成田国際空港の開港40周年にあたって
成田国際空港が今週、開港40周年を迎えました。
私の場合、物心着いた時には、既に空港の運用は開始されていて、人生初の成田国際空港の利用は、幼少時に一年ほど在住したシンガポールに向かう時だったと思います。 その頃は、開港に至るまでの「歴史」やそこに関わられた多くの方々の思い、ご苦労、ご尽力については知りませんでしたが、千葉県で生まれ育った者としては、闘争の歴史を忘れてはならないと思いますし、そのことを踏まえた上で、今後の成田国際空港の更なる発展を目指していかねばなりません。
現在の成田国際空港は、既に多くの国内外の都市とのネットワークを持ち、年間発着回数や空港利用客数も増加傾向にあります。まさに日本の玄関口と言って良いかと思いますが、一方で、韓国のインチョン、シンガポールのチャンギ等アジアの主要国際空港間で激化する国際競争の中で、成田国際空港の相対的な位置づけは低下してきているのが現実です。やはり、内陸空港であるが故、騒音問題や落下物問題等による制約が少なからず影響していると思います。
こうした中で、私は、千葉県選出の議員というよりも、日本の国会議員として、我が国産業の国際競争力を強化し、更なる経済成長を実現する観点からも成田国際空港の機能を強化し、ヒトやモノの国内外への流動性を高める必要を強く感じています。その際、観光・物流機能の強化を含め、成田国際空港と有機的に結合する産業基盤やネットワークを整備していくことも重要です。
成田国際空港は、国(国交省航空局)、千葉県、周辺市町と共に「四者協議会」のメンバーとして空港機能の強化、すなわち、第三滑走路の建設や夜間飛行制限時間の緩和などについて議論を続けてきた結果、先般合意に至ったところです。振り返れば、そもそも、この四者協議会による本格的な議論は、「自由民主党 成田国際空港推進議員連盟(会長:二階俊博衆議院議員)」による強力なプッシュがなければ、正直スタートできなかったと思います。私も事務局を拝命しておりますが、政治の力を肌で感じた案件でもあります。
空港機能の強化については、第三滑走路の建設が注目を集めやすいところではありますが、私は夜間飛行制限時間を緩和することの方が当面は重要だと考えています。これには地元住民の方々のご理解が必要であることは言うまでもありませんが、アジアの主要国際空港が24時間365日の運営をしている中で、成田が飛行制限時間を緩和することができなければ、いずれ普通の「国際」空港ではなく、一地方空港になってしまうと危惧しています。
いずれにしても、私は国益の観点から、成田国際空港の潜在能力を最大限発揮できるような環境を整備していくことにこれからも尽力してまいります。そのためにも、千葉県だけで「閉じた」構想を練るのではなく、圏央道等でアクセスが容易になっている周辺の都県との連携を前提とした「開かれた」構想が求められます(自民党成田国際空港推進議員連盟の決議では「成田ゲートウェイ構想」と明記しました)。何より、羽田空港との関係を「競争関係」ではなく、「共創関係」として捉え、お互いの強みをそれぞれ活かしながら、アジアに冠たる巨大空港都市圏を作っていくべきだと考えています。
成田国際空港が日本のみならずアジアの玄関口としての地位を確立すべく、微力ながらも力を尽くしてまいります。