児童虐待の防止に向けて
週末は地元活動でした。
千葉県野田市で生じた小学4年生死亡事案についても見解を求められます。
自民党内においても、先週、虐待等に関する特命委員会、厚生労働部会、文部科学部会などの合同会議が開催され、私も出席しました。
昨年3月に目黒で当時5歳の女の子が死亡した事案を受けて、政府・与党で対策を講じつつあった中、同じ千葉県選出の議員として、また、何より同じ小学生を持つ父親として、本件については、やり切れない思いや怒りを感じます。今この瞬間にも、心から助けを求めている子供たちがいるはずです。
一つひとつの事件を検証することが大切であることは言うまでもありませんが、先日の党の会合においては、今後の政策対応という観点から私からは2点提案いたしました。
一つは、児童「相談」所を児童「保護」所と改組すべきではないかということです。
児童相談所(児相)には保護者への支援の機能と、一時保護を含めた介入の機能がありますが、報道によると、今回の事件を受けて、児相の介入機能を強化する観点から、家庭支援の機能を果たす部局とは別に、介入機能を果たす別の部局を児相内に設置する方針を政府が固めたとのことです。
私は、児相の介入機能を強化することには賛成ですが、同じ児相の中に、家庭支援と介入の機能を併存させたままで、その役割分担が実効的になされるのか疑問に思います。
親から見れば、機能は別であったとしても、同じ児相内の組織です。例えが良いかわかりませんが、困ったことがあって警察に相談しに行ったら、逆に逮捕されてしまった、というようなことになりはしないか。そのようなことになるとすれば、親として児相に本当は相談したいのに、相談を躊躇し、控えてしまうことにならないか。
現在、東京都内の各区には子ども家庭支援センターがあります。全国の市町村にも2022年までに設置する方向で国も動いています。だとすれば、相談や家庭支援の機能は市区町村の子ども家庭支援センターに任せ、児童相談所は相談(Consultation)ではなく、保護(Protection)に特化することとして、支援と介入という機能を別々の機関に任せた方がうまくいくのではないかと考えています。
もう一点の提案は、今後児相への配置を増やしていく弁護士については、量にこだわるのではなく、質の確保にこだわるべきということです。
既に厚生労働省では、すべての児相に弁護士、医師、保健師を配置する方向で検討をし、この通常国会に法案を提出する方向とされていますが、児童虐待について経験や知見の乏しい弁護士を形式的に配置しても、現場ではあまり力になり得ないと思います。
数にこだわるのではなく、子どもの権利保障を実現できる能力や経験、すなわち質にこそこだわるべきです。そのためには、経験年数や、家事事件を担当した数、あるいは質の高い研修など、一定の条件を満たした上での配置を進めていくことで、真に子どもを助けられる体制ができていくのだと考えます。
この他にも、論点は無数にありますが、一つひとつ形にしていけるよう力を尽くしてまいります。