G20(その4)

おはようございます。
小林鷹之です。
ニュージーランドで大地震が起きました。
亡くなられた方々に心からご冥福をお祈り申し上げます。
行方不明になられている多くの方々が少しでも早く救出されることもお祈り申し上げます。
今回の大地震といい、新燃岳の噴火といい、自然の脅威の大きさを感じます。
最近の自然現象に共通することは、予告なしに突然やってくるということ。
特に、人と建物が集まる首都圏において、自然災害が生じた時に被害と混乱を最小限に食い止められるような制度設計がなされているのか、今一度検討しておく必要があると思います。
さて、昨日の続きです。
当初、一回限りと思われたG20首脳会合。
ワシントンで第一回会合が開催された後も、結局は、ロンドン、ピッツバーグ、トロント、ソウルと続いています。
今年もフランスで開催される予定となっています。
こういう会議の器(うつわ)は、一度作ってしまうと、壊すのはなかなか難しいんですね。
特に、これまでメインの国際会合であったG8(財務大臣会合の場合はG7)に入れなかった国々は、G20という器をメインの会合にしたいと考えます。
国威発揚ではないですけれど、国のステータス・影響力が上がるんですから当然ですね。
しかし、アジアで唯一のG8国であった日本からすれば、その逆です。
中国、韓国、インドネシアなども含まれるG20がG8にとって代わるというのは嬉しいことではありません。
メインのフォーラムはG8(G7)としておきたかったんですね。
でもそうはなりませんでした。
G20に含まれている新興市場国の強い意向もありますが、それに加えて、フランスのサルコジ大統領や世界銀行のゼーリック総裁らが、「G拡大論」を声高に主張し始めたわけです。
もはや先進国だけでは、グローバルな課題を解決できなくなっているという理屈です。
そして、決定的だったのは、新たに誕生したオバマ大統領がその路線に乗っかったということなんですね。
「G2」
アメリカと中国を指す言葉がありますね。
アメリカとしては、将来自国に匹敵する可能性を持った中国に、権利を主張させるだけではなくて、義務も負わせたい。
そのためには、中国を国際社会にどんどんエンゲージ(≒関与)させていく必要がある。
オバマ大統領はそう考えたんですね。
この結果、G8首脳会合の存在感は薄れ、G7財務大臣会合にいたってはインフォーマルなものになってしまいました。
デメリットは日本のステータスや影響力が落ちたことだけではありません。
スピーディーにその時々の国際的な課題を解決するためのフォーラムが影響力を失った。
G20がそのようなフォーラムとしての役割を務めることができないのは、既に申し上げました(今年のG20首脳会合も、来年大統領選挙を控えたサルコジ大統領の政治的得点を稼ぐためのパフォーマンスはあるかもしれませんが、実質的に何か大きなことが決まるとは思えません)。
であるとすると、考えられるのは、
G20の中で、影響力のある国を更に絞って、フォーマルであれ、インフォーマルであれ、新たなフォーラムをつくること。
例えば、
「米、EU、日、中のG4」
といったようなフォーラム。
今の中国の勢いを考えれば、中国が参加しないことは考えられない。
中国を排除したフォーラムは、それだけで意義を失うほど、今の勢いはすごい。
だから、今日本が気をつけなければならないことは、新たに設けられるかもしれないフォーラムから抜け落ちないように立ち振る舞うこと。
日本が中国に取って代られるのが最悪のシナリオです。
国内の政局でガタガタしている場合ではないんです。
(終わり)
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