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「伝える力」 ~国政挑戦を決断してから1年が経過して~

なでしこJAPAN。

やりましたね!

未明から、何度も鳥肌が立った試合でした。

アメリカ先制弾。なでしこ同点弾。

アメリカ追加弾。なでしこ再同点弾。

粘って粘ってのPK選。

相手のクリアミスを拾って押し込んだ宮間選手のゴールも、

延長後半戦に角度のない地点から流し込んだ澤選手のゴールも、

PK選の相手の一発目で、空中に残した右足でボールを跳ね返した海堀選手のファインセーブも、

それこそ粘りの気持ちというか、勝利への強烈な執念が表れていましたね。

絶対に諦めない。頑張ればできるんだ。

改めてそう思わせてくれる、日本列島に大きな感動と夢を与えてくれた素晴らしい勝利でした。

私たち日本人一人ひとりも、そんな気持ちをもって、震災からの復旧・復興へ取り組み続けていきたいですね。

さて、その震災から4か月以上が経過しました。

現地では復旧作業が懸命に進められています。

しかし、まだ3分の1しか進んでいない瓦礫の撤去を含め、復旧・復興のためにやらねばならない作業は山積み状態です。また、福島第一原発の事故処理は依然として継続しています。

このような中で、一貫性を欠く政府の対応、特に総理にあるまじき軽軽な発言、右顧左眄(うこさべん)する姿勢は国民に希望を与えるどころか、絶望に拍車をかけています。

「信無くば立たず」

論語にある有名な一説です。

まさに今、この国が危機に瀕しているのは、このような政治への不信が募っているからに他なりません。

その不信が募る原因は様々でしょうが、私が特に気になるのは、今の我が国の政治には「伝える力」が欠けているという点です。

これは菅総理の言動を見れば一目瞭然です。

昨夏の総理就任直後に、消費税増税に関する熟慮無き発言と即時撤回により、参院選で民主党が敗北を喫しました。これは、「増税」そのものに対する嫌悪感というよりも、「増税」という極めて重いテーマには到底相応しくない発言の軽々しさに対する嫌悪感の発露であったと思います。

つまり、

何故、消費税増税が必要なのか。何故、今なのか。増税のメリット・デメリットは何か。メリットを実現する(デメリットを回避する)代替手段は存在しないのか。何故、メリットがデメリットを上回ると考えられるのか。増税の具体的な方法やスケジュールは何か等々。

こういった点について、一つひとつ熟議を重ね、その結論を丁寧に伝える努力を怠ったことに私たち国民が怒りを覚えたのだと思います。

あれからまだ一年しか経っておりません。

「喉元過ぎれば熱さ忘れる」

とはよく言ったものです。

この度の原発事故を巡る一連の過程においても、

浜岡原発の突然の停止要請、

玄海原発再稼働を要請した直後における突然のストレステスト実施表明、

そして先日の仰々しい総理記者会見直後に「脱原発依存は個人の考え」と急遽釈明に転じる姿。

原発政策を今後どのように舵取りしていくのかという点は、単なるエネルギー政策や経済政策という枠を超えて、国家戦略全体に関わってくる重要な問題です。それは、資源エネルギー問題が先の大戦へと突っ込んでいく一因となったとされる背景や、二度にわたる石油ショックの経験を踏まえれば明らかなことです。今回の原発事故を受けて、エネルギー供給の「安定性」と「安全性」をいかに高い地点で妥結させるのか、政治に大きな責務が課されている中で、総理には、「脱原発」の是非について、その大きな方針と具体的な政策と理由を私たち国民に向けてしっかりと説明し、かつ、説得する責任があると思います。

説明責任を放棄したり、一貫性を欠く発言を繰り返したりするのであれば、思いを伝えることなど不可能です。そんな政治家が総理の座に居座る資格は無いと私は考えます。

この「伝える力」という意味において、私は米国のリーダー達の方が断然優れていると感じてきました。

911、イラク戦争開戦、リーマン・ショックといった大事件が生じた際は勿論のこと、内政・外政について政府が重大な決断を下す場面では、必ずと言っていいほど大統領本人によって国民への語りかけが行われます。

夜8時頃に殆どのキー局のテレビ画面がホワイトハウスに切り替わり、大統領が登場します。

「今は苦しい時期だ。だからこそ、我々米国人の総力を結集し、必ず道を切り拓こう。そのためにも政府は、○○の方向性で、△△、□□といった政策を着実に遂行していく。」

進むべき方向性と具体的な政策を示し、それを実現する覚悟と協力を、自信を持って国民に訴えかけます。米国のメディアは厳しいですから批判も多々ありますが、大統領が国民に語りかける言葉には自信と説得力があって、多くの国民が一定の安心感を得るのに寄与していると私は感じてきました。

今、我が国では、政治全体が批判の嵐に晒されています。

それは、政治にもっとしっかりして欲しいという気持ちの裏返しだと私は捉えています。

先行きが不透明な中で、日々の暮らしや子供たちの将来、そして地域や国の行く末に対して、多くの方々が不安を抱えている。

だから、リーダーである総理には、その悲痛な思いを感じ取って頂き、揺るぎなきビジョンと覚悟を、自信を持って説明してもらいたい。そして、それに心から納得したい。これが多くの方々に共通する思いだと思います。

批判に晒されている時に、聞こえの良い事だけを、整合性も持続可能性も無いのに選挙目的で並べ立ててきたのが従来の政治。でも逆だと思いませんか?批判に晒されているからこそ、短期的に耳障りであっても、中長期的に正しいことを正面から論じていく、そんな政治を実現したいという思いが私にはあります。

さもなくば、この国は崩壊のスパイラルから抜け出せなくなる。

主権と独立を放棄するかのような、戦略と自己主張を欠いた場当たり的な外交政策。人口減少が現実となり、経済全体のパイが縮小しているにもかかわらず、パイの切り分け方、所得の再配分でしかないバラマキに固執する時代錯誤の経済政策。亡国に導くような迎合政治とは決別し、この国の未来を皆様と力を合わせて切り拓く姿勢を示すことを通じて、信頼できる政治を必ず取り戻したいです。

最後に、私ごとで恐れ入りますが、昨夏、自民党の支部長に就任してから一年が経過しました。皆様のご指導・ご支援のお蔭で、多くの勉強をさせて頂きました。まだまだ発展途上ではございますが、自らの思いを一人でも多くの方の心に伝えられるようにこれからも精進してまいります。

(以上の文面は小林鷹之のメールマガジンにおいても掲載されております)

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