児童福祉法改正について

昨日も自民党内で厚生労働部会と虐待等に関する特命委員会の合同会議が開催され、自民党としての提言や児童福祉法の改正案についての議論が行われました。

報道されているとおり、いわゆる「懲戒権」の位置づけや中核市への児童相談所(児相)の設置義務化などについての議論がメインでありましたが、私からは前回と重なる点も含め、主に次のような点について意見を申し上げました。

 

・児相内の家庭支援部局と介入機能部局とを分けるという案を頭から否定するつもりはないが、保護者から見れば、共に同じ児相内の部局なので、支援について相談したら逆に介入されてしまうのではないか、との懸念を抱き、かえって児相への相談を控えてしまうリスクがあるのではないか。

だからこそ、支援と介入は別々の「機関」に担当させるべきではないか?2022年度までに市区町村に設置される予定の子ども家庭支援センターには家庭支援の機能を持たせ、児相については、介入に特化させて、児童「相談」所ではなく児童「保護」所とすることも一案。仮に、児相内にて部局を分けるのであれば、(上記の)リスクを低減させるための制度的な担保はあるのか?

 

・党提言に、警察と児相の連携・情報共有とあるが、児相から警察への情報共有もさることながら、警察を含めた捜査機関から児相への情報共有にも焦点を当てるべき。

捜査機関である以上、捜査に関わる機微な情報については共有すべきではないことは当然のこととしても、単に釈放した親の表面的なプロフィールだけではなく、子どもの命を守る観点から必要な情報というものがあるはずで、できる限りの情報共有を進めていくべきだと考える。

 

・今回は焦点が当たっていないかもしれないが、党提言にある「司法面接」(児相・警察・検察など関係機関が連携して、虐待の被害にあった子供たちへの聴取をまとめて行い、心理的・肉体的な負担を軽減し、二次被害(トラウマ等)を防ぐためのもの)。

野田市や目黒区の事件は最悪の結末であるが、虐待の被害を受けている子供たちの大半は、虐待の経験を背負いながら、その後の長い人生を生きていく。だからこそ、二次被害を防ぐための司法面接については、先般の刑法改正時に参議院の付帯決議にも盛り込まれているので、そろそろ法定化を検討すべきではないか。

 

こうした党の会合の他にも、超党派で児童虐待の厳罰化を考える勉強会も発足しています。厳罰化すれば問題が解決するというような簡単な話ではありませんし、虐待が問題となっているのは高齢者の方や障害を抱える方など、児童に限った話でもありませんが、様々なアプローチを模索していく価値はあると考えています。

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