嘉手納統合案に見る米国政治情勢

こんばんは。

小林鷹之です。

今日も良い天気でしたね。

朝から、地元の植栽ボランティアの方々と共に、街路樹のツツジの剪定(せんてい)をやらせていただきました。

先日のスタッフブログでも紹介されたツツジです。

チェーンソーを片手に皆で片っ端から刈り続けるのですが、かなり大変な作業だなと感じました。

私は所用のため午前の一部のみしか参加させて頂けませんでしたが、ご高齢の方が多いボランティアの方々は一日中やられたので、本当に頭が下がります。

お疲れ様でした!

さて、話は変わりますが、現在、原発問題への対処等に国内の関心が集中している傍らで、外交問題がプレイアップされない状況が続いています。

北方領土において、ロシアが更なる軍備拡張を行い、実効支配を固めようとしている点はその最たる例です。

そして、米軍普天間基地の移設問題もその例に漏れません。

数日前に、米国上院軍事委員会のレビン委員長らが普天間基地の嘉手納基地への統合について言及したことが波紋を広げています。

そもそも、嘉手納統合については、これまでに交渉過程で何度か浮上してきた案ですが、騒音問題の更なる悪化や、空軍(嘉手納)と海兵隊(普天間)の統合オペレーションに問題が生じうるという理由で日の目を見ることはありませんでした。

しかも、先月末に、日本政府が、辺野古移設・I字案(滑走路が1本)を断念し、米国の主張する同V字案(滑走路が2本)とする方針を固めたとの報道がなされたばかりです(そもそも、このV字案は5年前に前政権下で合意されていたのですが・・・)。

日本政府が、辺野古移設こそが日米による政府合意であるとし、今回の嘉手納統合は米国の一部の議員による意見に過ぎないとするのは、自然な捉え方です。

しかし、米国の国内ポリティクスの観点も念頭に置いておかなければならないと思います。

今回、レビン議員が嘉手納統合案を主張した理由として、日本の国内事情によりこのままでは基地問題が解決されないことに加え、予算を可能な限り抑制したいとの背景があったようです。

今、米国では、軍事面に限らず、予算、すなわち財政問題が大きな争点になっています。

米国では、連邦債務(累積ベース)の上限を法律で規定します。

これまでも、債務残高が上限に近づくたびに政府による要請を受けて、その都度議会が上限を引き上げてきたのですが、今回は非常に難しい様相を呈しているんですね。

その原因が、米国の国内政治情勢の変化です。

昨年秋の中間選挙によって、米議会の状況が一変しました。

下院では多数派が民主党から共和党へと変わり、上院では民主党が何とか多数派を占めてはいるものの、フィリバスター(議事進行妨害)を阻止するための60議席のラインを割りました。

簡単に言えば、オバマ大統領(民主党)率いるホワイトハウスと議会との関係が非常に難しくなったということです。

議院内閣制の下で、議会最大与党から総理を出すことが通例の我が国とは政治体制が異なるんですね。

しかも来年の大統領選に向けて、与野党の政治的駆け引きが激化しています。

連邦債務の上限引き上げの話もその一つの材料となっていることは否定できない事実です。

万一、米国の債務がその上限を超えることになれば、米国債がデフォルトし、世界経済が大混乱するでしょうから、米政府としては何としてでも避けなければならないシナリオです。

議会で力を持つ共和党は、その足元を見て様々な要求をし、色々な角度から譲歩を引き出そうとするでしょう。

したがって、普天間の問題にしても、米政府との合意を重視するのは当然ですが、相手国の政治情勢を踏まえ、流動的な面が強くなっていることを認識した上で、日本政府としての意思決定を下していかねばなりません。

災害対応に全力を尽くすことは当然ですが、それによって外交に関するアプローチが単調になることがあってはなりません。

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