日米首脳会談(TPP)

日米首脳会談が終了しました。

会合の結果は報道の通りです。

特に、主要な論点の一つであったTPPについて、交渉参加へのきっかけを作れたことは大きな前進だと考えます。

TPP(及びそれへの交渉参加)については見解が大きく分かれておりますが、私自身は、以前から、交渉への参加はためらうべきではないと主張してきております。党内では少数派です。

そもそも、TPPについては参加のメリットの有無が議論されるきらいがありますが、一方で、不参加のデメリット、例えば、

・すでに米・EUと協定を結んでいる韓国の企業に比して、日本企業がこれらの巨大市場において不利な競争条件になっていること、

・カナダやメキシコも参加表明する中で、広大なマーケットのサプライチェーンから日本企業が排除されること。特に、国際貿易に占める部品等の取引割合が多くなる中で、海外進出が難しい中小企業のビジネスチャンスが失われること、

についても冷静に考える必要があります。

一方で、しばしば問題とされる医療については、世界に誇る国民皆保険制度は必ず守りぬかねばなりませんが、そもそも、公的医療保険はWTOのサービス協定の対象外なので、TPPで議論される可能性は低いのが現実です。国民皆保険制度を有するオーストラリアなども交渉参加国です。

また、農業は、食糧安全保障の観点からも極めて重要な産業です。

過去50年間で食糧自給率が8割から4割へと半減する中で、これ以上下げることは許されません。しかし、現行制度の下で、はたして農業が今後も存続しうるのか。

地元の農家の方とお話ししても、後継者不足に悩み、耕作を放棄される方が続出する中で、TPPとは別次元の問題として、新たな農業のあり方について早急に結論を出さなければ、まさに坐して死を待つことになると考えます。

集約化・効率化の流れには逆らうべきではないと思いますし、また、ブランドを確立して、国や自治体が販路拡大を全面的にバックアップしていく努力も不可欠だと思います。

TPPとの絡みで言えば、個々の農家の方には、関税ではなく直接補償で対応すれば良いとも考えます。

ISDS条項にしても、特段目新しいものではなく、これまでの協定には含まれてきましたし、むしろ、我が国が投資立国を目指す流れからは、我が国の投資家を保護する観点も強調されるべきです。

私は、何が何でもTPPに最終的に参加すべきとは言いません。

守るべき国益が守れないと判断するのであれば、主権国家である以上、外交交渉から一方的に撤退する自由を有しています。

しかし、資源に乏しい我が国が、敗戦直後のまさに焼け野原、ゼロの状態から、短期間で世界の経済大国に成長してきたこれまでの軌跡を考えれば、自由貿易を通じた、モノやサービスの流れの中から新たな付加価値を生み出し、国富として積み上げていく「生き方」を変えるべきではないとの立場に立てば、交渉にすら参加をしないというのは、我が国の国益に資さないと考えます。

外交の現場で感じてきたのは、我が国は、より積極的な外交姿勢を貫く必要があるということです。

決められたルールを遵守するだけの優等生から、我が国の国益にかなう国際ルールを作る国へと変わる必要がある。そして、その枠組みを世界へと広げ、隣の大国の国営企業に足かせをはめるなど、中長期的な戦略を持つ必要がある。

そのような観点から、今回の安倍総理の訪米は、個人的に高く評価しております。

あとは、安倍総理が国内をどうまとめるか。

そして、おそらく短期間となるであろう交渉期間において国益をいかにして最大化するか。

交渉参加への突破口が開けた今、これからの勝負は、いかにして他の交渉参加国との分捕り合戦、すなわち、我が国にとって都合の良い「聖域」を確保していくかです。

ある意味、国内のTPPに対して反対される方々の声を、対外的には「言い訳」としてうまく活用しながら(=TPP交渉賛成派と反対派のそれぞれが役割分担を果たしながら)、政府が外交交渉に臨むことが重要だと考えます。

国益を最大化するために、私自身も微力ながら援護射撃をさせていただきます。

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