概算要求基準

みなさん、おはようございます。 日中は暑いですが、早朝は適度な気温で気持ち良いですね。 そよ風が吹くと涼しくて気持ちいいですね。

さて、今日は国の予算の話です。

国の予算というと、少し難しそうなイメージはあります。 でも、私たち国民の生活に直結するとても大切なものですので、財務省で働いていた人間として、今後もこのブログでできるだけわかりやすくお伝えしていくよう努力します。

昨日、政府が2011年度予算の概算要求基準を閣議決定しました。

「概算要求基準」って何?

ということですが、 通常、翌年度の予算案を策定するに当たり、各省庁が財務省にそれぞれの案を提出します。 しかし、その上限に枠がはめられていないとどうなるでしょうか? みんなこぞって、あれもこれも、ということになって、額が青天井に増えてしまいますよね。

昨年後半の民主党の例(=本年度の予算)が良い例です。

その結果、 全体の歳出が膨張し、税収だけでは補えない部分、つまり、 国債を発行しなければいけない額も膨張しました。

そしてなんと、税収を国債発行による収入が上回る事態になってしまったわけです。 国の支出(=歳出)の約半分を借金で賄うわけですから、とてつもなく異常な事態です。

さすがに民主党もそれはまずいと思ったらしく、 自民党時代のやり方に戻しました。 つまり、 各省庁がめちゃくちゃな案を財務省に出してこないように、あらかじめ、「あなたの省庁の予算案の上限はこれだけですよ」と決めることにしたんです。

これが概算要求基準です。

でも昨日閣議決定されたこの基準についてはいくつか指摘しておかなければなりません。

まず、良い点です。

・特別枠を設けるなど、厳しい財政状況の中でメリハリをつけようとする意識は感じられること。

・各省庁や与党族議員の抵抗が予想される中で、政策的経費の一律1割削減を打ち出したこと。

これらは評価されて良いことと私は思います。

しかし、これ以上に問題がある。

まず、

国債の利払費などを除く歳出の大枠を「本年度並み」の71兆円にする。そして、国債発行額をこれも「本年度並み」の44兆円を上回らないよう「全力をあげる」

という点です。

何が問題なのかを一言でいえば、

本年度並みを目指していることです。

既に述べた通り、本年度の予算はめちゃくちゃ異常な予算なんです。 そんな予算を来年度も目指すとするのはおかしいんです。 歳出削減をもっと徹底して、国債発行額を抑制しなければならないんです。 しかも、「全力をあげる」とある。 これは役所用語で、「努力する」とほぼ同義です。 覚悟や自信が十分でないから逃げ道を作っておくんですね。 総理・財務大臣は政治家なんですから、もっと覚悟を示して欲しいと思います。

では削減を検討すべき項目って何かあるのか、という話ですが、

あるんです。

上に私が評価すると書いた「一律削減」。 実は、この対象からは、民主党マニフェストの目玉である、子ども手当や高速道路無料化や農家戸別所得補償は外れているんです。 財政が破たんすればそもそも国民生活は成り立ちません。 国民生活第一というのであれば、まさにこれらの項目をもう一度ゼロベースで見直すことが先決ではないでしょうか?

しかも、 本年度の予算には例外があったんです。 予算の歳入には、税収と国債発行による収入以外に、「税外収入」というものがあります。 この税外収入の一部として、本年度予算を組む際に、国債発行額を抑制する観点から、いわゆる「埋蔵金」を掘り出したんです。

その主な対象が、外国為替特別会計と財政融資資金特別会計です。 でも、私は財務省時代に、国の資産と負債をスリム化するために無駄撲滅をやっていたからわかるんです。 埋蔵金(という呼び名が適切だとは思いませんが)をこれ以上見つけるのは至難の業です。 たとえば、上の二つの特別会計にこれ以上頼ろうとすれば、為替リスクや金利リスクが顕在化した時に、今度は逆に税金を投入しなければならない羽目になるんです。 だから、来年度予算では、もうこれらの埋蔵金に頼ることはできない。 そうだとすれば、なおさら、 子ども手当をはじめとする民主党にとっての「聖域」に切り込まなければならないんです。

もう一点、政府が提唱した「政策コンテスト」についても問題だと思いますが、長くなってしまいますので、後日にしますね。

それでは、みなさん、今日も良い一日を!

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