韓国大法院による日本企業に対する判決確定について
いわゆる「徴用工」と呼ばれる件につき、昨日、韓国の大法院(最高裁)が新日鐵住金に対して、「損害賠償」の支払いを命じる判決を下しました。
本件について、昨日の衆議院本会議において、安倍総理が、
「本件については、1965年の日韓請求権協定によって完全かつ最終的に解決しています。今般の判決は国際法に照らしてあり得ない判断であります。日本政府としては毅然と対応してまいります。」
と答えました。
完全に同意します。
毅然とした対応の中身については、政府内部で検討中だと受け止めておりますが、様々な方面へ波及する可能性に鑑みれば、速やかな対応が求められているのは言うまでもありません。
本件に関し、今朝、自民党本部にて外交部会等の合同会議が開催されました。
私からは、
・いわゆる「徴用工」の一連の裁判は、2016年の三菱マテリアルが中国にて和解をしてしまったことから事実上スタートし、その後拡散していったものと理解している。この時、同社が和解に踏み切ってしまったのは、一民間企業による独断であったのか、あるいは、現在大使館や総領事館に置かれている日本企業支援窓口などを通じ、外務省が関与したけれども民間企業の経営判断でやむなく和解をしてしまったのか、答えられる範囲で答えてほしい。
・また、本件に限らず、一般論として、海外でビジネスを展開するリスクは一義的には企業が負うものだし、最終的な経営判断権は当該企業にあるのは当然だが、こうした外交問題に発展することが予見される案件については、「外務省として民間企業と密に連携をとっていきます」といった運用面での対応を超えて、事前に政府に通報する公式な仕組みを作るべきではないか。特に、外交問題に発展する蓋然性が極めて高いと判断されるものについては、政府への報告を義務付けることも考えて良いのではないか?
と提案しました。これは、今回問題となっている韓国や中国に限った話ではなく、海外全般についてです。
政府からの回答はこの場では記載しませんが、本当の意味で、官民一体となった対応を考えていかなければ、同様の問題が繰り返され、一民間企業の損害という次元を超えて、国益そのものを大きく損ないかねません。本腰を入れた対応が必要だと考えます。