コミュニティー・スクールの普及に向けて

先日、自民党文部科学部会の会合で、日本連合教育会副会長・東京都教育会会長の貝ノ瀬滋先生からコミュニティー・スクールについてお話を伺う機会がありました。

 

学校運営に必要な支援について協議する学校運営協議会を有する学校がコミュニティー・スクールとされていて、全国の学校のうち14.7%がこれに該当します。

この協議会は保護者の代表や地域住民から構成されるもので、主な役割としては、①校長先生が作成する学校運営の基本方針を承認すること、②学校運営について教育委員会または校長に意見を述べることができること、③教職員の任用に関して教育委員会規則で定める事項について教育委員会に意見を述べることができることとされています。

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協議会において、多くの関係者が地域でどのような子供を育てるのかという点について議論することによって、学校・家庭・地域の間でビジョンや情報が共有され、地域の方々の教育に関する当事者意識も醸成され、教育現場も地域も活性化されていく効果が表れてきています。

 

一方で、学校人事に対して地域が介入するといった誤解などもあり、コミュニティー・スクール制度の導入には都道府県や市町村によって大きな差があります。例えば、山口県では導入率が100%であるのに対し、私の住む千葉県などでは殆ど導入が進んでいません。

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導入の進捗は、各都道府県の教育委員会の姿勢や知事などの首長の考え方にも大きく左右されるようですが、昨今EBPM(Evidence Based Policy Making)の重要性が強調される中で、コミュニティー・スクールとなることによっていかなる効果があるのかということについて、より具体的かつ精緻な検証を行っていくことが、今後の普及・拡大に向けた大きな鍵になると考えます。

 

私は、教育の基本は家庭にあると考えていますが、それを前提としつつ、こうした地域と教育現場の連携は、今も大きな課題とされている、いじめや虐待などへの対応を含めて、教育環境の改善につながるものと考えますので、制度の普及に努めてまいります。

 

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