原子力政策について

本日、久しぶりに、自民党のエネルギー総合調査会が開催され、資源エネルギー庁から我が国のエネルギー政策全般について説明がありました。

 

私からは原子力発電について次の点を指摘しました。

 

エネルギー安全保障の観点から、原子力政策をしっかりと位置付けていくべきである。

国内では再稼働が進まず、海外案件も事実上ゼロになった今、原子力の技術の承継や技術者の育成は喫緊の課題である。

既に、現場では原発を動かしたことのない30歳前後のリーダーが増えてきているし、このままいくと原発を製造する技術者が確実に減っていく。資源エネルギー庁が原子力イノベーションとしての高速炉などによって技術を維持していくというが、それで本当に充分なのか?私はそうは思えない。

もちろん、国民による原発の安全性・必要性に対する理解は大前提なので、科学的知見に基づいた冷静な説明や、海外の原発の状況を含めた説明を国民に対してしっかりと行っていくことが求められる。

その上で、国内では、再稼働を進めていくことはもとより、第5次エネルギー基本計画に盛り込まれなかったリプレースや新増設を国が一歩踏み込んで進めていくべきである。

また、海外案件については、コスト面が合わずに日本企業が事実上撤退せざるを得なかったとの報道があるが、国としてどのように関与したのか?インフラシステム輸出の旗を掲げるのであれば、案件を取るまでではなく、案件が取った後も、民間企業だけに任せるのではなく、国が様々な支援をして国策としてテコ入れしていくべきではないか。

 

 

以上です。

我が国が先の大戦に踏み込んでいかざるを得なかった背景にはエネルギー問題があります。

国民感情も大切ではありますが、エネルギー安全保障の観点から、冷静に議論をしていくことが求められていると思います。

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