成年後見制度について
本日は、朝8時からは党の安全保障調査会で防衛装備・基盤整備の勉強会、昼は事務局長を務める浄化槽推進議員連盟の総会がありましたが、その他は終日、厚生労働委員会に出席。野党の委員は朝から夕方まで全員欠席(日本維新の会以外)ということで、野党に割り振られている時間(4時間30分)でさえも現れることなく、我々与党の委員は質疑者たちが一切現れない委員会室で、ただ缶詰になっている状況です。生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案の審議で、野党自身も議員立法を提出しているくらいの関心の高い法案の審議なのに、本当に不思議です。
こんな姿を有権者の皆さんが見たらどう思うのだろう?と考えると、非常に複雑な心境ですし、生産性を最も高めなければならないのは国会なのではないか、との気にもなります。
さて、今回のブログのテーマは成年後見制度についてです。
厚生労働委員会とも関係するテーマですが、現在、事務局長を務めている党の司法制度調査会でも議論しているテーマの一つです。
成年後見制度は2000年に介護保険制度と共にスタートしました。認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力が不十分な方々は、自分自身で財産を管理したり、契約を結んだりすることが難しい場合があります。よく分からずに自らに不利益な契約を結んでしまったり、悪徳商法などの被害に遭ったりすることもある中で、成年後見人(判断能力の程度など本人の事情に応じて、「後見人」の他にも「保佐人」「補助人」があります)が本人の利益を考えながら、本人の代理人として契約行為などを行うことによって本人を保護・支援する制度です。
まだ当初の想定ほどには利用が進んでおりませんが、今後、認知症の方々が増えていくことが予想される中で、成年後見制度の利用者数は右肩上がりに増えていくことが予想されています。制度ができてからもうすぐ20年が経過しようとする中で、課題も現れつつあります。
例えば、後見人自身が不正を働くケースも生じています。また、後見人等には被後見人の財産管理のみならず、日々の暮らしを守る身上保護の役割も期待されていますが、財産管理に重きが置かれ過ぎているケースも見られます。
そこで、現在私が問題意識として持っていることは、後見人等をしっかり監督する役割が本当に機能しているのか、という点です。原則、後見人の選任、監督、解任を担当するのは裁判所です。しかし、選任と解任はともかく、後見人の監督となると、どうしても裁判所のマンパワーが足りない現状があります。
だとすれば、この重要な監督機能を他の組織に任せることも検討すべきだと考えます。
私は、その一つの候補は法務局だと考えています。
法務局には準司法機能がありますし、また、自治体が保有する個人情報についても法務局であれば共有しやすいと思います。
所有者不明土地に関する法改正なども予定されている中で、法務局自身が担う役割もこれから増えてくるかと思います。成年後見という、これからますます顕在化してくる社会のニーズに現実的に応えられる対応をどのように作っていくのか、責任をもって考えてまいります。