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無戸籍者問題へのアプローチ(明治以来の民法規定の改正に向けて)

3年前に、事務局長を務めた自民党の司法制度調査会で提言『誰一人取り残さない日本を目指して』をとりまとめました。その中で、大きな柱の一つに無戸籍(児)者問題を取り上げました。当時会長であった松島みどり衆議院議員の強い問題意識の下、同僚議員と共に、実際に無戸籍者であった方からもお話を伺いつつ、論点を整理し、方向性を打ち出しました。

提言のURL:https://bit.ly/2Z23rv4

無戸籍者については、戸籍の証明書等の身分関係を明らかにする公的な証明書鵜野発給を受けることができないことから、就学、就職、生活保護、健康保険、年金、旅券発給等の多岐に亘る分野において困難が生じることがあります。実際、私たちがお会いした方からは、学校に通えなかった、健康保険証もなかったので歯医者に行けなかったといった話もありました。

そもそも無戸籍者が生じる原因の一つとしては、民法第772条により、女性が夫との婚姻中や元夫との離婚後300日以内に子を出産した場合、夫(元夫)が子の父として推定されることになるのですが、母親が他に血縁上の父が存在することなどを理由として出生の届出をしないため子が戸籍に記載されないことが挙げられます。無戸籍者の母親の中には夫のDVを恐れ、行政に対して申出をすることをためらう方もいます。

こうした状況を踏まえ、私たちは、無戸籍者問題の解決に向けて、①現状把握、②無戸籍状態の解消、③新たな無戸籍者発生の予防、の観点から対処方針をまとめました。
中でも、②と③の観点から、民法の嫡出推定の規定を見直すことや、嫡出否認の訴えに関する提訴権者を夫(元夫)だけではなく、子やその母にも拡大するよう、政府に検討を求めました。

今回、法制審議会の親子法制部会において、こうした党の提言の方向性に則った形で中間試案がとりまとめられたとのことです。早ければ来年の通常国会にも法案提出との報道もあります。実現すれば、本規定については明治の民法制定以来の改正となります。政府の背中をしっかりと後押しし、実現に向けて壁を乗り越えてまいります。

 

 

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