5G関連法案、特定デジタルプラットフォーム関連法案 質疑③ (経済産業委員会)
4/10に衆議院経済産業委員会で30分間の質疑に立ちました。主な質問のみ記載します。
〇 我が国における半導体産業の再生について
半導体技術こそが、6Gへの挑戦はもちろんのこと、量子や人工知能といったエマージング技術を高めていくための鍵。しかし、世界における日本の半導体シェアは、1988年には50%を超えていたが、2017年には10%を割り込む水準まで落ち込んでいる。
我が国の半導体産業の再生には何が必要なのか。クアルコム社のような、利益率の高いファブレス型企業を目指すのか、買収された企業を買い戻すのか、価値観を共有する諸外国の企業との連携を模索するのか、海外企業の工場を国内に誘致し、日本の技術力を上げていくのか、併せて、今まだ残っている日本人の熟練技術者の力を借りるのか。アプローチは様々と考えるが、政府の見解を問う。
〇 リアルデータの利活用に関するルール整備について
特定デジタルプラットフォーマーの規制に関する法案には全面的に賛成。その上で私の問題意識を一つ。法案の対象となるGAFA等の巨大デジタルプラットフォーマーが支配するバーチャルデータの世界では、日本が勝つことは難しいように感じるが、リアルデータの世界では十分に世界と戦えると考える。
そのためには、今回の法案に加えて、更なる対応が必要。例えば、欧州は、今回の法案と類似の規則(オンライン仲介サービスの公正性・透明性の促進に関する規則)を既に昨年の段階で決定し、更に一歩進んで、企業が持つ「産業データ」を、製造業、モビリティー、健康・医療など9つの分野に分類し、各プラットフォームの構築に取り掛かっている。今年の2月に欧州委員会が公表した「デジタル分野の戦略」によると、年内には大きな法的枠組みをまとめていく予定とされている。
我が国も、自動運転、健康医療、農業など、豊富なリアルデータを保有しているし、G20大阪トラックにおいて議長国としてDFFT(Data Free Flow with Trust)を提唱した立場にある。我が国こそ、イノベーションを喚起するために、各分野におけるリアルデータのプラットフォーム構築とリアルデータの利活用推進に向けたルール整備を急ぐ必要がある。昨年より、自民党の知的財産戦略調査会において検討を進めているが、この点に関する経産大臣の見解を問う。