厚生労働省による毎月勤労統計調査について
先般、厚生労働省による毎月勤労統計調査が誤った手法でなされていたことが判明しました。これを受けて、本日開催された自民党厚生労働部会に参加し、私からは下記のような発言を行いました。
・本件は、国民による政府に対する信頼を失墜させただけでなく、国際社会による日本政府への信頼を棄損させる由々しき行為である。国内外の信頼を速やかに回復させるために、厚生労働省のみならず、オールジャパンとしての取組を強く要請する。
・その上で、厚労省の説明では、昨年12月に総務省から統計の不連続性について指摘を受けて判明したとのことであったが、そもそも昨年の早い時期から、一部のエコノミストから、今回問題となった「毎月勤労統計調査」及び、これをベースとして出す「雇用者報酬」の数値が上振れしているのではないか、との指摘は出ていた。
私自身も、昨年10月に「月例経済報告」をテーマとして開催された自民党内閣第2部会において、この点を指摘したが、内閣府から「全体の景気判断には大きな影響はないだろう」との返答はあったものの、毎勤と雇用者報酬が何故高めに出ているかの納得のいく説明はなかった。そもそも内閣府としてこの点についておかしいとは感じなかったのか?また、厚労省に対して内閣府を含む他省庁から何らかの指摘はなかったのか?省庁間でどのようなやりとりがあったのか明らかにして欲しい。
・500人以上の事業所に対して全数調査をしなければならないところ、東京都は約3分の1のみ抽出調査を行ったとのことだが、そもそも何故調査対象を減らしたのか、その理由が知りたい。マンパワーが足りなかったからなのか?費用がかさむからなのか?
そもそも500人以上の大きな事業所の場合は、IT化が進んでいるはずなので、調査の仕方を工夫すればそれほど大きな負担はかからないようにも思う。もし負担が大きいのであれば、全数調査ではなく、適切なサンプリングなどを行えばよい。例えば、株価についても、日経平均株価やダウ平均株価なども全数調査をするわけではない。この場合は、毎勤調査のルール自体を変更する必要がある。
他の議員からも様々な指摘がありましたので、私からは上記の点について指摘・質問しましたが、現在調査中の点もあり、少なからず疑問が残ります。
今回指摘された行為は、自民党政権時も民主党政権時も含め、長らく続いてきました。巷間、組織的隠ぺいの可能性も指摘されている中で、調査結果次第では、ガバナンスの観点から深刻な問題が明らかになる可能性も否定できません。与党の一員として、本件について今後もしっかりと向き合ってまいります。