜査」の視点が優先されがちで、「子どもの福祉」の視点が置き去りになることが多いとされています。警察にとっては、事案を立件すれば終わりであったとしても、虐待を受けた子どもは、事案の立件後も長く続く人生の中で、苦しみと戦い続けるわけです。

 

こうした点を踏まえると、我が国における関係機関の連携は、情報共有を含め、米国などと比べるとまだまだ不十分と言わざるを得ません。

そこで私が注目しているのは、既に米国で制度として確立している「司法面接」と呼ばれるものです。

これは、①関係機関が連携して子どもへの面接を実施することで聴取回数を可能な限り少なくすること、②子どもにやさしい環境下で、子どもの発達段階に応じた誘導のない聴取を行うことで法的論争に耐え得る事実を聴取すること目的とした制度です。面接する場所も、殺風景な部屋ではなく、色調や家具など、子どもに優しい施設で行います。また、面接する人間も、特別に訓練を受けた人が行います。

 

先般、私が事務局長を務める自民党司法制度調査会でもこの点を取り上げ、提言を作成し、菅官房長官、上川法務大臣、加藤厚生労働大臣、小此木国家公安委員長に問題提起と然るべき対応を要望してまいりました。

 

現行制度を所与のものとして連携強化を図る関係省庁との間には、まだ隔たりはありますが、例えば、現在、各都道府県に整備されつつある、性犯罪被害に関するワンストップ支援センターに付属する形で「子どもの権利擁護センター」を設置し、司法面接を推進していくのも一つのアイデアだと思います。

いずれにしても、真に「子ども目線」での取り組みを進めていくのは政治の責任です。

一つひとつ政策を実現すべく、汗をかいてまいります。

 「小林鷹之からの手紙 41号」も合わせてご覧下さい。https://bit.ly/2II0LYU

 

  • 自民党司法制度調査会の提言「誰一人取り残されない日本を目指して」は下記URLからご覧いただけます。

概要: https://bit.ly/2Ngpd6u

全文: https://bit.ly/2NRs0UT

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