(講演録⑤) 憲法改正について

これまでお話させて頂いた国力のマトリクスを作り上げる上で基本となるのが、やはり「憲法」です。

 

憲法は、法治国家における最高法規。国のあるべき姿を定めたものです。

先ほど、究極の国益は、「我が国の主権、国民の命と暮らしを守り抜く」ことであると申し上げてきました。この目指すべきところに照らし合わせても、また、制定から70年以上経過する中での社会の変化に照らし合わせても、足りない点や現実に合わない点が出てきています。

 

一昨年の5月に安倍総裁が自衛隊の明記を含む憲法改正の必要性に言及した後、私が所属する政策集団・志帥会で憲法改正案を検討するという話になり、その時、事務局を仰せつかりました。憲法全体を全般的に検討し、見直すべきか、総裁の発言を中心に検討するのか、そんなことで悩みながらも、有識者の方々からのご意見を伺っておりましたところ、志帥会の最高顧問である伊吹先生からもご講話をいただきました。

 その中で、「何よりも憲法というのは、その国の歴史や国柄の上にできあがっているものであると。明治憲法や現憲法の制定過程も含めて、よく勉強するように」とのアドバイスをいただきました。 

 

憲法改正は自民党の綱領に明記されています。そもそも国会議員が発議することなしに、国民投票にかけられない以上、国民の皆様にご判断いただくに値する改正案の作成に向けて汗をかくのが国会議員としての務めです。しかし、昨年から、衆議院憲法審査会の幹事という役員をさせていただいていますが、昨年来、憲法審査会での実質的な審議は殆ど行われていません。憲法については多様な考え方があるのも事実なので、各党にも議論への参加を呼びかけ、丁寧かつ活発な議論を通して、また、国民の皆さまにも地道に訴えかけ続けて、憲法改正に向けて取り組んでまいります。

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そして最後に繰り返しになりますが、政治家として、自分自身が過ちを犯しうる存在であることを肝に銘じつつも、一方で、アテネ民主政の黄金時代を気づいたペリクレスという政治家がいます。彼は、「本当に人々のためになることを実行するには憎まれてでも志を曲げぬことが必要」といったように、本当に国民のためになると信ずることを実現すべく、いわゆるポピュリズムとは対峙をしていく気概を持って、地道に国政にあたってまいりますので、これからも皆さまからご指導を賜りますようお願い申し上げ、講演を終わらせて頂きます。ありがとうございました。

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