地方創生について

こんにちは。
小林鷹之です。


衆議院議員2期目として臨んでいる通常国会では、平成27年度予算の審議が佳境に入っています。私も予算委員会(NHKで放映されている委員会)の委員に任命され、経済成長と財政健全化の両立を図るべく予算審議に臨んでおります。

様々な政策課題の中で、とりわけ政府、与党が最重要課題として取り組んでいるのが「地方創生」です。
地方からの人口流出と東京への一極集中が進む中で、このままいくと地方からの人口減少が加速し、最終的には無人の市や町が出現するという危機感があります。
地方の人口減少に歯止めをかけるためには、地方に活力を取り戻す必要があります。
そしてそれを実現する手法は、国が自冶体に対し、全国一律のやり方を押し付けたりお金をばらまくといった従来の方法ではなく、自ら知恵を出し、汗をかきながら本気で頑張る自治体を支援する方法へと転換する必要があります。

そもそも、この「地方創生」という考え方は目新しいものではありません。今から遡ること約35年前、大平正芳総理(当時)の時代に幅広い分野の専門家が集い、まとめられた「田園都市国家構想」において、まさに同様の問題意識と主体性ある地方の活性化の必要性が指摘されています。

35年間何故このことが実現されなかったのでしょうか。勿論、将来の人口減少に対する危機感が薄かったことも一因でしょう。加えて、安定成長期とはいえ、1980年代のバブルに向かう過程や、その後の失われた20年間の我が国の経済、政治情勢の不安定化の中で国にも各自治体にもそこまでの意識を徹底する余裕がなかったのだと思います。
安倍政権になって、様々な評価はあるものの、一定の支持率を維持する中で、ようやく腰を据えて「地方創生」に取り組める環境が整いました。

今後、具体的な施策を進めていくことになりますが、先般のプレミアム付商品券のようなものは短期的には地域の消費を喚起し得るとしても、地方創生の本質とは異なると私は捉えています。

地方「に」金を。
地方「に」人を。
地方「に」仕事を。

こうした地方分権的な考え方は、一見正しそうに思えます。しかし、私はより中長期的に地方が活力を生み出すには、

地方「で」人を育み、
地方「で」仕事を創り、
地方「で」金を稼ぐ

という視点に基づく政策が必要だと考えます。

先週、予算委員会地方公聴会で島根県に赴き、まちづくりに真剣に挑む方々と意見交換を行いました。その中で、隠岐島海士町(あまちょう)の島根県立隠岐島前(どうぜん)高等学校魅力化コーディネーターの岩本悠さんからもお話を伺いました。今や海士町と言えば、街づくりの代名詞となっています。山内町長の口癖は「街づくりに必要なのは『やる気』ではなく『本気』だ」そうです。
街づくりを「やりたい」という首長は多勢いても、「本気」の人は少ない。そんな考え方を持って、「ないものねだり」ではなく「あるもの探し」をする姿勢で、隠岐牛、サザエカレー、岩ガキ春香等様々な名産品を産み出しています。

そして何より教育方針が素晴らしいと感じました。「ない」ことの価値に目をつける。コンビニがない、便利さがない。これを逆手にとって、不便だからこそ、生きていくために本当に必要な力を身につけることができると捉え、島の年配の方から生きた知恵を学び故郷への愛を育む教育をしています。
一方でICTを活用し、島にいながら海外の高校生などとのコミュニケーションを図る。こんな教育に魅力を感じた生徒が国内外から島に集うようになり、刺激も生まれ、入学者も進学実績も飛躍的に向上しています。

岩本さんの考え方は、島から東京に出てまた戻って来いというのではなく、むしろ世界を思う存分経験してから戻って来い。ブーメランと同じ。中途半端に投げても途中で落下し戻って来ない、思い切り投げればやがて戻ってくる。
「仕事がないから故郷に戻らない」のではなく「故郷で仕事を創りに戻りたい」という意識を身に付ける教育をしています、と断言していました。

ピンチをチャンスにかえる。

そんな自治体が次々と出てくればいいなと思います。そして、そうした環境づくりに国会議員として尽力してまいります。
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