「小林鷹之君と明日の日本を語る会」in 東京
4月24日に都内で「小林鷹之君と明日の日本を語る会」を開催させて頂きました。お礼の挨拶を秘書がメモに起こしてくれました。私の問題意識の一端をお話させて頂きましたので、下記をご覧いただければ幸いです。
本日は、お忙しい中、多くの皆様方にご参加いただき、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
二階幹事長はじめ、多くの先輩・同僚議員にも助けていただきながら、また、本日はあえて地元の方々にはお声がけしてませんが、こうして選挙区外の多くの皆様にも支えていただいているお蔭で、国会活動の幅も、少しずつではありますが、広がってきたように感じます。
昨年の夏に防衛政務官を終えまして、現在、党内では、経済産業関係を中心に各種事務局や青年局国際部長などの立場で汗をかかせて頂いています。それぞれの仕事を通じて、私が国会議員として常に意識していることは、国際社会で日本の存在感を更に高めたいという気持ちです。
そのためには「強い外交力」が必要です。
私は、強い外交力というのは、主に「国防力」と「経済力」から生まれると思います。
まず「国防」については、皆様ご案内の通り、朝鮮半島情勢が動く兆しが出てまいりました。予断は許されませんが、我が国主導で進めた経済的プレッシャーを含めて、安倍政権の卓越した外交手腕によるところが大きかったのではないかと私は思います。ただし、北朝鮮が言及していない「非核化」に向けた具体的な行動をとらせなければ意味がありません。先月、私も指示を受けて、ワシントンに派遣され、アメリカの連邦議員を中心に日本の考え方を説明してまいりました。概ね認識は共有できたと思いますが、やはりアメリカに多くの部分を頼らざるを得ない中で、北朝鮮との交渉を我が国独自で進めていけないことに忸怩たる思いがあるのも事実です。
また、私は、8年前のオバマ政権時にワシントンで外交官として勤務していたんですね。今回訪米してみて、トランプ政権とオバマ政権を改めて比較した時に、トランプ政権の方が確かに意思決定のスピードは速いけれども、政策の一貫性や予見可能性という点では少なからず不安があるというのが私の率直な感覚です。
こうしたことを踏まえますと、私は、今後の日本の安全保障を考える上で重要なのは、すべてをアメリカ任せにするのではなく、「自分の国は自分で守る」という強い自負と相応の力を備えることだと思います。言う間でもなく、日米同盟は極めて重要ですし、信頼関係を醸成していく努力を続けることは不可欠です。しかし、一方で「アメリカに守ってもらえば良い」という認識を持ち続ける限り、いつまでたっても我が国の外交上の交渉力には自ずと限界が存在し続けるのではないかと思うんです。だからこそ、防衛予算をしっかりと確保し、自衛隊の存在を憲法に明記し、国家の自立というものを追求すべきだと考えます。
こうした国防力に加えまして、外交力を裏付けるのはやはり「経済力」です。まさに日本が本領を発揮できる分野です。しかし、2010年に、GDPが世界3位に落ちて以降、米中との差は開く一方ですし、世界経済フォーラムによるイノベーションランキングでは日本は常時4位か5位であったのが、最近は8位にまで落ちています。また、世界の大学ランキングでは、200位以内に入ったのは東大と京大の2校のみで、トップの東大ですら2013年に23位であったのが昨年は46位にまで低下しています。
この状況を打破するためにも、日本が本来得意とする「ものづくり」を進化させて、さらにサービスとの連動や新たな産業を創出することによって、日本がイニシアティブをとっていかなければならないと思います。
日本のイノベーション力を復活させ、世界をリードし、更には日本発の世界標準を作っていくために、国がやるべき事は、イノベーションを起こすための「人づくり」と「環境づくり」だと思います。そのために、現在私も、党の知財戦略調査会や行革推進本部の事務局として、イノベーションのエコシステムを作るための具体的なあり方について日々考える毎日です。昔、豊田佐吉が「研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし」と言いましたが、これは、大学や企業の研究者だけでなく、私たち政治家にも必要なマインドだと思います。
また、今回のアメリカによる鉄鋼・アルミの関税のように、海外から、強引で筋の通らない要求を突きつけられたとしても、「いやいや、日本製品の質は高いから、他の国は代替不可能ですよ。そんなことしたら、困るのはそちらの企業であり、国民じゃないですか」。そう言って堂々と対峙できる強い経済構造を作ることに貢献していきたいと思っています。
最後になりますが、社会がものすごいスピードで変化していく中で、未来を見通すことは至難の業です。でも、だからこそ、そうした中においても変わらないものを見分けて、軸のぶれない国家を創っていくことが必要だと思います。
その時々のグローバルスタンダードを否定するわけではありませんが、そこに国の形を無理に合わせていくのではなく、日本にしかない価値、日本が世界に誇れるものは何なのか。
この国の長い豊かな歴史の中にこそ、その本質は存在すると思います。
本当の意味で、日本を自立した国家にする。
そして、自立しているからこそ可能となる、国際社会との連携を更に深めていく。
このことを意識しながら、研鑽と挑戦を続けてまいりますので、今後ともご指導賜りますことを心からお願いし、お礼の挨拶といたします。
ありがとうございました。