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2019年04月30日

内平らかに外成る

退位礼正殿の儀において、天皇陛下のおことばをテレビ中継で拝聴しました。

 

「国民への深い信頼と敬愛」、「国民に心から感謝」というおことばが心に染み入るとともに、天皇皇后両陛下の凛としたお姿に、敬意と感謝と日本人として生まれて良かったとの思いが交錯いたしました。

 

中学生の時に平成を迎えた私にとって、この約30年間は人生の2/3にあたります。平成の時代は、国内では多くの自然災害に見舞われた時代でもありましたが、その復旧・復興の過程において、日本人の絆や底力を体感した時代でもありました。一方、日本を取り巻く国際情勢は大きな変化を遂げ、我が国の人口減少も相まって、国際社会における日本の位置付けにも少なからず変化が生じた時代でもありました。

 

明日から始まる令和の時代においても、我が国の国力を高め、平和と繁栄、そして希望に満ちた未来を実現すべく、政治家として力を尽くしてまいります。

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2019年04月27日

通貨政策には複眼的かつ中長期的な視点が必要 ~だからこそ日本版NECを~

来週、フィジーで開催されるADB(アジア開発銀行)総会に合わせ、ASEAN+3(日中韓)の財務大臣・中央銀行総裁会議が開催されます。その会議で、チェンマイ・イニシアチブ(CMIM)を強化する方策としてアジア各国の現地通貨を用いることが議論される予定であると報道されています。

 

CMIMとは、1997年のアジア通貨危機の経験を踏まえ、金融危機時にアジア域内の各国間で基軸通貨である米ドルを融通し合う目的(いわゆる通貨スワップ)で、2000年に構築された仕組みのことです。

(財務省HPより抜粋) CMIM

 

今回の報道が事実であれば、金融危機時に融通する通貨として、米ドルに加え、日本円や人民元も加わることになります(その他の現地通貨については、金融危機時のニーズは殆ど無いと考えられます)。

 

報道の中には、日本円が通貨スワップの対象として加わることは、日本企業の経済活動の安定につながるとの肯定的な見方を示しているものもあります。確かに、それは一面真実だと思いますが、他方で、広い意味で日本の国益とは何かを冷静に考える必要があると私は思います。

 

恐らく、今回、CMIMの対象通貨として現地通貨を加えるとの提案をした国は中国であると推察します。何故なら、今回の提案が実現することによって最も恩恵を受けるのは中国であり、また、人民元の国際化を標榜する中国の国家戦略とも合致するからです。

 

そもそも金融危機時にどの外貨が使われるかは、その外貨を必要とする国と提供する国との「自発的な意思」に基づいて決定されることになりますが、仮に、外貨を必要とする国が特定の国に経済的に依存している場合、その国から自国通貨を選択するようプレッシャーをかけられる可能性も排除できません。

 

既に基軸通貨ドルがCMIMの対象とされている中で、今回の提案が実現しても日本円の使用割合が大きく増えるとは思えませんから、その意味で日本へのメリットはさほど大きくないと思われます。

 

むしろ、人民元の国際化と脱ドル依存の動きを後押しすることを通じて、米ドルと人民元との相対的な力関係を変え、米ドルの基軸通貨としての地位を弱める結果になると思います。こうした動きは、本件以外にも、例えば、米国の対イラン制裁を受けて、中国、ロシア、欧州などが原油取引に通常使われる米ドルを介さない仕組みの検討を開始していることなどにも見られます。

 

基軸通貨としての米ドルの地位の低下。

そのことが何を意味するのかは歴史が示唆しています。

 

かつてのパクス・ブリタニカからパクス・アメリカーナへの覇権の移動は、1944年のブレトンウッズ体制の構築を含め、基軸通貨がスターリング・ポンドから米ドルへと変化したことにも一因があると見るのが自然です。

 

かつて日本も1990年代にアジア通貨基金(AMF)構想(アジア版IMFのようなもの)を提唱し、円の国際化を強力に推進しようとしましたが、こうした動きを警戒した米国の反対で頓挫したことはよく知られているところです。一方、同じ域内の中国も反対したことはあまり知られていません。

 

いずれにしても、現在は基軸通貨としての地位を確立している米ドルではありますが、中長期的に見れば、人民元の国際化の進展(これについてもクリアすべきハードルはまだまだ多いですが)と共に、米中の通貨の持つ力の格差は縮小していくと考えるのが自然であり、そのことが国際社会における米中のパワーゲームへの影響を通じ、結果として、我が国の国際社会での立ち位置にも影響を与えることになると考えます。

 

今回のASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議で議論される予定のCMIMへの現地通貨を加える提案についても、おそらく、国内では財務省と日銀のみが政策決定をしているはずです。しかし、既述の事情に鑑みれば、これは純粋な通貨・金融政策ではなく、広義の安全保障を含めた複眼的かつ中長期的な視点から検討されるべき話です。

だからこそ、経済安全保障の司令塔となる日本版NEC(National Economic Council=国家経済会議)のような組織が必要であるとの思いを改めて強くいたします。

 

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2019年04月10日

「明日の日本を語る会」

昨日9日、都内にて「明日の日本を語る会」を開催したところ、二階幹事長はじめ、多くの同僚議員や支援者(地元除く)にご参集いただき、激励いただきました。

私からのお礼の挨拶を秘書が文字にしてくれましたので、ブログの一環として以下に紹介させていただきます。

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本日は、お忙しい中、多くの皆様にご参加いただいたことに心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

また、二階幹事長はじめ、先輩議員の皆様からも過分なお言葉をいただき、そして、日頃より多くの皆様にご指導いただいていることにも感謝申し上げます。

 

初当選から既に6年以上が経過いたしました。国会でも地元でも常にせわしなく走り回っていますが、政策を形にするのは簡単ではないなあと日々痛感しています。その中で、「自分には何が足りないのか」ということと、「日本が世界をリードしつつ、国益を追求するために何をすべきか」、ということを自分に問い続けています。

 

まず、私自身についてですけれども、先ほど古屋先生が仰ったとおり、議員としては、選挙力、政策力、あるいは政治力、様々な力が必要なのだと思いますが、とりわけ私に足りないのは「人間力」だと自覚しています。こればかりは、永遠に達成できない課題かもしれませんが、不断の努力をしていきたいと思います。

 

そして、もう一つの「世界をリードしつつ国益を追求する」ということについて申し上げますと、私はかねてから、国家戦略の根幹をなすのが、経済戦略と安全保障戦略の二つであって、これら二つを支えているのがイノベーション。そして更にそれを根底で下支えしているのが教育。こうしたイメージを常に頭に描きながら、政策を考えるようにしています。

 

以前から問題意識として持っているのは、その「経済」と「安全保障」が重なる部分にどう対応するかということです。「安全保障」というと、防衛省・自衛隊を中心とする狭い意味での安全保障を指すことが多いですが、それを超えて、エネルギーや金融や通貨や先端技術や情報、こうした様々な政策を幅広く駆使して国を守っていく、より広い意味での安全保障、いわゆる「経済安全保障」を強化していくことが日本にとって喫緊の課題だと考えています。その意味で、これからお越しになられる予定の甘利先生が会長を務める議員連盟などで、日本版NECの創設といった話も出てきていますが、みなさん、このNECというのは企業名ではなくて、National Economic Councilというアメリカの国家経済会議という組織なんですけれども、こうした経済安全保障を担う組織や体制をどう構築していくかという議論も、政治が主導していく必要性を感じています。

 

その中で、現時点での私の大きな関心事項は、今申し上げた経済、安全保障、そしてイノベーション、これらすべてに深く関わる「情報戦略」と「宇宙利用に関するルールメイキング」なんです。時間の関係もありますので、今日は情報戦略についてのみ簡単に触れたいと思います。

 

情報を制するものが世界を制する、と言われる時代の中で、残念ながら、ネット上で得られるバーチャルデータについては、いわゆるGAFAが覇権を確立しました。自分の個人情報が吸い上げられるのは嫌だからといって、今更Googleなどを使わない生活は考えられないほどになりました。GAFAに匹敵するプラットフォーマーが日本に生まれていないことは残念ですけれども、じゃあ日本はこれからどうすべきなのか?ということなんです。

 

私から見れば、実は、日本という国は、世界に冠たる国民皆保険制度を通じた健康・医療データや、製造業が保有するリアルデータの宝庫なんです。例えば、膨大かつ質の高い健康・医療データを使えば、予防医療や創薬イノベーションにも大きく貢献しますし、自動車の走行データは、自動運転に必要なダイナミックマップと呼ばれる地図の作成に役立ちます。

 

GAFAを含めた世界が、こうしたリアルデータの争い合いを始めていますが、私は、このリアルデータの世界であれば、日本はプラットフォーマーになるチャンスがあるんじゃないかと思うんです。だからこそ私は、昨年来、まずは健康医療データのプラットフォームを早急に構築すべきと様々な場面で申し上げています。もちろん、個人情報保護を含めて、多くのハードルがあることは承知していますが、この分野で日本は世界に負けるわけにはいかないんです。最終的にはリアルデータ全体のプラットフォーマーを目指して、日本の英知を結集すべきだと考えています。

 

リアルデータのプラットフォーマーになるということは、それに伴う情報インフラをしっかりと整備することが必要になります。特に、私たちの生活を根本から変える5Gの世界がすぐそこに来ています。5Gの世界では、それに見合った無線通信基地局、それらを有線で結ぶ光ファイバー・ネットワーク、そして膨大なデータを集積する巨大なデータセンターの3つが必ず必要になると思います。

 

みなさん、最近、ファーウェイなどの機器に関する話題が米中間でも取り沙汰されておりますが、こうした情報インフラのセキュリティを考えると、私は、可能な限り、国産のシステムを構築することが望ましいと思います。膨大な資金が必要になるでしょうから、すべてを国でやる、というわけにはいかないかもしれませんが、一方で、民間企業に委ねているだけで自然に構築されるものだとも思えません。だからこそ、私は、情報インフラの整備を国家戦略としてしっかり位置付けるべきだと思いますし、こうしたことこそ、政治が突破していかなければならない壁だと思うんです。

 

最後に、改めて冒頭申し上げた「人間力」という点に関し、先日のイチロー選手の引退会見が非常に心に残りました。

その中で、

「あくまで測りは自分の中にある。その測りを使いながら、自分の限界をちょっと超えていくということを繰り返していく。そうするといつの間にかこんな自分になっている」

というような言葉がありました。

これからも皆様方にご指導いただきながら、国のために、自分の限界に挑戦していくことをお誓いしてお礼の挨拶にかえます。

ありがとうございました。

 

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2019年04月3日

主権者教育について

現在、衆議院の憲法審査会の幹事や、自民党の憲法改正推進本部の事務局次長という職責を担いつつ、地元においても憲法改正に関する集会を頻繁に開催しているところです。

 

党の憲法改正推進本部では、最近、主権者教育のあり方について議論しており、先日も東京大学の小玉重夫教授や、政治解説者であり文科省の「主権者教育推進会議」の篠原文也座長からお話を拝聴しました。こうした会合で共感したことを含め、私の考え方を述べます。

 

まず、主権者教育を含め、教育の根幹となるルールは、教育基本法です。その第14条には、

①良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。

②法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。

 

とあります。

私自身、日々、政治活動を通じて感じることは、②にある、いわゆる「政治的中立」を意識するあまり、教育現場の学校においては、どうしても政治そのものを忌避しがちな傾向が生じ、結果として①が疎かになってしまうという点です。

この点については、時代背景の変化もあって、以下の通達に見られるように政府の考え方が変わってきていることは妥当だと考えます。

 

(参考)

高等学校における政治的教養と政治的活動について(昭和44年10月31日文部省通知)(抜粋)

「生徒は未成年者であり、民事上、刑事上などにおいて成年者と異なつた扱いをされるとともに選挙権等の参政権が与えられていないことなどからも明らかであるように、国家・社会としては未成年者が政治的活動を行なうことを期待していないし、むしろ行なわないよう要請しているともいえること。」

高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について(平成27年10月29日文科省通知)(抜粋)

「18歳以上の高等学校等の生徒は、有権者として選挙権を有し、また、選挙運動を行うことなどが認められることとなる。このような法改正は、未来の我が国を担っていく世代である若い人々の意見を、現在と未来の我が国の在り方を決める政治に反映させていくことが望ましいという意図に基づくものであり、今後は、高等学校等の生徒が、国家・社会の形成に主体的に参画していくことがより一層期待される。」

 

 

先般、ご講演頂いた小玉先生が著書の中で、「政治の本質は、対立の調停や異なる価値観の共存にある。よって、そのような異なる価値が対立している場合に論争的問題での争点をいかに理解するかにこそ、政治的リテラシーの核心がある。」と指摘していますが、まさに教育現場においてもこうしたリテラシーを高めていくための主権者教育の充実が必要だと私は考えます。

 

その意味で、篠原文也先生が、論文等において、指摘している下記の点は傾聴に値します。

 

・18歳選挙権を導入後、初の国政選挙となった2016年の参議院選挙において、18歳の投票率は51.28%。しかし、その一年後、彼らが19歳になって行われた衆議院総選挙において、19歳の投票率は33.25%まで落ちた。様々な要因があると考えられるものの、18歳時の主権者教育が身についておらず、その効果が1年ではげ落ちたと見ることもできる。

・したがって、高校生になってから急いで主権者教育をやっても遅いのではないか。小中学校からの主権者教育が重要。

・また、「公共」の精神を育み、社会参画を促すことが主権者教育の最大の眼目であり、選挙はその出口に過ぎない。金融経済教育、環境教育、消費者教育等も主権者教育に含まれる。

・家庭の役割が重要。公職選挙法の改正により、親が投票所に子供を連れていける「子連れ投票」が全面解禁。親は子供の原体験を作ってあげて欲しい。

 

以上の点に、私は心底同感します。

 

いうまでもなく、日本は民主主義国家です。「民主主義は良いものである」との固定観念が広く普及しておりますが、物事の決定に時間がかかることを含め、民主主義が完全なものではないというのは先人たちが指摘している通りです。特に、ポピュリズムに陥りやすいという欠点については、昔、プラトンが『国家』において、国の体制は「名誉支配制」→「寡頭制」→「民主政」→「僭主政」へと変化していくことを説いたように、民主政と僭主政は本質的に近いといわれている通りです。

 

その中で、民主主義(民主政)をしっかりと機能させていくためには、篠原先生が指摘するように、投票「率」を向上させることはもとより、投票「質」も高めていかなければなりません。

 

教育現場においては、いまだ試行錯誤の段階だとは思いますが、この国の未来を創っていくためにも子供たちへの主権者教育の充実に向けた環境整備のために尽力してまいります。

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2019年03月28日

「真の地産地消型エネルギーシステムを構築する議員連盟」の設立

本日、同僚議員とともに「真の地産地消型エネルギーシステムを構築する議員連盟」(会長は古屋圭司衆議院議員)を立ち上げ、事務局長を務めていくことになりました。

 

議員連盟の設立趣旨はブログの最後に貼り付けた通りです。

イメージとしては、下図にあるように、地方自治体、大手電力会社、再エネ等業者が緊密に連携し(共同出資の会社をイメージ)、地域で生み出されたお金が地域内で周り、災害時には既存の送電網から隔離してリスクヘッジもできるようなシステム構築を目指します。

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自治体と再エネ事業者が連携する事例は増えてきていますが、ここに大手電力会社が加わる形はまだ見られません。既存インフラをしっかり活用する観点も取り入れていく必要があります。

 

また、都市部の事業者が投資の観点から、地方に太陽光パネルを乱雑に設置したまま、メンテナンスを行わなかったり、産業廃棄物を放置したりする例もあるため、こうした規制のあり方などについても検討を加えていきます。

特別アドバイザーにご就任頂いた東工大名誉教授の柏木孝夫先生にもお力添えを頂きながら、スピーディーに形にしていきます。

 

以下が設立趣旨です。

 

「真の地産地消型エネルギーシステムを構築する議員連盟」

設 立 趣 旨

 

昨年閣議決定された第5次エネルギー基本計画において、2030年のエネルギーミックスの確実な実現と、2050年を見据えた再生可能エネルギーの主力電源化、水素・蓄電等による脱炭素化を目指すこととともに、「エネルギーの自立」と「分散型エネルギーシステムと地域開発の推進」が明記された。

 

その背景には、原油や天然ガス等の資源の海外依存に伴う脆弱性、資源価格の不安定性、また原発の安全性に対する不安などから、太陽光、風力、地熱、水力等の再生可能エネルギーへの期待の高まりがある。しかし、再生可能エネルギーについては、発電量の制御等に課題があり火力等による調整が必要であること、天候等に左右されるため安定供給が困難であること、最も利用が進んでいる太陽光発電については大面積の設備の設置に伴う国土保全上の問題や固定価格買取制度の持続可能性への懸念が指摘されるなど、課題も存在する。例えば、北海道全域でのブラックアウト時の稚内風力発電の例などを見れば、単一の再生可能エネルギーではなく、多様な供給源を伴う形でのエネルギーシステムの構築が求められている。

一方、高齢化や人口減少が進む地方においては、再生可能エネルギーを地域活性化策として活用する(いわゆる「地産地消」型の再生可能エネルギー)自治体も増えてきている。しかし、過度に自立型にこだわり、結果として経済性を損なう例、また、地産地消を目指したものの地域内の経済循環には寄与しない、すなわち地域にお金が落ちない例も見られる。

 

真に地域の発展や地方創生に資する、新たな地産地消型のエネルギーシステムの構築が求められる中、旧一般電気事業者、自治体、再生可能エネルギー発電事業者等による連携の下、既存設備(送配電インフラ等)を有効に活用しつつ、太陽光、風力のみならず、中小水力、バイオマスなど多様な再生可能エネルギーによる発電をはじめ、燃料電池システムなどによるコジェネレーション、さらには電力貯蔵設備(蓄電池等)を組み合わせたハイブリッド型の分散型電源ネットワークシステムを地域内で構築し、エネルギー供給の強靱化、エネルギーコストの低減、及び地域内の経済循環を着実に実現する、自立した分散型エネルギーシステムを構築することを目的として本議員連盟を設立する。

 

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2019年03月18日

国家戦略としての情報インフラ整備について

データドリブン型社会が進行する中で大きな課題になるのは、集積される膨大なデータの送受信速度やデータ処理能力を司る情報インフラの整備です。

 

すなわち、現行4Gの100倍とも言われる通信速度の5Gが整備されることによって、自動運転やロボット、AI(人工知能)などによる新たなサービスが可能となります。そのために、早急に整備する必要がある重要インフラとしては、①スマートフォン等から無線で情報を受信する5G基地局、②基地局の間を有線で結ぶコア・ネットワーク、③それらの大量データを集積・分析する「クラウド型」データセンターの3つです。

 

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 出典:将来のネットワークインフラに関する研究会資料(和田尚也NICT所長) 

 

まず、無線アクセスのポイントとなる「5G基地局」に関しては、米中対立で議論の的となっているファーウェイ社の基地局については、その部品の多くは日本製だと認識しています。現在、移動通信基地局の世界市場の約9割を、ファーウェイ社、エリクソン社、ノキア社、ZTE社が占めていますが、今後、5Gをフルスペックで利用するためには、基地局の数も今の10倍以上必要となります。だとすれば、日本製の5G基地局の展開(少なくとも国内は)を国策として位置付けることも考えるべきではないでしょうか。

 

今後は、こうした基地局の間をつなぐ「コア・ネットワーク」、すなわち5Gに対応できるだけの通信容量と伝送速度を持つ光ファイバー網の構築が必要になります。こうした光ファイバー網や基地局は、「未来の公共インフラ」です。

莫大な投資が必要になるので、民間企業だけに任せていてはスピーディーな整備は難しいと思います。こうしたインフラ整備こそ、民間企業を巻き込みながらも、国が主導して早急に行うべきと私は思います。

 

そして、基地局やコア・ネットワークと共に重要なのが、「データセンター」です。

GAFAやBATによる超巨大データセンターの世界市場は2018年第3四半期のみで2.8兆円、前年同期比53%の増加です。とりわけ、Google社やAmazon社は世界中でデータセンターの拡大計画を進めており、四半期ベースで数千億円もの投資を続けています。最近ではGoogle社が2.5億ドルの税制優遇を受けてネバダ州の73万㎡の土地に700億円を投じてデータセンターを新設する予定とも言われています。まさに、データ市場サービスが成長市場であることの証左です。

 

IDC Japanによれば、日本国内におけるデータセンターの新たな増設投資額は、昨年は約1,500億円です。但し、国内にあるデータセンターは、数としては2014年時点で8万箇所を超えてはいるものの、小規模のもの、老朽化したものも含まれています。コネクテッドインダストリーを実現するためには、クラウド型のデータセンターを増やすことと、その大規模化が重要だと思います。

 

特筆すべきは、Amazon社が、企業や米政府をはじめ、様々な機関の「機密情報」を管理するサービスを提供している点です。CIAは2013年時点でこのサービスを利用してクラウド化を図り、セキュリティー性とアクセス性の向上に成功しました。また、ペンタゴンにおいても、同様の検討がなされていると言われています。

 

我が国が、米中に比肩しうるデータドリブン型社会を本気で構築していことするのであれば、政府が取り扱う全てのデータを早急にクラウドに移行していく必要があると思いますし、そのためには、大規模なデータセンターが必要だと私は考えています。

 

そして、データセンターは電力消費量が大きいのが特徴です(注:現在、小規模のデータセンターが集中している首都圏においては、全消費電力の12%にもあたる電力を消費しているとされています)。したがって、大規模データセンターの建設のためには、大容量の電力を安定供給できる広大な土地が必要です。サーバーや空調など、様々な機器が大量に必要になることから、大きな経済効果が期待できますので、地方にデータセンターを誘致することで、地方創生の一助となることも考えられるでしょう。

 

現時点において、日本にはAmazon社などに比肩しうる国産プラットフォーマーが存在していない以上、国家としてデータセンターを建設することも考えて良いと思います。

 

「5G基地局」、「コア・ネットワーク」、そして「クラウド型データセンター」の一体となった情報インフラシステムの整備。大きな構想でありますから、決断するのは役所ではなく、政治だと思います。日本の国家戦略の一つとして速やかに検討し、結論を出すべき課題です。

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2019年03月16日

外国人労働者に対するデジタルマネーでの給与振り込みについて

昨年末の法改正によって、今年の4月から外国人労働者の受入れ拡大が始まります。

この点について、これまでの自民党内の会議や国会審議で私自身がとってきた慎重なスタンスについては過去のブログで紹介した通りです。

 

法改正後も、政省令等の様々なルールの策定が残っていましたので、残る懸念については可能な限り明らかにすべく心がけてまいりました。

 

その中で、昨日法務省の政省令が交付され、これから労働者として在留資格を得ようとする外国人の方には「健康診断書」を求めることとなりました。

これまで、私たち日本人の保険料等で運営されている保険制度を利用して、低価格・高品質の医療行為を受けることを目的に日本に短期滞在する外国人の存在が指摘されていました。

党内議論や国会審議でも私自身、政府に提案・要請したことが形になったことは良かったと思います(国によっては診断書を容易に偽造できるかもしれないので、しっかりとした審査が必要であることに変わりはありませんが)。

 

加えて、今朝の日本経済新聞で、「外国人労働者への報酬については原則として預貯金口座に支払うことを義務付ける」というが報道されています。

実は、少し前に、こうした外国人労働者の中でも「口座開設が困難な外国人」に対しては給与振り込みを(口座振り込みではなく)デジタルマネーで行うことを認める方針が政府によって公表されました。

 

この点について、私は反対でして、先月の自民党法務部会の場においても、次のような異論を申し述べました。

 

・一般論として、社会におけるキャッシュレス化を進めていくことに異論はない。しかし、これから大勢入国してくる外国人労働者の給与をデジタルマネーで支払うことを認めることには反対である。

 

・そもそも「口座開設が困難な外国人」のために、給与のデジタルマネー支払いを認めるとあるが、仮に日本や英語が話せない外国人であっても金融機関が外国語対応は責任をもってやるという方針を掲げている以上、これは口座開設困難という理由にはならない。また、外為法上、預貯金口座の開設には「6カ月以上の滞在」が条件としてあるが、そうであったとしても、日本国内の企業で勤務する場合は口座開設が可能とされているので、これも理由にならない。だとすると、今後受入れを想定している「口座開設が困難な外国人」とは一体どのような外国人を想定しているのか?

 

・そもそも、現在の「技能実習制度」の下でも、既に年間7,000人以上の外国人が失踪している状況である。在留管理を強化する観点からは、何かあった時に、お金の流れをしっかりと把握できる体制が必要であり、そのためには、せめて預貯金口座の開設くらい義務付けてはどうか?

 

・また、外国人労働者に限った話ではないが、デジタルマネーによる給与支払いを認めるとすると、こうしたマネーを取り扱う業者は、いわゆる「銀行」ではなく、「資金移動業者」ということになる。預金を取り扱う機関である銀行については、破綻時には預金保険機構によって預金が守られることになるが、資金移動業者は元々は送金を主な業務とするため、こうした制度で守られることはない。問題が生じたときには労働者への賃金支払いが滞るリスクもあるので、外国人労働者の権利を保護することにも反する。

 

・マネーロンダリングやテロ資金対策でFATF(通称ファトフ。マネロン対策等を担当する国際的な組織)によって様々な規制や勧告がなされているが、資金移動業者の中でこうした規制基準をクリアしているところはそもそもどれくらいあるのか。決して多くないと思われる。

 

 

以上の問題提起をしたところ、法務部会の幹部の同僚議員もこの点についてはご存じなかったということで、後日、政府より再度説明ということになりました。

しかし、その後の説明においても、納得できる答えはなく、逆に、デジタルマネーでの給与支払いについては近々、政府内の労働政策審議会で議論が開始され、結論を出す予定であることが判明しました。

 

既に述べた通り、本件には多くの課題がありますし、そもそもの前提が「口座開設が困難な外国人」の存在にあるわけですから、その前提が崩れている以上、拙速な政策対応は厳に慎むべきです。

その意味で、「外国人労働者への報酬については原則として預貯金口座に支払うことを義務付ける」との本日の報道の詳細を確認したいと思います。

「原則として」義務付けるということは、「例外」が存在するということです。

政省令において、そうした例外が本当に存在するのか、制度が蔑ろにされないように、確認します。

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2019年03月13日

我が国の先端技術の流出を防ぐために

本日の経済産業委員会で世耕大臣にも質問をしましたが、私が以前より強い問題意識を持っている課題です。

 

昨年来、米国は、中国による知的財産の窃取や技術の強制移転、不公正な貿易慣行などを理由に、中国製品に新たな関税を課すなどの制裁を始めています。

さらに、米国では国防授権法の一部である「輸出管理改革法」と「外国投資リスク審査近代化法(FIRRMA)」に基づいて、先端14分野について、技術の国外流出に対する規制強化を図っています。

この規制対象には、安全保障とは一見関係がなく、また、実用化には時間がかかるけれども、有望と見込まれる技術の種、シーズも含まれています。

 

一方で、わが国では、東芝の半導体に関する研究データが韓国のSKハイニクスに漏洩された事件や、新日鐵住金の高級鋼材の製造技術がポスコに漏洩された事件をきっかけに、2016年に不正競争防止法が改正されました。

これによって、技術上の営業秘密を侵害する品目の譲渡や輸出入などが不正競争の類型として追加され、罰金上限も引き上げられました。

更に、日本企業が元従業員らの不正行為によって莫大な被害を受けたことが露見した結果、昨年、データを不正取得する行為なども不正競争行為として追加する法整備がなされました。

また、一昨年には外為法が改正され、安全保障に関する機微技術や貨物の輸出についても規制強化がなされました。

こうした一連の規制強化については、私は国益にかなうことだと考えています。

 

しかしながら、近年ではシャープが台湾の鴻海に買収され、東芝メモリが日米韓企業連合へ売却され、タカタも中国企業に買収されるなど、日本独自の技術や最先端技術を持つ日本企業が経営悪化を理由に外国企業に買収され、その技術が「合法的な形で」他国企業に流出している現実があります。

 

このように、現行の外為法などでは規制対象にはならないけれども、わが国の競争優位をもたらす「戦略的資産」である最先端テクノロジーを有する企業の買収に対して、私は国として何らかの対応ができるような仕組みが必要ではないかと考えています。

現行の外為法上の規制は、主に安全保障上の理由などに限られていますが、今の時代、どの技術、どの部品が軍事転用されるかわかりません。だからこそ、先端技術については、あまねく軍事転用可能性があるという前提で、我が国においても、外為法上の対内投資規制の対象を広げるべきだと考えています。

 

更に問題だと感じているのは、国が出資し、技術開発をしている企業が、安易に他国企業と連携したり、買収されたりすることです。

例えば、官民ファンドである産業革新機構(INCJ)の投資対象であるルネサスエレクトロニクスが昨年よりアリババと連携を開始しました。ルネサスは半導体技術を保有しています。また、有機ELパネルの技術を保有するJDIに関しても、中台企業連合が買収を検討しているとの報道もあります。こうした展開は、我が国の国益を毀損しかねないと思います。

 

こうした事態を未然に防ぐためには、国の出資のみならず、補助金を含め、公的な資金が入っている企業の買収案件については、事前に政府への届出を義務づけるなどの対応が必要なのではないでしょうか。

 

加えて、こうした海外からの対内投資の審査体制については、外為法上、財務省と各事業官庁とが審査することになっていますが、実質的には各事業官庁のみによる審査となっています。

より複眼的な審査を可能にするためにも、米国の対米外国投資委員会、いわゆるCFIUS(シフィウス)のような合議制にするか、または新たな審査機関をNSCの下に設置するなどして、審査体制を強化していくべきと考えます。

 

こうした考え方については、いまや一企業でイノベーションを起こすことは難しく、グローバルなサプライチェーンも組まれているとの理由や、ボーダーレスな自由経済の下においては政府による介入は可能な限り控えるべきだとの反論もあるでしょう。

 

しかし、ビジネスと政治は異なります。

政治家は、あくまで一企業の利益ではなく、「国益」を見据えて行動しなければなりません。その国益の定義の仕方も各政治家によって捉え方はまちまちでしょう。

ただ言えることは、国際社会においては、自由主義経済を標榜している国であっても、自国の国益をいかに最大化できるかを冷徹に考え行動しています。日本はこうした点において、ややナイーブな気がしてなりません。

制度面や運用面でどこまでできるか、同僚議員と共に検討していきたいと思います。

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2019年03月6日

児童福祉法改正について

昨日も自民党内で厚生労働部会と虐待等に関する特命委員会の合同会議が開催され、自民党としての提言や児童福祉法の改正案についての議論が行われました。

報道されているとおり、いわゆる「懲戒権」の位置づけや中核市への児童相談所(児相)の設置義務化などについての議論がメインでありましたが、私からは前回と重なる点も含め、主に次のような点について意見を申し上げました。

 

・児相内の家庭支援部局と介入機能部局とを分けるという案を頭から否定するつもりはないが、保護者から見れば、共に同じ児相内の部局なので、支援について相談したら逆に介入されてしまうのではないか、との懸念を抱き、かえって児相への相談を控えてしまうリスクがあるのではないか。

だからこそ、支援と介入は別々の「機関」に担当させるべきではないか?2022年度までに市区町村に設置される予定の子ども家庭支援センターには家庭支援の機能を持たせ、児相については、介入に特化させて、児童「相談」所ではなく児童「保護」所とすることも一案。仮に、児相内にて部局を分けるのであれば、(上記の)リスクを低減させるための制度的な担保はあるのか?

 

・党提言に、警察と児相の連携・情報共有とあるが、児相から警察への情報共有もさることながら、警察を含めた捜査機関から児相への情報共有にも焦点を当てるべき。

捜査機関である以上、捜査に関わる機微な情報については共有すべきではないことは当然のこととしても、単に釈放した親の表面的なプロフィールだけではなく、子どもの命を守る観点から必要な情報というものがあるはずで、できる限りの情報共有を進めていくべきだと考える。

 

・今回は焦点が当たっていないかもしれないが、党提言にある「司法面接」(児相・警察・検察など関係機関が連携して、虐待の被害にあった子供たちへの聴取をまとめて行い、心理的・肉体的な負担を軽減し、二次被害(トラウマ等)を防ぐためのもの)。

野田市や目黒区の事件は最悪の結末であるが、虐待の被害を受けている子供たちの大半は、虐待の経験を背負いながら、その後の長い人生を生きていく。だからこそ、二次被害を防ぐための司法面接については、先般の刑法改正時に参議院の付帯決議にも盛り込まれているので、そろそろ法定化を検討すべきではないか。

 

こうした党の会合の他にも、超党派で児童虐待の厳罰化を考える勉強会も発足しています。厳罰化すれば問題が解決するというような簡単な話ではありませんし、虐待が問題となっているのは高齢者の方や障害を抱える方など、児童に限った話でもありませんが、様々なアプローチを模索していく価値はあると考えています。

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2019年03月5日

原子力政策について

本日、久しぶりに、自民党のエネルギー総合調査会が開催され、資源エネルギー庁から我が国のエネルギー政策全般について説明がありました。

 

私からは原子力発電について次の点を指摘しました。

 

エネルギー安全保障の観点から、原子力政策をしっかりと位置付けていくべきである。

国内では再稼働が進まず、海外案件も事実上ゼロになった今、原子力の技術の承継や技術者の育成は喫緊の課題である。

既に、現場では原発を動かしたことのない30歳前後のリーダーが増えてきているし、このままいくと原発を製造する技術者が確実に減っていく。資源エネルギー庁が原子力イノベーションとしての高速炉などによって技術を維持していくというが、それで本当に充分なのか?私はそうは思えない。

もちろん、国民による原発の安全性・必要性に対する理解は大前提なので、科学的知見に基づいた冷静な説明や、海外の原発の状況を含めた説明を国民に対してしっかりと行っていくことが求められる。

その上で、国内では、再稼働を進めていくことはもとより、第5次エネルギー基本計画に盛り込まれなかったリプレースや新増設を国が一歩踏み込んで進めていくべきである。

また、海外案件については、コスト面が合わずに日本企業が事実上撤退せざるを得なかったとの報道があるが、国としてどのように関与したのか?インフラシステム輸出の旗を掲げるのであれば、案件を取るまでではなく、案件が取った後も、民間企業だけに任せるのではなく、国が様々な支援をして国策としてテコ入れしていくべきではないか。

 

 

以上です。

我が国が先の大戦に踏み込んでいかざるを得なかった背景にはエネルギー問題があります。

国民感情も大切ではありますが、エネルギー安全保障の観点から、冷静に議論をしていくことが求められていると思います。

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2019年02月21日

コミュニティー・スクールの普及に向けて

先日、自民党文部科学部会の会合で、日本連合教育会副会長・東京都教育会会長の貝ノ瀬滋先生からコミュニティー・スクールについてお話を伺う機会がありました。

 

学校運営に必要な支援について協議する学校運営協議会を有する学校がコミュニティー・スクールとされていて、全国の学校のうち14.7%がこれに該当します。

この協議会は保護者の代表や地域住民から構成されるもので、主な役割としては、①校長先生が作成する学校運営の基本方針を承認すること、②学校運営について教育委員会または校長に意見を述べることができること、③教職員の任用に関して教育委員会規則で定める事項について教育委員会に意見を述べることができることとされています。

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協議会において、多くの関係者が地域でどのような子供を育てるのかという点について議論することによって、学校・家庭・地域の間でビジョンや情報が共有され、地域の方々の教育に関する当事者意識も醸成され、教育現場も地域も活性化されていく効果が表れてきています。

 

一方で、学校人事に対して地域が介入するといった誤解などもあり、コミュニティー・スクール制度の導入には都道府県や市町村によって大きな差があります。例えば、山口県では導入率が100%であるのに対し、私の住む千葉県などでは殆ど導入が進んでいません。

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導入の進捗は、各都道府県の教育委員会の姿勢や知事などの首長の考え方にも大きく左右されるようですが、昨今EBPM(Evidence Based Policy Making)の重要性が強調される中で、コミュニティー・スクールとなることによっていかなる効果があるのかということについて、より具体的かつ精緻な検証を行っていくことが、今後の普及・拡大に向けた大きな鍵になると考えます。

 

私は、教育の基本は家庭にあると考えていますが、それを前提としつつ、こうした地域と教育現場の連携は、今も大きな課題とされている、いじめや虐待などへの対応を含めて、教育環境の改善につながるものと考えますので、制度の普及に努めてまいります。

 

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2019年02月20日

知財立国に向けて ~特許法の改正について~

昨日は朝8時から党本部で経済産業部会・知的財産戦略調査会の合同会議。特許法の一部を改正する法律案を議論しました。中小企業やベンチャー企業の価値ある技術を特許でしっかり守れるようにするため、特許訴訟制度を充実させることが主な目的です。

 

この法改正は絶対に必要なので、速やかに成立させていく必要がありますが、一方で、我が国が知財立国として生き抜いていくためには今後に向けて更なる課題に向き合う必要性も感じます。

 

会合では、私から3点指摘しました。

 

・知財立国としての環境整備が進んできているが、まだまだやるべきことが山積している。知財立国として勝負していくのであれば、特許を含めた知財をしっかり保護することによって、知財の価値を高めていく方向性が必要ではないか。

企業の中には、意図せず知財を侵害する側に回ってしまう可能性もあることを理由に、こうした方向性を嫌がる企業もあるだろうが、「侵害した者勝ち」にしないためにも、今後、いわゆる「懲罰的賠償制度(※)」の検討をしていく必要があるのではないか。

 

※実際の損害に対する賠償額を超えて支払いを命ぜられる制度のこと。

 

懲罰的賠償制度については、民法の規定を含め、日本の法体系に合わないとの法律論もあるが、比較法的に近いと思われる台湾は既に導入済み、韓国も既に法律が国会で成立し近々施行という状況に鑑みれば、法体系に関する議論に囚われることなく、飽くまでイノベーションを起こすという観点から、政策論として同制度の導入の是非について議論を掘り下げていく必要があると考える。

 

・知財インフラの充実という視点からは、訴訟制度を更に充実させていくべき。日本の知財訴訟は(これまでの努力でスピードは上がってはいるが)期間が長すぎて中小企業がもたないとも言われている。まずは行政庁が侵害の有無のみを判断するドイツの二段階制度なども参考に、更なる工夫が必要だと考える。

 

・中小企業の特許が弱いのは、中小企業自身の問題のみならず弁理士によるサポートが十分ではないことも一因ではないか。報酬などの理由で弁理士が大企業に偏る傾向があるので、中小企業に関わる弁理士の数と質を高めていく施策が必要だと考える。

 

 

冒頭にも記した通り、成果を出した人や企業がしっかりと報われるような環境づくりに向けて今後とも尽力してまいります。

 

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2019年02月18日

児童虐待の防止に向けて

週末は地元活動でした。

千葉県野田市で生じた小学4年生死亡事案についても見解を求められます。

自民党内においても、先週、虐待等に関する特命委員会、厚生労働部会、文部科学部会などの合同会議が開催され、私も出席しました。

 

 

昨年3月に目黒で当時5歳の女の子が死亡した事案を受けて、政府・与党で対策を講じつつあった中、同じ千葉県選出の議員として、また、何より同じ小学生を持つ父親として、本件については、やり切れない思いや怒りを感じます。今この瞬間にも、心から助けを求めている子供たちがいるはずです。

一つひとつの事件を検証することが大切であることは言うまでもありませんが、先日の党の会合においては、今後の政策対応という観点から私からは2点提案いたしました。

 

一つは、児童「相談」所を児童「保護」所と改組すべきではないかということです。

児童相談所(児相)には保護者への支援の機能と、一時保護を含めた介入の機能がありますが、報道によると、今回の事件を受けて、児相の介入機能を強化する観点から、家庭支援の機能を果たす部局とは別に、介入機能を果たす別の部局を児相内に設置する方針を政府が固めたとのことです。

私は、児相の介入機能を強化することには賛成ですが、同じ児相の中に、家庭支援と介入の機能を併存させたままで、その役割分担が実効的になされるのか疑問に思います。

親から見れば、機能は別であったとしても、同じ児相内の組織です。例えが良いかわかりませんが、困ったことがあって警察に相談しに行ったら、逆に逮捕されてしまった、というようなことになりはしないか。そのようなことになるとすれば、親として児相に本当は相談したいのに、相談を躊躇し、控えてしまうことにならないか。

現在、東京都内の各区には子ども家庭支援センターがあります。全国の市町村にも2022年までに設置する方向で国も動いています。だとすれば、相談や家庭支援の機能は市区町村の子ども家庭支援センターに任せ、児童相談所は相談(Consultation)ではなく、保護(Protection)に特化することとして、支援と介入という機能を別々の機関に任せた方がうまくいくのではないかと考えています。

 

もう一点の提案は、今後児相への配置を増やしていく弁護士については、量にこだわるのではなく、質の確保にこだわるべきということです。

既に厚生労働省では、すべての児相に弁護士、医師、保健師を配置する方向で検討をし、この通常国会に法案を提出する方向とされていますが、児童虐待について経験や知見の乏しい弁護士を形式的に配置しても、現場ではあまり力になり得ないと思います。

数にこだわるのではなく、子どもの権利保障を実現できる能力や経験、すなわち質にこそこだわるべきです。そのためには、経験年数や、家事事件を担当した数、あるいは質の高い研修など、一定の条件を満たした上での配置を進めていくことで、真に子どもを助けられる体制ができていくのだと考えます。

 

この他にも、論点は無数にありますが、一つひとつ形にしていけるよう力を尽くしてまいります。

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2019年01月15日

厚生労働省による毎月勤労統計調査について

先般、厚生労働省による毎月勤労統計調査が誤った手法でなされていたことが判明しました。これを受けて、本日開催された自民党厚生労働部会に参加し、私からは下記のような発言を行いました。

 

 

・本件は、国民による政府に対する信頼を失墜させただけでなく、国際社会による日本政府への信頼を棄損させる由々しき行為である。国内外の信頼を速やかに回復させるために、厚生労働省のみならず、オールジャパンとしての取組を強く要請する。

 

・その上で、厚労省の説明では、昨年12月に総務省から統計の不連続性について指摘を受けて判明したとのことであったが、そもそも昨年の早い時期から、一部のエコノミストから、今回問題となった「毎月勤労統計調査」及び、これをベースとして出す「雇用者報酬」の数値が上振れしているのではないか、との指摘は出ていた。

私自身も、昨年10月に「月例経済報告」をテーマとして開催された自民党内閣第2部会において、この点を指摘したが、内閣府から「全体の景気判断には大きな影響はないだろう」との返答はあったものの、毎勤と雇用者報酬が何故高めに出ているかの納得のいく説明はなかった。そもそも内閣府としてこの点についておかしいとは感じなかったのか?また、厚労省に対して内閣府を含む他省庁から何らかの指摘はなかったのか?省庁間でどのようなやりとりがあったのか明らかにして欲しい。

 

・500人以上の事業所に対して全数調査をしなければならないところ、東京都は約3分の1のみ抽出調査を行ったとのことだが、そもそも何故調査対象を減らしたのか、その理由が知りたい。マンパワーが足りなかったからなのか?費用がかさむからなのか?

そもそも500人以上の大きな事業所の場合は、IT化が進んでいるはずなので、調査の仕方を工夫すればそれほど大きな負担はかからないようにも思う。もし負担が大きいのであれば、全数調査ではなく、適切なサンプリングなどを行えばよい。例えば、株価についても、日経平均株価やダウ平均株価なども全数調査をするわけではない。この場合は、毎勤調査のルール自体を変更する必要がある。

 

 

他の議員からも様々な指摘がありましたので、私からは上記の点について指摘・質問しましたが、現在調査中の点もあり、少なからず疑問が残ります。

今回指摘された行為は、自民党政権時も民主党政権時も含め、長らく続いてきました。巷間、組織的隠ぺいの可能性も指摘されている中で、調査結果次第では、ガバナンスの観点から深刻な問題が明らかになる可能性も否定できません。与党の一員として、本件について今後もしっかりと向き合ってまいります。

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2019年01月13日

日韓関係について

年末年始、地元の皆さまから、最近の日韓関係の動向について意見を求められることが非常に多いです。

以前から韓国政府等の日本に対する言動には理解に苦しむことが少なくなかったわけですが、最近の一連の事案については到底看過することができません。

これらの事案を受けて、自民党内においては今月7日に国防部会・安全保障調査会の合同会議、11日には外交部会・外交調査会の合同会議が開催され、私自身も両会合に出席を致しました。その場で、同僚議員からも様々な意見が出されましたが、私から申し上げたのは主に下記の二点です。

 ・旧朝鮮半島出身労働者問題も、韓国駆逐艦による海上自衛隊P1哨戒機への火器管制レーダー照射も一連の問題として捉えるべき。特に、レーダー照射については、自衛官の生命を極めて深刻な危険にさらす行為であり、到底容認することはできない。韓国は超えてはならない一線を大きく超えてしまったと言わざるを得ない。国会議員である以上、感情に流されてはいけない。常に冷静でなければならないし、中長期的な視点に立ち、国益の観点から戦略的に物事を捉えなければならない。

しかし、今、冷静に考えれば考えるほど、韓国に自らの行為を反省させ、変更させるためには、我が国として様々なチャネルを通じて実効性ある措置を能動的に講じていく必要性を強く感じる。特に、自衛隊のオペレーションは今も継続しているし、日本企業の資産差し押さえについても喫緊の課題である以上、我が国が単独でなしうる対抗措置を速やかに、かつ、段階的に講じるべきである。

韓国に行動を変えさせ得る措置は複数あると考えるが、相手の反応を見つつ、まずは最もソフトな措置として韓国から日本への渡航について制限をすべきである。我が国が韓国に対して認めているビザなし渡航の制限。そして、現在景気が悪い韓国が官民一体となって日本での就職を推進しているが、その就労ビザの制限から始めればよい。もちろん、こうした措置は日本にとっても短期的にダメージがあるかもしれないが、こうした問題を放置することによって我が国が中長期的に失う国益上の損失を冷静に比較衡量すれば、実施はやむを得まいと考える。

 ・レーダー照射事案について韓国側が公開した映像は、韓国独自の映像は10秒程度で、残りの映像は全て日本側の映像を使っていると言ったもので、「反論」の証拠となるものではないと思う。韓国側の「反論」(反論というほどの大したものではないが)に対して、我が国としても、機密情報ではない限り、可能な限り韓国側の主張を一つ一ひとつ証拠をもって否定(再反論)することが重要である。また、韓国が8か国語で映像を流しているのに対し、日本は日・英・韓の3か国語でしか証拠映像を流していない。極めて基本的な部分ではあるが、国際社会に対して我が国の正当性を示すためにも、日本政府として速やかに多言語でメッセージをデリバーすべき。

 小野寺安全保障調査会長が指摘した通り、レーダー照射という極めて危険な行為をしておきながら、我が国に対して「謝罪」を求めてくるような国に対して「協議する」という我が国政府の姿勢には大きな違和感を覚えます。

本件については、少なくともメディアを通じては、野党からあまり声が聞こえてこないことも気になります。本来、与野党の立場を超え、立法府として正式に抗議しても良い事案です。こうした状況だからこそ、自民党として毅然とした対応策を速やかに検討し行動に移していかねばなりません。

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2018年11月10日

アメリカの中間選挙の結果を受けて

先日、アメリカの中間選挙が終了しました。

日本のメディアでは、民主党が下院を奪還したことがクローズアップされています。

確かに、事実はその通りですが、私はそれとは別に注目すべき点があると考えます。

 

まず、留意すべきことは、アメリカも日本と同様、単に共和党、民主党と言っても、それぞれウイングの幅は広いということ。その観点から見た時に、今回、民主党においては、いわゆる急進左派のバーニー・サンダース上院議員などが支援する候補の当選は一部に留まり、大半の当選者が中道左派であること。これは共和党から見れば、相対的には与しやすいことを意味しますし、有権者の姿勢としては、激しい党派対立ではなく、穏健に中道を歩んでいくことを選択したことを意味するのではないでしょうか。

また、弾劾裁判の可能性も指摘されることがありますが、確かに下院では過半数の賛成があれば弾劾裁判に持ち込むことはできますが、裁判が行われるのは上院です。その上院では3分の2の賛成が求められますから、実際にトランプ大統領が罷免される可能性は皆無に近いでしょう。勿論、下院の各委員会の委員長職は民主党が占めますから、関係者の証人喚問などを繰り返し行うことによって世論に訴えることは可能かもしれませんが。

 

そして、同じく重要なことは、州単位で選出される上院では共和党が勝利し、引き続き多数派を占める結果になったこと。特に、接戦とされた州において、トランプ大統領が応援に入った州は結果が出ているという事実です。

 

今後のキャピトル・ヒル(連邦議事堂)の動向は注視する必要はありますが、単に下院が民主党に奪還されたという事実のみに目を奪われると、米国政治の潮流を見誤る可能性があるということは念頭に置いて外交政策を練るべきだと考えます。

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2018年10月31日

韓国大法院による日本企業に対する判決確定について

いわゆる「徴用工」と呼ばれる件につき、昨日、韓国の大法院(最高裁)が新日鐵住金に対して、「損害賠償」の支払いを命じる判決を下しました。

本件について、昨日の衆議院本会議において、安倍総理が、

 

「本件については、1965年の日韓請求権協定によって完全かつ最終的に解決しています。今般の判決は国際法に照らしてあり得ない判断であります。日本政府としては毅然と対応してまいります。」

 

と答えました。

完全に同意します。

毅然とした対応の中身については、政府内部で検討中だと受け止めておりますが、様々な方面へ波及する可能性に鑑みれば、速やかな対応が求められているのは言うまでもありません。

本件に関し、今朝、自民党本部にて外交部会等の合同会議が開催されました。

 

私からは、

・いわゆる「徴用工」の一連の裁判は、2016年の三菱マテリアルが中国にて和解をしてしまったことから事実上スタートし、その後拡散していったものと理解している。この時、同社が和解に踏み切ってしまったのは、一民間企業による独断であったのか、あるいは、現在大使館や総領事館に置かれている日本企業支援窓口などを通じ、外務省が関与したけれども民間企業の経営判断でやむなく和解をしてしまったのか、答えられる範囲で答えてほしい。

 

・また、本件に限らず、一般論として、海外でビジネスを展開するリスクは一義的には企業が負うものだし、最終的な経営判断権は当該企業にあるのは当然だが、こうした外交問題に発展することが予見される案件については、「外務省として民間企業と密に連携をとっていきます」といった運用面での対応を超えて、事前に政府に通報する公式な仕組みを作るべきではないか。特に、外交問題に発展する蓋然性が極めて高いと判断されるものについては、政府への報告を義務付けることも考えて良いのではないか?

 

と提案しました。これは、今回問題となっている韓国や中国に限った話ではなく、海外全般についてです。

政府からの回答はこの場では記載しませんが、本当の意味で、官民一体となった対応を考えていかなければ、同様の問題が繰り返され、一民間企業の損害という次元を超えて、国益そのものを大きく損ないかねません。本腰を入れた対応が必要だと考えます。

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2018年10月15日

「新たな外国人材の受け入れに関する在留資格『特定技能』創設」について

 今月12日、法務省が、新たな外国人材の受入れに関する在留資格創設に関する基本方針案の骨子と、「出入国管理及び難民認定法」と「法務省設置法」の改正案の骨子を公表しました。

 

 (参考)法務省の資料は下記にあります。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/gaikokujinzai/kaigi/dai2/siryou1.pdf

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/gaikokujinzai/kaigi/dai2/siryou2.pdf

 

  これらの資料によると、「一定の専門性・技能を有する外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを構築していく必要がある。」とされ、「熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格『特定技能2号』を新設する」とされています。また、この「特定技能2号」は「特定技能1号」と異なり、「家族の帯同を基本的に認めない」とはされておりませんし、在留期間の上限が明記されておりません。報道によれば、在留期間はまずは5年で、期間経過後は更新制とし、回数には制限を設けないとされています。

 

  私は、現時点で、今回の「新たな外国人材の受け入れに関する在留資格『特定技能』の創設」については、慎重に考える必要があると考えます。

 

  そもそも、こうした案が出てきた背景には、中小・小規模事業者をはじめとした人手不足が深刻化している現実があります。私自身も、地元において人手が足りないという話はよく伺いますし、実際に外国人労働力に頼る現場にも足を運ばせていただく中で、成功している事例も拝見しました。

 

  しかし、今回の政府案の「特定技能2号」は、従来の外国人材受入れ政策とは次元の異なるものです。また、「真に受入れが必要と認められる人手不足の分野」とか「一定の専門性・技能を有する外国人材」という定義も曖昧で、なし崩し的に解釈される可能性もあります。いわゆる「移民政策」にあたるか否かは、その定義によるとしても、この国のカタチを根本から変えかねない話です。

 

  まず、留意しなければならないことは、外国人材への門戸を広げることは容易ですが、「特定技能2号」のような方に一旦入国を認めてしまうと、我が国の都合で帰国を求めることは現実的に難しくなるということです。

 

政府は、人手不足などを理由に、受け入れる分野としては、「生産性の向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお、当該分野の存続のために外国人材が必要とされる分野」と位置付けています。

 

 しかし、東京五輪後の景況予測はもとより、今後の技術革新をも勘案した人材の需給バランスを緻密に検討することなくして、安易に受け入れ拡大に走るとすれば、あまりに拙速と言わざるをえません。仮に、将来、労働力が余るような状況になった場合、一度受け入れた外国人材と日本人とが職を奪い合う可能性も排除できません。

 

  また、受け入れる外国人への報酬額は日本人と同等以上であることを確保するとありますが、その実効性がしっかりと担保されるのか疑問です。実際に、これまでにも外国人技能実習制度で入国した外国人が、処遇の悪さ等の理由によると聞いていますが、失踪者数が年々増え、2017年には7000人を超えている状況です。

 

  今、政府がなすべきことは、人材不足にある分野で働く日本人の方々の処遇を改善し、希望と安心を持って働ける環境を作っていくことであるはずです。そこをなくして、外国人労働者に頼るとすれば、これまで政府が目指してきた日本人の賃金上昇にはかえってマイナスに働くと考えます。

 

加えて、社会保障の観点からも十分な検討がなされるべきです。特定技能2号の場合は家族帯同も認めることになりますが、「家族」の範囲をどこまでにするのか、、その年齢構成はどのように見込まれるのか、そして、彼らの年金、医療、介護といった社会保障のコストは中長期的にどう見込まれるのか。こうした検討なくして急いで外国人材の受け入れを拡大しようとすれば、将来に禍根を残すことになりかねません。

 

  OECD加盟35カ国の最新の外国人移住者統計で日本は39万人で、ドイツ、米国、英国に次いで既に第4位であること、移民受入れに寛容であった欧州の多くの国、特にドイツが移民政策の転換を図り始めていることなどに鑑みて、我が国の外国人労働者受入れの是非については、中長期的な観点から腰を据えて検討していく姿勢がまずは求められると私は考えます。

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2018年08月27日

台湾出張

先週は、自民党青年局の海外研修として4泊5日で台湾を訪問してきました。

 

台湾は、民主主義、自由、人権、そして法の支配といった基本的価値を共有できる日本にとって古くからの友人であり、加えて、経済・安全保障の両面において、戦略的に重要なパートナーです。その日台関係を政治レベルで伝統的に担ってきたのが自民党青年局です。

 

私自身は、この青年局において、日台関係などを担当する国際部長という立場において、この度、青年局所属の約70名の国会・地方議員等と共に訪台してきました。

 

台北、台中においては、蔡英文総統、頼清徳行政院長はじめ、立法・行政の要人との面会。

 

花蓮においては、今年2月に生じた大地震による被災現場の視察を含め、地元の立法委員(日本の国会議員に相当)を含む関係者との意見交換。中国の厦門と目と鼻の先にある金門島では、まさに訪問した8月23日が60周年に当たったわけですが、当時の中国人民解放軍との戦いの歴史などを学んでまいりました。

 

特に、台北における要人との面会においては、日台関係の更なる発展の観点から未来志向の意見交換を中心にしつつも、足元で懸念されている諸事項にも当方からは言及しました。

 

中でも、最近、台南市において慰安婦像が設置された動きと、東日本大震災以来、台湾が続けている被災地(地元の千葉県を含む)の農産品に対する輸入規制については様々な角度から議論がなされました。

 

相手のある話なので、詳細は控えますが、私からは蔡英文総統に対し、

・先般、訪台した際に、唐鳳デジタル担当大臣から伺った台湾のイノベーション政策やデジタル政府への取組について、非常に意欲的かつ先進的であるとの印象を受けたこと

 

・それほど先進的な取組をしていながら、安全な農産品の輸入規制をいまだに続けていることは理解に苦しむことであり、科学的な見地に基づく判断を強く希望すること

 

・この問題の解決は、台湾が関心を表明しているTPP参加を含め、日台の経済関係全般を推進していく観点からも重要であること

 

・今年11月の(台湾における)統一地方選挙を前に、この規制に関する住民投票を行おうとする政治的な動きが一部野党の中に見られるので、日台関係の更なる強化のために総統の強力なリーダーシップを期待すること

 

などを直接お伝えしました。

 

なお、余談ながら、蔡英文総統には、私の地元習志野市に所在する阿武松部屋の甚平、幕内力の阿武咲関の反物とサイン入り手形を贈答させて頂きました。

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特に、日台ともに、安全保障上の脅威が近年増してきている中で、地域の平和と繁栄を実現するために、連携を強化していかねばなりません。日台関係の強化は、突き詰めれば、人と人との交流によって生まれると考えますので、私自身、微力ではありますが、これからも台湾との絆を育むべく、しっかりと活動してまいります。

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2018年07月15日

児童虐待に関連して ~子どもの視点に立った「司法面接」の導入を目指して~

昨今、心が痛む児童虐待事案に触れる機会が多いです。身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクト(放置)。しかし、それも氷山の一角。我が国では、児童相談所(児相)で対応した児童虐待相談対応件数は122,578件と過去最多を記録。うち検挙件数は1,081件となっています(平成28年度)。行政による対応が不十分、あるいはそもそも把握されていない案件(暗数)が少なからず存在すると考えられます。こうした中で、児相の体制強化や他機関との連携強化は喫緊の課題です。加えて、こうした一次被害に加え、「二次被害」が深刻な問題となっています。

 

特に、親などから性的虐待の被害にあった子どもが、児相に、警察に、そして検察に同じことを根掘り葉掘り聞かれます。忌まわしい被害を再体験することになり、調査・捜査の過程で耐え難い二次被害を受けることになります。しかも、捜査機関による聴取では、立件するための証拠となるよう、子どもは様々なことが聞かれますが、質問のやり方を相当丁寧にしないと子どもは誘導や暗示にかかり易いため、記憶の混濁も起こります。

 

児相、警察、検察などの関係機関の連携は、以前と比べると改善されました。しかし、一般論として、児相よりも捜査機関の力が強いせいもあり、どうしても「捜査」の視点が優先されがちで、「子どもの福祉」の視点が置き去りになることが多いとされています。警察にとっては、事案を立件すれば終わりであったとしても、虐待を受けた子どもは、事案の立件後も長く続く人生の中で、苦しみと戦い続けるわけです。

 

こうした点を踏まえると、我が国における関係機関の連携は、情報共有を含め、米国などと比べるとまだまだ不十分と言わざるを得ません。

そこで私が注目しているのは、既に米国で制度として確立している「司法面接」と呼ばれるものです。

これは、①関係機関が連携して子どもへの面接を実施することで聴取回数を可能な限り少なくすること、②子どもにやさしい環境下で、子どもの発達段階に応じた誘導のない聴取を行うことで法的論争に耐え得る事実を聴取すること目的とした制度です。面接する場所も、殺風景な部屋ではなく、色調や家具など、子どもに優しい施設で行います。また、面接する人間も、特別に訓練を受けた人が行います。

 

先般、私が事務局長を務める自民党司法制度調査会でもこの点を取り上げ、提言を作成し、菅官房長官、上川法務大臣、加藤厚生労働大臣、小此木国家公安委員長に問題提起と然るべき対応を要望してまいりました。

 

現行制度を所与のものとして連携強化を図る関係省庁との間には、まだ隔たりはありますが、例えば、現在、各都道府県に整備されつつある、性犯罪被害に関するワンストップ支援センターに付属する形で「子どもの権利擁護センター」を設置し、司法面接を推進していくのも一つのアイデアだと思います。

いずれにしても、真に「子ども目線」での取り組みを進めていくのは政治の責任です。

一つひとつ政策を実現すべく、汗をかいてまいります。

 「小林鷹之からの手紙 41号」も合わせてご覧下さい。https://bit.ly/2II0LYU

 

  • 自民党司法制度調査会の提言「誰一人取り残されない日本を目指して」は下記URLからご覧いただけます。

概要: https://bit.ly/2Ngpd6u

全文: https://bit.ly/2NRs0UT

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2018年07月13日

「平成30年7月豪雨」について

この度の災害において、お亡くなりになられた方に心からお悔やみを申し上げますとともに、被害に遭われた方に心からお見舞い申し上げます。

安倍総理が岡山県、愛媛県を訪問する中で、昨日、自民党の二階幹事長と共に日帰りで高知県に伺ってまいりました。現地での対応を妨げないように細心の配慮をしながら伺ったのは申し上げるまでもありませんが、速やかに現地のご要望を形にしていくことは政治の責任でもあります。

様々な被害が発生している中で、高知県にとって物流の大動脈である高知自動車道(高速道路)の立川橋が、土砂災害によって60メートル以上にわたり崩落している現場に赴きました。この大事故で人命が失われなかったことは不幸中の幸いです。

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また、上り線の橋が崩落しましたが、下り線の橋に大きなダメージがなかったことも奇跡的でした。NEXCOや地元の建設会社等、関係者の皆様方のご尽力で、下り線を対面通行にする形で本日午前中に通行禁止を解除されたことに敬意を表します。

こうした事故に限らず、財務省時代に一緒に仕事をさせて頂いたこともある尾崎知事などからは、次の大型台風への対処の必要性、県道・林道などが傷ついた結果としての孤立集落の存在、町村への危機管理監の配置など、様々な課題を伺う中で、二階幹事長からは、国として被災地に寄り添い、早期の復旧・復興に向けて国が全力を尽くすとの言葉がありました。

 

一方で、あれだけの豪雨に見舞われながらも、国土強靭化の先進県である高知県だからこそ失われずに済んだ命も少なからずあったのではないかと感じます。ダムの放流方法に関するノウハウの蓄積や、一時間当たり77ミリまで対応できる雨水管の配備等、備えがあったからこそ、いかなる効果があったのかという点についてもしっかりと検証をしていくことが今後の国のレジリエンス(強靭性)につながると思います。

 

命や暮らしを守るために力を尽くすこと。

肝に銘じて行動してまいります。

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2018年06月29日

今後の水道のあり方について

昨晩のポーランド戦。

試合は負けましたが、グループステージを見事勝ち抜いたということで、結果を出したサムライブルーの選手の皆さんに心から拍手を送ります。

 

さて、本日から衆議院厚生労働委員会にて水道法改正について実質的な審議がスタートしました。今回、私は質疑に立つ予定はありませんが、非常に重要な法案であると認識すると共に、今後の課題も感じておりますので、簡潔に記します。 先般の大阪北部を震源とする地震においても、老朽化した水道管が損壊し、断水状態が続きました。水道は、文字通り「ライフライン(生命線)」です。水道は昭和30年代に主に整備をされております。大阪のみならず、全国的に見ても耐用年数を過ぎた管路が増えてきています。今後、首都直下や南海トラフを含め、大きな地震が起こることが予想されていることに加え、人口減少が進む中で料金収入が減ることも予想されます。

 

こうした中で、特に規模の大きくない自治体においては、多くが赤字経営となっており、インフラの持続可能性をいかにして確保していくかということは非常に重要なポイントです。 この点、今回の改正案では、広域連携が方向性と示されていることは評価できますが、一方で、課題は少なからず存在していると私は感じています。

 

例えば、台帳の整備。いまだに紙ベースで管理されていたり、そもそも台帳に載っていない不明配管も数多く存在することが指摘されています。今後、ビッグデータ等を使った管理も追求していかねばならない中で、質の高い台帳整備は急務です。

 

そして、水道料金。現在、多くの自治体では赤字経営となっています。一般会計から繰り入れを行っているので、見かけ上はトントンとなっているかもしれませんが、人口減少の下、今後、どの自治体であっても、事業運営がさらに厳しくなることが予想される中で、早晩、料金の引き上げの決断を迫られる局面が来ると思います。 水道料金の引き上げは自治体の首長にとっては政治的に容易なことではないことから、従来、多くの自治体において料金の引き上げというものはなかなかなされてきておりません。したがって、今後、仮に料金引き上げを行っていく場合には、多くの利用者への説明責任を果たし、理解を得ることが不可欠です。しかし、人口3万人以下の小さな自治体においては、複式簿記を用いた、いわゆる「公営企業会計」を導入している割合は約25%。これでは事業運営の実態が分かりにくい。総務省にはこの点、頑張っていただかねばなりません。

 

また、改正案のもう一つのポイントは、公有民営、いわゆるコンセッションを選択肢として設けることです。民間の知見を活用して、効率的な事業経営を可能にしていこうということで、この方向性は評価できますが、民間事業者としても水道事業に参画していくためには、更なる工夫が必要だと私は思います。

例えば、既に事例が増えつつある、空港のコンセッションであれば、ターミナルビルのテナント収入等で利益を生むことが可能です。したがって、私は、浄水場等の施設内の余った土地の利活用を認めていくべきだと思います。この点、自民党の会議などの場で厚生労働省に提言すると、「今後検討してみます」との声が返ってきますが、制度だけ作っても使われなければ全く意味がありませんから、政府にはより積極的な対応を求めます。

 

更に、水道は、ライフラインでありますから、安全保障の観点からの検討を十分に行うべきです。既に、水メジャーとされる仏企業のヴェオリア社などが日本のマーケットに参入してきています。インターネットとモノがつながる、いわゆる「IoT」が進む中で、日本の水道管理をフランス国内にいながら行える時代です。ヴェオリア社がどうこうという話ではありませんが、ライフラインを外国企業に委ねることのリスクについて深い理解が求められることは言うまでもありません。

 

最後に、政府のインフラ輸出戦略においても、水道システムの海外展開が盛り込まれていますが、政府における体制強化を行うことなしに、海外展開を声高に唱えても絵に描いた餅で終わります。以前も、ブログに記しましたが、水道というインフラシステムを本気で海外に輸出していくにあたっては、現在の厚生労働省を始めとする関係者の体制では現実的には厳しいと思います。本当の意味でオールジャパンとして売り込んでいく体制を作れるかが大きな課題であると認識しています。

 

本件に限らず、法律改正をすれば、すべての課題が一気に解決されるものではありません。大切なのは、時間をかけてでも、一つひとつ課題を着実に解決していくことですので、今後も政策立案に地道に関与していくつもりです。

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2018年06月12日

イノベーション政策の司令塔機能強化

「GAFA」

この言葉をご存知の方は多いはずです。

グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの頭文字をとって、「ガーファ」と呼ばれています。

これまでのビジネスのあり方を大きく変える企業、いわゆるプラットフォーマーは米国から生まれることが多いですが、アリババやテンセントといった中国企業をはじめ、各国がイノベーションを起こすべくしのぎを削っています。

 

その中で、我が国の世界におけるイノベーション力が相対的に低下してきているのは以前のブログで述べたとおりです。こうした問題意識の下、自民党の知的財産戦略調査会(甘利明本部長)の下で、イノベーションのエコシステムを築き上げるために、提言を出したところです。

https://bit.ly/2JMiyTd

 一方、イノベーションを喚起していくためには、政策の中身に加えて、その政策を実行していくための強力な体制が必要ですが、現在の政府におけるイノベーション推進体制には少なからず課題が存在します。

例えば、イノベーション政策を実施する部局が林立している点です。

総合科学技術イノベーション会議(通称CSTI)、未来投資会議、健康・医療戦略推進本部、IT戦略本部、知的財産戦略本部等々。こうした中で、扱うテーマが重複し、また、裏返して言えば、組織間の連携が十分に図られていないという指摘があります。

   また、こうした本部の会議は、総理が本部長になっているため、多忙を極める総理が過度に拘束されかねないという課題があります。

加えて、こうした本部は内閣官房などに置かれることが多く、本来、機動的な役割を果たすことが求められる内閣官房に余裕がない状況が生じています。

 こうした問題意識の下に、昨年末に自民党の行政改革推進本部(甘利明本部長)の下に「総合科学技術・研究開発WG」が設置され、その事務局長としてこれまで提言の作成にあたってまいりました。

https://bit.ly/2MrLmiH

 提言の概要は、国家の重要戦略を「経済」及び「安全保障」と位置付け、双方を支えるのが「イノベーション」と整理した上で、イノベーションに関係する本部を整理し、必要に応じ、段階的に機能等を統合していくことを通じ、イノベーションを強力に推進していく体制を構築するというものです。

  • なお、ここで言う「イノベーション」とは、単なる技術開発(狭義のイノベーション)ではなく、研究開発力強化法に定義されているとおり「新たな価値を生み出し、経済社会の大きな変化を創出すること」(広義のイノベーション)として捉えています。

 理想としては、経済政策を推進するための「経済財政諮問会議」。安全保障政策を推進するための「国家安全保障会議(NSC)」。そして、イノベーション政策を推進するための会議ということで整理できれば、国家戦略を推進する上で非常に強力な体制となると思いますが、組織の変革を検討する時は、とにかく丁寧に進めていくことが求められるのも事実です。 

安倍総理への提言手交の様子

https://bit.ly/2JFHwjU

 こうした行政改革は、各省庁にとっては不人気です。

であるが故に、政治も覚悟を決めて断行しなければなりません。

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2018年06月1日

インフラシステムの輸出について

この季節は、自民党内の各種政策部会での提言のとりまとめが続きます。

私も様々な会議の事務局として、政策提言のとりまとめや、党幹部への説明などで物理的に走りまわる日々が続いています。

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これから随時、結果を報告していきたいと思いますが、今日はそのうちの一つを記します。

現在、党の経協インフラ総合戦略調査特別委員会(二階俊博委員長)の事務局長を務めております。この特別委員会で、この度、インフラ「システム」の輸出に関する提言をとりまとめ、党の政調審議会で了承いただき、来週、総理に説明する予定となっています。

 

そもそも「インフラ」の輸出については、平成25年の日本再興戦略において成長戦略の柱の一つに位置付けられました。日本企業のインフラ受注実績を2010年の約10兆円から2020年に約30兆円に拡大するという目標を掲げています。

 

ここで重要なことは、これまでのように橋を作る、空港を作る、こうした個別のモノを作ることに加え、システムとしての輸出を加速することです。

より具体的に言えば、案件を形成するところ(いわゆる川上)から建築、その後の運営や維持管理(いわゆる川下)に至るまで一気通貫でシステムとして海外に展開するということです。例えば、鉄道の車両だけを売るというのではなくて、レールも売り、メンテナンスも行い、そして正確な運行システムなどもパッケージで行うイメージです。

 

また、ハードのインフラだけではなく、例えば、人材育成や法制度整備支援など、日本が得意とするソフト面でのインフラ輸出も積極的に行っていかねばなりません。例えば、日本が広範な知見やノウハウを有する防災分野でのシステム・法制度・防災教育、既にモンゴルやタイが導入している高等専門学校(KOSENという言葉が普及しつつあります)の教育システム、母子健康手帳、あるいは、今後各国において高齢化の進行が見込まれる中で我が国の地域医療システムなど、我が国が世界に貢献し、また、結果として、日本の国益に資する分野は枚挙にいとまがありません。

 

こうした動きを加速していくにあたっては、官民の連携が必要不可欠です。

私が外交官として米国で勤務していた時(政権交代前後)と比べると、官民連携が推進しており、隔世の感がありますが、まだまだ改善の余地はあります。

また、「オールジャパンで」とよく言われますが、省庁全体を見た時に、インフラ及びインフラシステムの海外展開のための体制が整っている国土交通省、経済産業省、総務省のような省庁と、案件はあるけれども体制の強化が求められる省庁(例えば厚生労働省や環境省など)とに分かれている状況です。本当の意味でオールジャパン体制でインフラシステム輸出を強力に推進していくのであれば、政府の体制についてもしっかりと見直す必要性を強く感じます。

 

最後に、こうした海外展開は、我が国の経済成長につながれば良いというものではありません。より高次の視点に立った上で、特に我が国の外交・安全保障戦略である「自由で開かれたインド太平洋戦略」に沿う形で進めていくことが求められます。

 

しっかりと提言した以上は、実行されなければ意味がありません。

今後の政府の動きを与党として注視すると共に、議員外交はじめ、政治家の立場でできることを一つ一つ進めてまいります。

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2018年05月23日

成田国際空港の開港40周年にあたって

成田国際空港が今週、開港40周年を迎えました。

 

 

私の場合、物心着いた時には、既に空港の運用は開始されていて、人生初の成田国際空港の利用は、幼少時に一年ほど在住したシンガポールに向かう時だったと思います。 その頃は、開港に至るまでの「歴史」やそこに関わられた多くの方々の思い、ご苦労、ご尽力については知りませんでしたが、千葉県で生まれ育った者としては、闘争の歴史を忘れてはならないと思いますし、そのことを踏まえた上で、今後の成田国際空港の更なる発展を目指していかねばなりません。

 

現在の成田国際空港は、既に多くの国内外の都市とのネットワークを持ち、年間発着回数や空港利用客数も増加傾向にあります。まさに日本の玄関口と言って良いかと思いますが、一方で、韓国のインチョン、シンガポールのチャンギ等アジアの主要国際空港間で激化する国際競争の中で、成田国際空港の相対的な位置づけは低下してきているのが現実です。やはり、内陸空港であるが故、騒音問題や落下物問題等による制約が少なからず影響していると思います。

 

こうした中で、私は、千葉県選出の議員というよりも、日本の国会議員として、我が国産業の国際競争力を強化し、更なる経済成長を実現する観点からも成田国際空港の機能を強化し、ヒトやモノの国内外への流動性を高める必要を強く感じています。その際、観光・物流機能の強化を含め、成田国際空港と有機的に結合する産業基盤やネットワークを整備していくことも重要です。

 

成田国際空港は、国(国交省航空局)、千葉県、周辺市町と共に「四者協議会」のメンバーとして空港機能の強化、すなわち、第三滑走路の建設や夜間飛行制限時間の緩和などについて議論を続けてきた結果、先般合意に至ったところです。振り返れば、そもそも、この四者協議会による本格的な議論は、「自由民主党 成田国際空港推進議員連盟(会長:二階俊博衆議院議員)」による強力なプッシュがなければ、正直スタートできなかったと思います。私も事務局を拝命しておりますが、政治の力を肌で感じた案件でもあります。

 

空港機能の強化については、第三滑走路の建設が注目を集めやすいところではありますが、私は夜間飛行制限時間を緩和することの方が当面は重要だと考えています。これには地元住民の方々のご理解が必要であることは言うまでもありませんが、アジアの主要国際空港が24時間365日の運営をしている中で、成田が飛行制限時間を緩和することができなければ、いずれ普通の「国際」空港ではなく、一地方空港になってしまうと危惧しています。

 

いずれにしても、私は国益の観点から、成田国際空港の潜在能力を最大限発揮できるような環境を整備していくことにこれからも尽力してまいります。そのためにも、千葉県だけで「閉じた」構想を練るのではなく、圏央道等でアクセスが容易になっている周辺の都県との連携を前提とした「開かれた」構想が求められます(自民党成田国際空港推進議員連盟の決議では「成田ゲートウェイ構想」と明記しました)。何より、羽田空港との関係を「競争関係」ではなく、「共創関係」として捉え、お互いの強みをそれぞれ活かしながら、アジアに冠たる巨大空港都市圏を作っていくべきだと考えています。

 

成田国際空港が日本のみならずアジアの玄関口としての地位を確立すべく、微力ながらも力を尽くしてまいります。

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2018年05月8日

エネルギー基本計画の改定について

本日、自民党本部において、エネルギー基本計画の改定に関する議論が始まりました。2030年、そしてその後の2050年に向けて、我が国のエネルギー政策の方向性、ベストミックスをどう実現していくかという議論です。私自身の基本的な考え方を下記に簡潔に記します。

 

「エネルギー安全保障」という言葉が示す通り、エネルギー政策は安全保障そのものです。資源保有量、近隣諸国との連携可能性、地政学的リスクなどにおいて、我が国の置かれている状況は欧米とは自ずと異なります。したがって、脱化石燃料のような欧州を中心とする「世界の」潮流に留意することは必要であるにしても、必ずしもすべてを合わせる必要はありません。飽くまで、エネルギー政策は、我が国の国益の観点から主体的に考えるべきものです。

 

私は、エネルギー安全保障を考えるにあたって、最も重要なことは安定供給だと考えています。その意味において、石炭火力については、原料の輸入先が世界的に分散し、また、産出国における地政学的リスクが比較的小さいということ、そして、高効率の石炭火力については我が国が世界トップレベルの技術を誇ることに鑑みれば、たとえ、欧州等の潮流に合わないとの批判を受けたとしても、今後とも国として力を入れていくべきだと考えます。

 

洋上風力や地熱といった再生可能エネルギーを強力に推進していくことについては私も賛成ですが、そうだとしても、蓄電池の技術が完成するまでは、出力の変動幅の大きい再エネにとって調整電源としての石炭火力の必要性は大きいですし、地球温暖化の観点からも、今後も火力発電に頼らざるを得ないであろう途上国において、日本の高い技術を導入していくことは十分に正当化されることと考えます。

 

また、原子力発電については、政府案では、今後、可能な限り依存度を低減していくべきとされていますが、私は原子力発電についてはもう少しポジティブに捉えるべきではないかと考えています。勿論、原子力発電については安全性の確保が最重要であることは言うまでもありませんが、エネルギー安全保障の観点からは、まずは再稼働(特にプルサーマル)を可能な限り速やかに行っていくことが必要です。リプレース・新増設についてもそろそろ検討を開始すべき時だと思います。また、我が国を取り巻く安全保障環境がますます厳しくなっていくであろうことに鑑みれば、我が国が原子力の技術を手放すことは選択肢としてあり得ないものと私は考えています。

 

これから議論が本格化していくと思いますが、自民党内には多様な意見があります。異なる意見にも耳を傾けつつ、責任を持って関与してまいります。

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2018年05月3日

憲法記念日にあたり

「憲法記念日にあたり」

 

 昨年の5月3日の安倍自民党総裁の発言を契機に、この一年間、自民党内で憲法改正に向けた議論は加速してまいりました。

 

 そもそも憲法とは、その国の本質やあるべき姿が描かれるものです。それと同時に、現在の日本国憲法は第98条に規定されている通り、我が国の最高法規です。法規、すなわちルールである以上、「生き物」です。国の内外の情勢が大きく変化したとすれば、それに応じて変わるのも当然です。

 

憲法制定時の70年前と比べれば、私たちの生活水準も、産業構造も、人口動態も大きく変わりました。国を取り巻く環境も、冷戦が終わり、中国を始めとする新興国の台頭、テロの脅威、地球温暖化など、大きく変化しました。

 

 こうした背景の下で、現行憲法の規定の中には時代の要請に合わないものが少なからず見られます。

私たちに現行憲法を一度も変えた経験が無い中で、自民党としては下記の4点の改正項目に絞って精力的に議論してまいりました。

 

・自衛隊の明記

・緊急事態条項

・教育の充実

・参議院の合区(ごうく)の解消

 

 自衛隊の明記について。

 今回、憲法9条については一切手を加えようとするつもりはありませんが、我が国においては憲法上、また、法律上、大きな制約がありながらも、25万人の自衛隊の隊員の皆さんが24時間365日、私たち国民の目となり、耳となり、国防の任にあたってくれています。

国民の9割以上が自衛隊を評価しながらも、憲法学者の多くがいまだに自衛隊違憲論を唱え、

また、公立の小中学校で使用される教科書の大半に、自衛隊違憲論もある旨が記載されているという現実。

その中で、自衛隊の皆さんは、大規模災害、有事、あるいはそれらの複合事態の際には、真っ先に現場に駆けつけ、国民を守り、国を守ってくれる。

 

 そして、自衛隊に命令を下すのは、最高指揮官である内閣総理大臣。その時々の総理は、自衛隊違憲論がある中で、国民と国を守るために彼らに現場での対応を命じなければならない現実。

こうした状況を看過することが許されるのか。国民の負託を受けた国会議員の一人として私にはどうしてもそうは思えません。

自衛隊員を支えているのは、彼らの誇りであり矜持です。自衛官のお子さん達も、お父さん、お母さんの背中を誇りを持って見て、育って欲しいと思います。そのためにも、自衛隊の明記をすべきと考えます。

 

 緊急事態条項についても、大規模な自然災害が生じたり、武力攻撃を受けたとしても、その時点で衆議院が解散されていた場合には、衆議院議員が誰一人としていない事態となり、その状況下でも選挙を行わなければなりません。こういう事態を想定した規定がそもそも存在しないのです。

 近年、地震や火山の噴火などの自然災害が増えている上に、我が国を取り巻く安全保障環境も急激に変化する中で、国会議員の任期等の特例を設ける事により、緊急事態においても立法府が機能できるようにするべきと思います。

 

 

 憲法改正を考える上で、最も基本的かつ重要なことは、改正するもしないも、決めるのは国会議員ではなく、国民の皆さまであるという点です。

私たち国会議員にできることは、自民党だけでなく他党ともしっかり議論し、発議(=提案)することまで。最後は国民投票なのです。幅広い合意形成と国民の皆様のご理解が必要なのです。

 

だからこそ私は地元の国政報告会で、必ず憲法改正について触れるようにしています。憲法について、みんなでもっと考えたいし、これからも考え、議論することによって、憲法をより身近に感じるきっかけを作っていくつもりです。

 

国会が1日も早く正常化して憲法改正について本格的な議論が始まることを期待しますし、私自身、国民の負託を受けた国会議員の一人として、特に衆議院の憲法審査会の委員として、憲法改正の発議ができるよう努力してまいります

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2018年04月28日

南北首脳会談についての所感

南北首脳会談についての所感~追い詰められているのは北朝鮮。引き続き毅然とした外交を~

韓国と北朝鮮の両首脳が会談し、板門店宣言が発出されました。

この宣言を見る限り、現時点で特段評価すべきことはないように思います。より正確に申し上げれば、米朝首脳会談までその評価は保留せざるを得ませんが、今回の会談についての私の私見を以下に述べます。

 今回の一連の流れの中でメインプレイヤーは北朝鮮と米国ですから、南北の首脳会談にはそもそも過剰な期待はしていませんでしたが、拉致問題に加え、非核化に向けた具体的な言及が全くなかったということは留意すべきことです。

 また、南と北は完全な非核化を通じて、核のない朝鮮半島を実現することを共同の目標とするとのことですが、そもそも北朝鮮の考える「非核化」「核のない朝鮮半島」とはどういうことなのか。在韓米軍や韓国軍には核兵器はないという理解ではありますが、仮に北朝鮮が在韓米軍の撤退と意味しているとすれば、我々の考える「非核化」とは大きなギャップがあることになります。

 そして、休戦協定締結65周年となる今年に終戦を宣言し、休戦協定を平和協定に転換し…ということですが、「非核化」について具体的は言及がない段階で、融和的な姿勢を前面に打ち出し、こうしたカードを早々と切ってしまう韓国政府の姿勢に、私は大きな違和感を覚えてなりません。

 最後に、メディアや識者の論調の中には、今回の首脳会談の結果を見て、「日本は置き去りにされるのではないか」とか「蚊帳の外に置かれているのではないか」との懸念も散見されますが、私はこうした見方は的を得ていないと考えます。

 確かに、今回の板門店宣言にも、「南・北・米の3者」か「南・北・米・中の4者」の会談を積極的に開催していく旨記載されています。

しかし、これまで北朝鮮に対する制裁(圧力)を主導してきたのはどこの国なのか?

まぎれもない、我が国です。

トランプ政権を動かした直接のきっかけは度重なる北朝鮮のミサイル実験・核開発かもしれませんが、ここまで同政権を引っ張ってこられたのは、強固な日米同盟の存在に加え、安倍政権の強力な働きかけ、そして、日米の首脳同士の信頼関係があったからこそだと私は考えます。

北朝鮮の立場に立った時に、一番脅威に感じるのは、勿論米国でしょう。

しかし、次に「やっかいな」存在は明らかに日本です。

中露はもとより、韓国の現政権も北朝鮮側にうまく誘導されている現状の下で、日米の首脳間・政府間の強固な信頼関係は我が国にとっては大きな財産であり、北朝鮮にとっては脅威なのです。

だからこそ、北朝鮮は何よりも日本こそを枠組みの中から除外したいと考えているはずです。

我が国にはそれだけの存在感があるということを的確に認識した上で、これまでの路線、すなわち、北朝鮮が非核化に向けた具体的な行動をとるまでは最大限の圧力をかけ続けるという方針を今後も自信を持って堅持すべきです。

追い詰められているのは日本ではありません。北朝鮮です。

 国家の平和と国民の命を守り抜くのが政治の最低限の責務です。

このことを肝に銘じ、与党の一員として政府の外交を支えてまいります。

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2018年04月26日

「小林鷹之君と明日の日本を語る会」in 東京

4月24日に都内で「小林鷹之君と明日の日本を語る会」を開催させて頂きました。お礼の挨拶を秘書がメモに起こしてくれました。私の問題意識の一端をお話させて頂きましたので、下記をご覧いただければ幸いです。

  本日は、お忙しい中、多くの皆様方にご参加いただき、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

 二階幹事長はじめ、多くの先輩・同僚議員にも助けていただきながら、また、本日はあえて地元の方々にはお声がけしてませんが、こうして選挙区外の多くの皆様にも支えていただいているお蔭で、国会活動の幅も、少しずつではありますが、広がってきたように感じます。

 昨年の夏に防衛政務官を終えまして、現在、党内では、経済産業関係を中心に各種事務局や青年局国際部長などの立場で汗をかかせて頂いています。それぞれの仕事を通じて、私が国会議員として常に意識していることは、国際社会で日本の存在感を更に高めたいという気持ちです。

  そのためには「強い外交力」が必要です。

私は、強い外交力というのは、主に「国防力」と「経済力」から生まれると思います。

  まず「国防」については、皆様ご案内の通り、朝鮮半島情勢が動く兆しが出てまいりました。予断は許されませんが、我が国主導で進めた経済的プレッシャーを含めて、安倍政権の卓越した外交手腕によるところが大きかったのではないかと私は思います。ただし、北朝鮮が言及していない「非核化」に向けた具体的な行動をとらせなければ意味がありません。先月、私も指示を受けて、ワシントンに派遣され、アメリカの連邦議員を中心に日本の考え方を説明してまいりました。概ね認識は共有できたと思いますが、やはりアメリカに多くの部分を頼らざるを得ない中で、北朝鮮との交渉を我が国独自で進めていけないことに忸怩たる思いがあるのも事実です。

 また、私は、8年前のオバマ政権時にワシントンで外交官として勤務していたんですね。今回訪米してみて、トランプ政権とオバマ政権を改めて比較した時に、トランプ政権の方が確かに意思決定のスピードは速いけれども、政策の一貫性や予見可能性という点では少なからず不安があるというのが私の率直な感覚です。

こうしたことを踏まえますと、私は、今後の日本の安全保障を考える上で重要なのは、すべてをアメリカ任せにするのではなく、「自分の国は自分で守る」という強い自負と相応の力を備えることだと思います。言う間でもなく、日米同盟は極めて重要ですし、信頼関係を醸成していく努力を続けることは不可欠です。しかし、一方で「アメリカに守ってもらえば良い」という認識を持ち続ける限り、いつまでたっても我が国の外交上の交渉力には自ずと限界が存在し続けるのではないかと思うんです。だからこそ、防衛予算をしっかりと確保し、自衛隊の存在を憲法に明記し、国家の自立というものを追求すべきだと考えます。

 

 こうした国防力に加えまして、外交力を裏付けるのはやはり「経済力」です。まさに日本が本領を発揮できる分野です。しかし、2010年に、GDPが世界3位に落ちて以降、米中との差は開く一方ですし、世界経済フォーラムによるイノベーションランキングでは日本は常時4位か5位であったのが、最近は8位にまで落ちています。また、世界の大学ランキングでは、200位以内に入ったのは東大と京大の2校のみで、トップの東大ですら2013年に23位であったのが昨年は46位にまで低下しています。

 この状況を打破するためにも、日本が本来得意とする「ものづくり」を進化させて、さらにサービスとの連動や新たな産業を創出することによって、日本がイニシアティブをとっていかなければならないと思います。

日本のイノベーション力を復活させ、世界をリードし、更には日本発の世界標準を作っていくために、国がやるべき事は、イノベーションを起こすための「人づくり」と「環境づくり」だと思います。そのために、現在私も、党の知財戦略調査会や行革推進本部の事務局として、イノベーションのエコシステムを作るための具体的なあり方について日々考える毎日です。昔、豊田佐吉が「研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし」と言いましたが、これは、大学や企業の研究者だけでなく、私たち政治家にも必要なマインドだと思います。

  また、今回のアメリカによる鉄鋼・アルミの関税のように、海外から、強引で筋の通らない要求を突きつけられたとしても、「いやいや、日本製品の質は高いから、他の国は代替不可能ですよ。そんなことしたら、困るのはそちらの企業であり、国民じゃないですか」。そう言って堂々と対峙できる強い経済構造を作ることに貢献していきたいと思っています。

 最後になりますが、社会がものすごいスピードで変化していく中で、未来を見通すことは至難の業です。でも、だからこそ、そうした中においても変わらないものを見分けて、軸のぶれない国家を創っていくことが必要だと思います。

その時々のグローバルスタンダードを否定するわけではありませんが、そこに国の形を無理に合わせていくのではなく、日本にしかない価値、日本が世界に誇れるものは何なのか。

この国の長い豊かな歴史の中にこそ、その本質は存在すると思います。

 本当の意味で、日本を自立した国家にする。

そして、自立しているからこそ可能となる、国際社会との連携を更に深めていく。

このことを意識しながら、研鑽と挑戦を続けてまいりますので、今後ともご指導賜りますことを心からお願いし、お礼の挨拶といたします。

ありがとうございました。

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2018年04月18日

成年後見制度について

本日は、朝8時からは党の安全保障調査会で防衛装備・基盤整備の勉強会、昼は事務局長を務める浄化槽推進議員連盟の総会がありましたが、その他は終日、厚生労働委員会に出席。野党の委員は朝から夕方まで全員欠席(日本維新の会以外)ということで、野党に割り振られている時間(4時間30分)でさえも現れることなく、我々与党の委員は質疑者たちが一切現れない委員会室で、ただ缶詰になっている状況です。生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案の審議で、野党自身も議員立法を提出しているくらいの関心の高い法案の審議なのに、本当に不思議です。

こんな姿を有権者の皆さんが見たらどう思うのだろう?と考えると、非常に複雑な心境ですし、生産性を最も高めなければならないのは国会なのではないか、との気にもなります。

 さて、今回のブログのテーマは成年後見制度についてです。

厚生労働委員会とも関係するテーマですが、現在、事務局長を務めている党の司法制度調査会でも議論しているテーマの一つです。

 成年後見制度は2000年に介護保険制度と共にスタートしました。認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力が不十分な方々は、自分自身で財産を管理したり、契約を結んだりすることが難しい場合があります。よく分からずに自らに不利益な契約を結んでしまったり、悪徳商法などの被害に遭ったりすることもある中で、成年後見人(判断能力の程度など本人の事情に応じて、「後見人」の他にも「保佐人」「補助人」があります)が本人の利益を考えながら、本人の代理人として契約行為などを行うことによって本人を保護・支援する制度です。

 まだ当初の想定ほどには利用が進んでおりませんが、今後、認知症の方々が増えていくことが予想される中で、成年後見制度の利用者数は右肩上がりに増えていくことが予想されています。制度ができてからもうすぐ20年が経過しようとする中で、課題も現れつつあります。

例えば、後見人自身が不正を働くケースも生じています。また、後見人等には被後見人の財産管理のみならず、日々の暮らしを守る身上保護の役割も期待されていますが、財産管理に重きが置かれ過ぎているケースも見られます。

 そこで、現在私が問題意識として持っていることは、後見人等をしっかり監督する役割が本当に機能しているのか、という点です。原則、後見人の選任、監督、解任を担当するのは裁判所です。しかし、選任と解任はともかく、後見人の監督となると、どうしても裁判所のマンパワーが足りない現状があります。

だとすれば、この重要な監督機能を他の組織に任せることも検討すべきだと考えます。

私は、その一つの候補は法務局だと考えています。

法務局には準司法機能がありますし、また、自治体が保有する個人情報についても法務局であれば共有しやすいと思います。

 所有者不明土地に関する法改正なども予定されている中で、法務局自身が担う役割もこれから増えてくるかと思います。成年後見という、これからますます顕在化してくる社会のニーズに現実的に応えられる対応をどのように作っていくのか、責任をもって考えてまいります。

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