エネルギー基本計画の改定について

本日、自民党本部において、エネルギー基本計画の改定に関する議論が始まりました。2030年、そしてその後の2050年に向けて、我が国のエネルギー政策の方向性、ベストミックスをどう実現していくかという議論です。私自身の基本的な考え方を下記に簡潔に記します。

 

「エネルギー安全保障」という言葉が示す通り、エネルギー政策は安全保障そのものです。資源保有量、近隣諸国との連携可能性、地政学的リスクなどにおいて、我が国の置かれている状況は欧米とは自ずと異なります。したがって、脱化石燃料のような欧州を中心とする「世界の」潮流に留意することは必要であるにしても、必ずしもすべてを合わせる必要はありません。飽くまで、エネルギー政策は、我が国の国益の観点から主体的に考えるべきものです。

 

私は、エネルギー安全保障を考えるにあたって、最も重要なことは安定供給だと考えています。その意味において、石炭火力については、原料の輸入先が世界的に分散し、また、産出国における地政学的リスクが比較的小さいということ、そして、高効率の石炭火力については我が国が世界トップレベルの技術を誇ることに鑑みれば、たとえ、欧州等の潮流に合わないとの批判を受けたとしても、今後とも国として力を入れていくべきだと考えます。

 

洋上風力や地熱といった再生可能エネルギーを強力に推進していくことについては私も賛成ですが、そうだとしても、蓄電池の技術が完成するまでは、出力の変動幅の大きい再エネにとって調整電源としての石炭火力の必要性は大きいですし、地球温暖化の観点からも、今後も火力発電に頼らざるを得ないであろう途上国において、日本の高い技術を導入していくことは十分に正当化されることと考えます。

 

また、原子力発電については、政府案では、今後、可能な限り依存度を低減していくべきとされていますが、私は原子力発電についてはもう少しポジティブに捉えるべきではないかと考えています。勿論、原子力発電については安全性の確保が最重要であることは言うまでもありませんが、エネルギー安全保障の観点からは、まずは再稼働(特にプルサーマル)を可能な限り速やかに行っていくことが必要です。リプレース・新増設についてもそろそろ検討を開始すべき時だと思います。また、我が国を取り巻く安全保障環境がますます厳しくなっていくであろうことに鑑みれば、我が国が原子力の技術を手放すことは選択肢としてあり得ないものと私は考えています。

 

これから議論が本格化していくと思いますが、自民党内には多様な意見があります。異なる意見にも耳を傾けつつ、責任を持って関与してまいります。

ブログ一覧へ