「超限戦」を読んで

『超限戦』を読み返しました。人民解放軍の関係者が執筆し、今から20年以上前に発刊されたものです。

「技術という角度から問題を観察し、考え、解決するやり方は、典型的なアメリカ式の思考である」とした上で、「軍事技術革命が軍事革命の基盤だということは否定できないが、それを軍事革命の全てとみなすことはできない。軍事革命の最高の体現と最終的な完成は軍事思想の革命に帰結するのであって、軍事技術等の形而下レベルに留まることはありえない」としています。そして、「『超限』の概念の本意は、極端な手段を採ることではなく、思想上の超越である」と説いています。

現代国家が倒れないようにする鍵は、国家の利益に関わるすべての領域がどの程度力を合わせられるか(「合力」)にかかっていて、軍事と非軍事という二大領域間ですべての次元、すべての手段を組み合わせて戦争を行う「大戦法」が必要であるとも。

アメリカに関する記述が正しいか否かは別として、中国自身の基本的な思考を認識する上で、改めて気づきの点が多かったように感じます。その上で、わが国としていかに対応すべきか。政策軸、価値軸、時間軸を包含する大きな戦略の策定は必須。同僚議員と共に関与してまいります。

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