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2018年10月15日

「新たな外国人材の受け入れに関する在留資格『特定技能』創設」について

 今月12日、法務省が、新たな外国人材の受入れに関する在留資格創設に関する基本方針案の骨子と、「出入国管理及び難民認定法」と「法務省設置法」の改正案の骨子を公表しました。

 

 (参考)法務省の資料は下記にあります。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/gaikokujinzai/kaigi/dai2/siryou1.pdf

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/gaikokujinzai/kaigi/dai2/siryou2.pdf

 

  これらの資料によると、「一定の専門性・技能を有する外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを構築していく必要がある。」とされ、「熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格『特定技能2号』を新設する」とされています。また、この「特定技能2号」は「特定技能1号」と異なり、「家族の帯同を基本的に認めない」とはされておりませんし、在留期間の上限が明記されておりません。報道によれば、在留期間はまずは5年で、期間経過後は更新制とし、回数には制限を設けないとされています。

 

  私は、現時点で、今回の「新たな外国人材の受け入れに関する在留資格『特定技能』の創設」については、慎重に考える必要があると考えます。

 

  そもそも、こうした案が出てきた背景には、中小・小規模事業者をはじめとした人手不足が深刻化している現実があります。私自身も、地元において人手が足りないという話はよく伺いますし、実際に外国人労働力に頼る現場にも足を運ばせていただく中で、成功している事例も拝見しました。

 

  しかし、今回の政府案の「特定技能2号」は、従来の外国人材受入れ政策とは次元の異なるものです。また、「真に受入れが必要と認められる人手不足の分野」とか「一定の専門性・技能を有する外国人材」という定義も曖昧で、なし崩し的に解釈される可能性もあります。いわゆる「移民政策」にあたるか否かは、その定義によるとしても、この国のカタチを根本から変えかねない話です。

 

  まず、留意しなければならないことは、外国人材への門戸を広げることは容易ですが、「特定技能2号」のような方に一旦入国を認めてしまうと、我が国の都合で帰国を求めることは現実的に難しくなるということです。

 

政府は、人手不足などを理由に、受け入れる分野としては、「生産性の向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお、当該分野の存続のために外国人材が必要とされる分野」と位置付けています。

 

 しかし、東京五輪後の景況予測はもとより、今後の技術革新をも勘案した人材の需給バランスを緻密に検討することなくして、安易に受け入れ拡大に走るとすれば、あまりに拙速と言わざるをえません。仮に、将来、労働力が余るような状況になった場合、一度受け入れた外国人材と日本人とが職を奪い合う可能性も排除できません。

 

  また、受け入れる外国人への報酬額は日本人と同等以上であることを確保するとありますが、その実効性がしっかりと担保されるのか疑問です。実際に、これまでにも外国人技能実習制度で入国した外国人が、処遇の悪さ等の理由によると聞いていますが、失踪者数が年々増え、2017年には7000人を超えている状況です。

 

  今、政府がなすべきことは、人材不足にある分野で働く日本人の方々の処遇を改善し、希望と安心を持って働ける環境を作っていくことであるはずです。そこをなくして、外国人労働者に頼るとすれば、これまで政府が目指してきた日本人の賃金上昇にはかえってマイナスに働くと考えます。

 

加えて、社会保障の観点からも十分な検討がなされるべきです。特定技能2号の場合は家族帯同も認めることになりますが、「家族」の範囲をどこまでにするのか、、その年齢構成はどのように見込まれるのか、そして、彼らの年金、医療、介護といった社会保障のコストは中長期的にどう見込まれるのか。こうした検討なくして急いで外国人材の受け入れを拡大しようとすれば、将来に禍根を残すことになりかねません。

 

  OECD加盟35カ国の最新の外国人移住者統計で日本は39万人で、ドイツ、米国、英国に次いで既に第4位であること、移民受入れに寛容であった欧州の多くの国、特にドイツが移民政策の転換を図り始めていることなどに鑑みて、我が国の外国人労働者受入れの是非については、中長期的な観点から腰を据えて検討していく姿勢がまずは求められると私は考えます。

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2018年08月27日

台湾出張

先週は、自民党青年局の海外研修として4泊5日で台湾を訪問してきました。

 

台湾は、民主主義、自由、人権、そして法の支配といった基本的価値を共有できる日本にとって古くからの友人であり、加えて、経済・安全保障の両面において、戦略的に重要なパートナーです。その日台関係を政治レベルで伝統的に担ってきたのが自民党青年局です。

 

私自身は、この青年局において、日台関係などを担当する国際部長という立場において、この度、青年局所属の約70名の国会・地方議員等と共に訪台してきました。

 

台北、台中においては、蔡英文総統、頼清徳行政院長はじめ、立法・行政の要人との面会。

 

花蓮においては、今年2月に生じた大地震による被災現場の視察を含め、地元の立法委員(日本の国会議員に相当)を含む関係者との意見交換。中国の厦門と目と鼻の先にある金門島では、まさに訪問した8月23日が60周年に当たったわけですが、当時の中国人民解放軍との戦いの歴史などを学んでまいりました。

 

特に、台北における要人との面会においては、日台関係の更なる発展の観点から未来志向の意見交換を中心にしつつも、足元で懸念されている諸事項にも当方からは言及しました。

 

中でも、最近、台南市において慰安婦像が設置された動きと、東日本大震災以来、台湾が続けている被災地(地元の千葉県を含む)の農産品に対する輸入規制については様々な角度から議論がなされました。

 

相手のある話なので、詳細は控えますが、私からは蔡英文総統に対し、

・先般、訪台した際に、唐鳳デジタル担当大臣から伺った台湾のイノベーション政策やデジタル政府への取組について、非常に意欲的かつ先進的であるとの印象を受けたこと

 

・それほど先進的な取組をしていながら、安全な農産品の輸入規制をいまだに続けていることは理解に苦しむことであり、科学的な見地に基づく判断を強く希望すること

 

・この問題の解決は、台湾が関心を表明しているTPP参加を含め、日台の経済関係全般を推進していく観点からも重要であること

 

・今年11月の(台湾における)統一地方選挙を前に、この規制に関する住民投票を行おうとする政治的な動きが一部野党の中に見られるので、日台関係の更なる強化のために総統の強力なリーダーシップを期待すること

 

などを直接お伝えしました。

 

なお、余談ながら、蔡英文総統には、私の地元習志野市に所在する阿武松部屋の甚平、幕内力の阿武咲関の反物とサイン入り手形を贈答させて頂きました。

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特に、日台ともに、安全保障上の脅威が近年増してきている中で、地域の平和と繁栄を実現するために、連携を強化していかねばなりません。日台関係の強化は、突き詰めれば、人と人との交流によって生まれると考えますので、私自身、微力ではありますが、これからも台湾との絆を育むべく、しっかりと活動してまいります。

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2018年07月15日

児童虐待に関連して ~子どもの視点に立った「司法面接」の導入を目指して~

昨今、心が痛む児童虐待事案に触れる機会が多いです。身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクト(放置)。しかし、それも氷山の一角。我が国では、児童相談所(児相)で対応した児童虐待相談対応件数は122,578件と過去最多を記録。うち検挙件数は1,081件となっています(平成28年度)。行政による対応が不十分、あるいはそもそも把握されていない案件(暗数)が少なからず存在すると考えられます。こうした中で、児相の体制強化や他機関との連携強化は喫緊の課題です。加えて、こうした一次被害に加え、「二次被害」が深刻な問題となっています。

 

特に、親などから性的虐待の被害にあった子どもが、児相に、警察に、そして検察に同じことを根掘り葉掘り聞かれます。忌まわしい被害を再体験することになり、調査・捜査の過程で耐え難い二次被害を受けることになります。しかも、捜査機関による聴取では、立件するための証拠となるよう、子どもは様々なことが聞かれますが、質問のやり方を相当丁寧にしないと子どもは誘導や暗示にかかり易いため、記憶の混濁も起こります。

 

児相、警察、検察などの関係機関の連携は、以前と比べると改善されました。しかし、一般論として、児相よりも捜査機関の力が強いせいもあり、どうしても「捜査」の視点が優先されがちで、「子どもの福祉」の視点が置き去りになることが多いとされています。警察にとっては、事案を立件すれば終わりであったとしても、虐待を受けた子どもは、事案の立件後も長く続く人生の中で、苦しみと戦い続けるわけです。

 

こうした点を踏まえると、我が国における関係機関の連携は、情報共有を含め、米国などと比べるとまだまだ不十分と言わざるを得ません。

そこで私が注目しているのは、既に米国で制度として確立している「司法面接」と呼ばれるものです。

これは、①関係機関が連携して子どもへの面接を実施することで聴取回数を可能な限り少なくすること、②子どもにやさしい環境下で、子どもの発達段階に応じた誘導のない聴取を行うことで法的論争に耐え得る事実を聴取すること目的とした制度です。面接する場所も、殺風景な部屋ではなく、色調や家具など、子どもに優しい施設で行います。また、面接する人間も、特別に訓練を受けた人が行います。

 

先般、私が事務局長を務める自民党司法制度調査会でもこの点を取り上げ、提言を作成し、菅官房長官、上川法務大臣、加藤厚生労働大臣、小此木国家公安委員長に問題提起と然るべき対応を要望してまいりました。

 

現行制度を所与のものとして連携強化を図る関係省庁との間には、まだ隔たりはありますが、例えば、現在、各都道府県に整備されつつある、性犯罪被害に関するワンストップ支援センターに付属する形で「子どもの権利擁護センター」を設置し、司法面接を推進していくのも一つのアイデアだと思います。

いずれにしても、真に「子ども目線」での取り組みを進めていくのは政治の責任です。

一つひとつ政策を実現すべく、汗をかいてまいります。

 「小林鷹之からの手紙 41号」も合わせてご覧下さい。https://bit.ly/2II0LYU

 

  • 自民党司法制度調査会の提言「誰一人取り残されない日本を目指して」は下記URLからご覧いただけます。

概要: https://bit.ly/2Ngpd6u

全文: https://bit.ly/2NRs0UT

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2018年07月13日

「平成30年7月豪雨」について

この度の災害において、お亡くなりになられた方に心からお悔やみを申し上げますとともに、被害に遭われた方に心からお見舞い申し上げます。

安倍総理が岡山県、愛媛県を訪問する中で、昨日、自民党の二階幹事長と共に日帰りで高知県に伺ってまいりました。現地での対応を妨げないように細心の配慮をしながら伺ったのは申し上げるまでもありませんが、速やかに現地のご要望を形にしていくことは政治の責任でもあります。

様々な被害が発生している中で、高知県にとって物流の大動脈である高知自動車道(高速道路)の立川橋が、土砂災害によって60メートル以上にわたり崩落している現場に赴きました。この大事故で人命が失われなかったことは不幸中の幸いです。

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また、上り線の橋が崩落しましたが、下り線の橋に大きなダメージがなかったことも奇跡的でした。NEXCOや地元の建設会社等、関係者の皆様方のご尽力で、下り線を対面通行にする形で本日午前中に通行禁止を解除されたことに敬意を表します。

こうした事故に限らず、財務省時代に一緒に仕事をさせて頂いたこともある尾崎知事などからは、次の大型台風への対処の必要性、県道・林道などが傷ついた結果としての孤立集落の存在、町村への危機管理監の配置など、様々な課題を伺う中で、二階幹事長からは、国として被災地に寄り添い、早期の復旧・復興に向けて国が全力を尽くすとの言葉がありました。

 

一方で、あれだけの豪雨に見舞われながらも、国土強靭化の先進県である高知県だからこそ失われずに済んだ命も少なからずあったのではないかと感じます。ダムの放流方法に関するノウハウの蓄積や、一時間当たり77ミリまで対応できる雨水管の配備等、備えがあったからこそ、いかなる効果があったのかという点についてもしっかりと検証をしていくことが今後の国のレジリエンス(強靭性)につながると思います。

 

命や暮らしを守るために力を尽くすこと。

肝に銘じて行動してまいります。

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2018年06月29日

今後の水道のあり方について

昨晩のポーランド戦。

試合は負けましたが、グループステージを見事勝ち抜いたということで、結果を出したサムライブルーの選手の皆さんに心から拍手を送ります。

 

さて、本日から衆議院厚生労働委員会にて水道法改正について実質的な審議がスタートしました。今回、私は質疑に立つ予定はありませんが、非常に重要な法案であると認識すると共に、今後の課題も感じておりますので、簡潔に記します。 先般の大阪北部を震源とする地震においても、老朽化した水道管が損壊し、断水状態が続きました。水道は、文字通り「ライフライン(生命線)」です。水道は昭和30年代に主に整備をされております。大阪のみならず、全国的に見ても耐用年数を過ぎた管路が増えてきています。今後、首都直下や南海トラフを含め、大きな地震が起こることが予想されていることに加え、人口減少が進む中で料金収入が減ることも予想されます。

 

こうした中で、特に規模の大きくない自治体においては、多くが赤字経営となっており、インフラの持続可能性をいかにして確保していくかということは非常に重要なポイントです。 この点、今回の改正案では、広域連携が方向性と示されていることは評価できますが、一方で、課題は少なからず存在していると私は感じています。

 

例えば、台帳の整備。いまだに紙ベースで管理されていたり、そもそも台帳に載っていない不明配管も数多く存在することが指摘されています。今後、ビッグデータ等を使った管理も追求していかねばならない中で、質の高い台帳整備は急務です。

 

そして、水道料金。現在、多くの自治体では赤字経営となっています。一般会計から繰り入れを行っているので、見かけ上はトントンとなっているかもしれませんが、人口減少の下、今後、どの自治体であっても、事業運営がさらに厳しくなることが予想される中で、早晩、料金の引き上げの決断を迫られる局面が来ると思います。 水道料金の引き上げは自治体の首長にとっては政治的に容易なことではないことから、従来、多くの自治体において料金の引き上げというものはなかなかなされてきておりません。したがって、今後、仮に料金引き上げを行っていく場合には、多くの利用者への説明責任を果たし、理解を得ることが不可欠です。しかし、人口3万人以下の小さな自治体においては、複式簿記を用いた、いわゆる「公営企業会計」を導入している割合は約25%。これでは事業運営の実態が分かりにくい。総務省にはこの点、頑張っていただかねばなりません。

 

また、改正案のもう一つのポイントは、公有民営、いわゆるコンセッションを選択肢として設けることです。民間の知見を活用して、効率的な事業経営を可能にしていこうということで、この方向性は評価できますが、民間事業者としても水道事業に参画していくためには、更なる工夫が必要だと私は思います。

例えば、既に事例が増えつつある、空港のコンセッションであれば、ターミナルビルのテナント収入等で利益を生むことが可能です。したがって、私は、浄水場等の施設内の余った土地の利活用を認めていくべきだと思います。この点、自民党の会議などの場で厚生労働省に提言すると、「今後検討してみます」との声が返ってきますが、制度だけ作っても使われなければ全く意味がありませんから、政府にはより積極的な対応を求めます。

 

更に、水道は、ライフラインでありますから、安全保障の観点からの検討を十分に行うべきです。既に、水メジャーとされる仏企業のヴェオリア社などが日本のマーケットに参入してきています。インターネットとモノがつながる、いわゆる「IoT」が進む中で、日本の水道管理をフランス国内にいながら行える時代です。ヴェオリア社がどうこうという話ではありませんが、ライフラインを外国企業に委ねることのリスクについて深い理解が求められることは言うまでもありません。

 

最後に、政府のインフラ輸出戦略においても、水道システムの海外展開が盛り込まれていますが、政府における体制強化を行うことなしに、海外展開を声高に唱えても絵に描いた餅で終わります。以前も、ブログに記しましたが、水道というインフラシステムを本気で海外に輸出していくにあたっては、現在の厚生労働省を始めとする関係者の体制では現実的には厳しいと思います。本当の意味でオールジャパンとして売り込んでいく体制を作れるかが大きな課題であると認識しています。

 

本件に限らず、法律改正をすれば、すべての課題が一気に解決されるものではありません。大切なのは、時間をかけてでも、一つひとつ課題を着実に解決していくことですので、今後も政策立案に地道に関与していくつもりです。

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2018年06月12日

イノベーション政策の司令塔機能強化

「GAFA」

この言葉をご存知の方は多いはずです。

グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの頭文字をとって、「ガーファ」と呼ばれています。

これまでのビジネスのあり方を大きく変える企業、いわゆるプラットフォーマーは米国から生まれることが多いですが、アリババやテンセントといった中国企業をはじめ、各国がイノベーションを起こすべくしのぎを削っています。

 

その中で、我が国の世界におけるイノベーション力が相対的に低下してきているのは以前のブログで述べたとおりです。こうした問題意識の下、自民党の知的財産戦略調査会(甘利明本部長)の下で、イノベーションのエコシステムを築き上げるために、提言を出したところです。

https://bit.ly/2JMiyTd

 一方、イノベーションを喚起していくためには、政策の中身に加えて、その政策を実行していくための強力な体制が必要ですが、現在の政府におけるイノベーション推進体制には少なからず課題が存在します。

例えば、イノベーション政策を実施する部局が林立している点です。

総合科学技術イノベーション会議(通称CSTI)、未来投資会議、健康・医療戦略推進本部、IT戦略本部、知的財産戦略本部等々。こうした中で、扱うテーマが重複し、また、裏返して言えば、組織間の連携が十分に図られていないという指摘があります。

   また、こうした本部の会議は、総理が本部長になっているため、多忙を極める総理が過度に拘束されかねないという課題があります。

加えて、こうした本部は内閣官房などに置かれることが多く、本来、機動的な役割を果たすことが求められる内閣官房に余裕がない状況が生じています。

 こうした問題意識の下に、昨年末に自民党の行政改革推進本部(甘利明本部長)の下に「総合科学技術・研究開発WG」が設置され、その事務局長としてこれまで提言の作成にあたってまいりました。

https://bit.ly/2MrLmiH

 提言の概要は、国家の重要戦略を「経済」及び「安全保障」と位置付け、双方を支えるのが「イノベーション」と整理した上で、イノベーションに関係する本部を整理し、必要に応じ、段階的に機能等を統合していくことを通じ、イノベーションを強力に推進していく体制を構築するというものです。

  • なお、ここで言う「イノベーション」とは、単なる技術開発(狭義のイノベーション)ではなく、研究開発力強化法に定義されているとおり「新たな価値を生み出し、経済社会の大きな変化を創出すること」(広義のイノベーション)として捉えています。

 理想としては、経済政策を推進するための「経済財政諮問会議」。安全保障政策を推進するための「国家安全保障会議(NSC)」。そして、イノベーション政策を推進するための会議ということで整理できれば、国家戦略を推進する上で非常に強力な体制となると思いますが、組織の変革を検討する時は、とにかく丁寧に進めていくことが求められるのも事実です。 

安倍総理への提言手交の様子

https://bit.ly/2JFHwjU

 こうした行政改革は、各省庁にとっては不人気です。

であるが故に、政治も覚悟を決めて断行しなければなりません。

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2018年06月1日

インフラシステムの輸出について

この季節は、自民党内の各種政策部会での提言のとりまとめが続きます。

私も様々な会議の事務局として、政策提言のとりまとめや、党幹部への説明などで物理的に走りまわる日々が続いています。

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これから随時、結果を報告していきたいと思いますが、今日はそのうちの一つを記します。

現在、党の経協インフラ総合戦略調査特別委員会(二階俊博委員長)の事務局長を務めております。この特別委員会で、この度、インフラ「システム」の輸出に関する提言をとりまとめ、党の政調審議会で了承いただき、来週、総理に説明する予定となっています。

 

そもそも「インフラ」の輸出については、平成25年の日本再興戦略において成長戦略の柱の一つに位置付けられました。日本企業のインフラ受注実績を2010年の約10兆円から2020年に約30兆円に拡大するという目標を掲げています。

 

ここで重要なことは、これまでのように橋を作る、空港を作る、こうした個別のモノを作ることに加え、システムとしての輸出を加速することです。

より具体的に言えば、案件を形成するところ(いわゆる川上)から建築、その後の運営や維持管理(いわゆる川下)に至るまで一気通貫でシステムとして海外に展開するということです。例えば、鉄道の車両だけを売るというのではなくて、レールも売り、メンテナンスも行い、そして正確な運行システムなどもパッケージで行うイメージです。

 

また、ハードのインフラだけではなく、例えば、人材育成や法制度整備支援など、日本が得意とするソフト面でのインフラ輸出も積極的に行っていかねばなりません。例えば、日本が広範な知見やノウハウを有する防災分野でのシステム・法制度・防災教育、既にモンゴルやタイが導入している高等専門学校(KOSENという言葉が普及しつつあります)の教育システム、母子健康手帳、あるいは、今後各国において高齢化の進行が見込まれる中で我が国の地域医療システムなど、我が国が世界に貢献し、また、結果として、日本の国益に資する分野は枚挙にいとまがありません。

 

こうした動きを加速していくにあたっては、官民の連携が必要不可欠です。

私が外交官として米国で勤務していた時(政権交代前後)と比べると、官民連携が推進しており、隔世の感がありますが、まだまだ改善の余地はあります。

また、「オールジャパンで」とよく言われますが、省庁全体を見た時に、インフラ及びインフラシステムの海外展開のための体制が整っている国土交通省、経済産業省、総務省のような省庁と、案件はあるけれども体制の強化が求められる省庁(例えば厚生労働省や環境省など)とに分かれている状況です。本当の意味でオールジャパン体制でインフラシステム輸出を強力に推進していくのであれば、政府の体制についてもしっかりと見直す必要性を強く感じます。

 

最後に、こうした海外展開は、我が国の経済成長につながれば良いというものではありません。より高次の視点に立った上で、特に我が国の外交・安全保障戦略である「自由で開かれたインド太平洋戦略」に沿う形で進めていくことが求められます。

 

しっかりと提言した以上は、実行されなければ意味がありません。

今後の政府の動きを与党として注視すると共に、議員外交はじめ、政治家の立場でできることを一つ一つ進めてまいります。

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2018年05月23日

成田国際空港の開港40周年にあたって

成田国際空港が今週、開港40周年を迎えました。

 

 

私の場合、物心着いた時には、既に空港の運用は開始されていて、人生初の成田国際空港の利用は、幼少時に一年ほど在住したシンガポールに向かう時だったと思います。 その頃は、開港に至るまでの「歴史」やそこに関わられた多くの方々の思い、ご苦労、ご尽力については知りませんでしたが、千葉県で生まれ育った者としては、闘争の歴史を忘れてはならないと思いますし、そのことを踏まえた上で、今後の成田国際空港の更なる発展を目指していかねばなりません。

 

現在の成田国際空港は、既に多くの国内外の都市とのネットワークを持ち、年間発着回数や空港利用客数も増加傾向にあります。まさに日本の玄関口と言って良いかと思いますが、一方で、韓国のインチョン、シンガポールのチャンギ等アジアの主要国際空港間で激化する国際競争の中で、成田国際空港の相対的な位置づけは低下してきているのが現実です。やはり、内陸空港であるが故、騒音問題や落下物問題等による制約が少なからず影響していると思います。

 

こうした中で、私は、千葉県選出の議員というよりも、日本の国会議員として、我が国産業の国際競争力を強化し、更なる経済成長を実現する観点からも成田国際空港の機能を強化し、ヒトやモノの国内外への流動性を高める必要を強く感じています。その際、観光・物流機能の強化を含め、成田国際空港と有機的に結合する産業基盤やネットワークを整備していくことも重要です。

 

成田国際空港は、国(国交省航空局)、千葉県、周辺市町と共に「四者協議会」のメンバーとして空港機能の強化、すなわち、第三滑走路の建設や夜間飛行制限時間の緩和などについて議論を続けてきた結果、先般合意に至ったところです。振り返れば、そもそも、この四者協議会による本格的な議論は、「自由民主党 成田国際空港推進議員連盟(会長:二階俊博衆議院議員)」による強力なプッシュがなければ、正直スタートできなかったと思います。私も事務局を拝命しておりますが、政治の力を肌で感じた案件でもあります。

 

空港機能の強化については、第三滑走路の建設が注目を集めやすいところではありますが、私は夜間飛行制限時間を緩和することの方が当面は重要だと考えています。これには地元住民の方々のご理解が必要であることは言うまでもありませんが、アジアの主要国際空港が24時間365日の運営をしている中で、成田が飛行制限時間を緩和することができなければ、いずれ普通の「国際」空港ではなく、一地方空港になってしまうと危惧しています。

 

いずれにしても、私は国益の観点から、成田国際空港の潜在能力を最大限発揮できるような環境を整備していくことにこれからも尽力してまいります。そのためにも、千葉県だけで「閉じた」構想を練るのではなく、圏央道等でアクセスが容易になっている周辺の都県との連携を前提とした「開かれた」構想が求められます(自民党成田国際空港推進議員連盟の決議では「成田ゲートウェイ構想」と明記しました)。何より、羽田空港との関係を「競争関係」ではなく、「共創関係」として捉え、お互いの強みをそれぞれ活かしながら、アジアに冠たる巨大空港都市圏を作っていくべきだと考えています。

 

成田国際空港が日本のみならずアジアの玄関口としての地位を確立すべく、微力ながらも力を尽くしてまいります。

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2018年05月8日

エネルギー基本計画の改定について

本日、自民党本部において、エネルギー基本計画の改定に関する議論が始まりました。2030年、そしてその後の2050年に向けて、我が国のエネルギー政策の方向性、ベストミックスをどう実現していくかという議論です。私自身の基本的な考え方を下記に簡潔に記します。

 

「エネルギー安全保障」という言葉が示す通り、エネルギー政策は安全保障そのものです。資源保有量、近隣諸国との連携可能性、地政学的リスクなどにおいて、我が国の置かれている状況は欧米とは自ずと異なります。したがって、脱化石燃料のような欧州を中心とする「世界の」潮流に留意することは必要であるにしても、必ずしもすべてを合わせる必要はありません。飽くまで、エネルギー政策は、我が国の国益の観点から主体的に考えるべきものです。

 

私は、エネルギー安全保障を考えるにあたって、最も重要なことは安定供給だと考えています。その意味において、石炭火力については、原料の輸入先が世界的に分散し、また、産出国における地政学的リスクが比較的小さいということ、そして、高効率の石炭火力については我が国が世界トップレベルの技術を誇ることに鑑みれば、たとえ、欧州等の潮流に合わないとの批判を受けたとしても、今後とも国として力を入れていくべきだと考えます。

 

洋上風力や地熱といった再生可能エネルギーを強力に推進していくことについては私も賛成ですが、そうだとしても、蓄電池の技術が完成するまでは、出力の変動幅の大きい再エネにとって調整電源としての石炭火力の必要性は大きいですし、地球温暖化の観点からも、今後も火力発電に頼らざるを得ないであろう途上国において、日本の高い技術を導入していくことは十分に正当化されることと考えます。

 

また、原子力発電については、政府案では、今後、可能な限り依存度を低減していくべきとされていますが、私は原子力発電についてはもう少しポジティブに捉えるべきではないかと考えています。勿論、原子力発電については安全性の確保が最重要であることは言うまでもありませんが、エネルギー安全保障の観点からは、まずは再稼働(特にプルサーマル)を可能な限り速やかに行っていくことが必要です。リプレース・新増設についてもそろそろ検討を開始すべき時だと思います。また、我が国を取り巻く安全保障環境がますます厳しくなっていくであろうことに鑑みれば、我が国が原子力の技術を手放すことは選択肢としてあり得ないものと私は考えています。

 

これから議論が本格化していくと思いますが、自民党内には多様な意見があります。異なる意見にも耳を傾けつつ、責任を持って関与してまいります。

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2018年05月3日

憲法記念日にあたり

「憲法記念日にあたり」

 

 昨年の5月3日の安倍自民党総裁の発言を契機に、この一年間、自民党内で憲法改正に向けた議論は加速してまいりました。

 

 そもそも憲法とは、その国の本質やあるべき姿が描かれるものです。それと同時に、現在の日本国憲法は第98条に規定されている通り、我が国の最高法規です。法規、すなわちルールである以上、「生き物」です。国の内外の情勢が大きく変化したとすれば、それに応じて変わるのも当然です。

 

憲法制定時の70年前と比べれば、私たちの生活水準も、産業構造も、人口動態も大きく変わりました。国を取り巻く環境も、冷戦が終わり、中国を始めとする新興国の台頭、テロの脅威、地球温暖化など、大きく変化しました。

 

 こうした背景の下で、現行憲法の規定の中には時代の要請に合わないものが少なからず見られます。

私たちに現行憲法を一度も変えた経験が無い中で、自民党としては下記の4点の改正項目に絞って精力的に議論してまいりました。

 

・自衛隊の明記

・緊急事態条項

・教育の充実

・参議院の合区(ごうく)の解消

 

 自衛隊の明記について。

 今回、憲法9条については一切手を加えようとするつもりはありませんが、我が国においては憲法上、また、法律上、大きな制約がありながらも、25万人の自衛隊の隊員の皆さんが24時間365日、私たち国民の目となり、耳となり、国防の任にあたってくれています。

国民の9割以上が自衛隊を評価しながらも、憲法学者の多くがいまだに自衛隊違憲論を唱え、

また、公立の小中学校で使用される教科書の大半に、自衛隊違憲論もある旨が記載されているという現実。

その中で、自衛隊の皆さんは、大規模災害、有事、あるいはそれらの複合事態の際には、真っ先に現場に駆けつけ、国民を守り、国を守ってくれる。

 

 そして、自衛隊に命令を下すのは、最高指揮官である内閣総理大臣。その時々の総理は、自衛隊違憲論がある中で、国民と国を守るために彼らに現場での対応を命じなければならない現実。

こうした状況を看過することが許されるのか。国民の負託を受けた国会議員の一人として私にはどうしてもそうは思えません。

自衛隊員を支えているのは、彼らの誇りであり矜持です。自衛官のお子さん達も、お父さん、お母さんの背中を誇りを持って見て、育って欲しいと思います。そのためにも、自衛隊の明記をすべきと考えます。

 

 緊急事態条項についても、大規模な自然災害が生じたり、武力攻撃を受けたとしても、その時点で衆議院が解散されていた場合には、衆議院議員が誰一人としていない事態となり、その状況下でも選挙を行わなければなりません。こういう事態を想定した規定がそもそも存在しないのです。

 近年、地震や火山の噴火などの自然災害が増えている上に、我が国を取り巻く安全保障環境も急激に変化する中で、国会議員の任期等の特例を設ける事により、緊急事態においても立法府が機能できるようにするべきと思います。

 

 

 憲法改正を考える上で、最も基本的かつ重要なことは、改正するもしないも、決めるのは国会議員ではなく、国民の皆さまであるという点です。

私たち国会議員にできることは、自民党だけでなく他党ともしっかり議論し、発議(=提案)することまで。最後は国民投票なのです。幅広い合意形成と国民の皆様のご理解が必要なのです。

 

だからこそ私は地元の国政報告会で、必ず憲法改正について触れるようにしています。憲法について、みんなでもっと考えたいし、これからも考え、議論することによって、憲法をより身近に感じるきっかけを作っていくつもりです。

 

国会が1日も早く正常化して憲法改正について本格的な議論が始まることを期待しますし、私自身、国民の負託を受けた国会議員の一人として、特に衆議院の憲法審査会の委員として、憲法改正の発議ができるよう努力してまいります

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2018年04月28日

南北首脳会談についての所感

南北首脳会談についての所感~追い詰められているのは北朝鮮。引き続き毅然とした外交を~

韓国と北朝鮮の両首脳が会談し、板門店宣言が発出されました。

この宣言を見る限り、現時点で特段評価すべきことはないように思います。より正確に申し上げれば、米朝首脳会談までその評価は保留せざるを得ませんが、今回の会談についての私の私見を以下に述べます。

 今回の一連の流れの中でメインプレイヤーは北朝鮮と米国ですから、南北の首脳会談にはそもそも過剰な期待はしていませんでしたが、拉致問題に加え、非核化に向けた具体的な言及が全くなかったということは留意すべきことです。

 また、南と北は完全な非核化を通じて、核のない朝鮮半島を実現することを共同の目標とするとのことですが、そもそも北朝鮮の考える「非核化」「核のない朝鮮半島」とはどういうことなのか。在韓米軍や韓国軍には核兵器はないという理解ではありますが、仮に北朝鮮が在韓米軍の撤退と意味しているとすれば、我々の考える「非核化」とは大きなギャップがあることになります。

 そして、休戦協定締結65周年となる今年に終戦を宣言し、休戦協定を平和協定に転換し…ということですが、「非核化」について具体的は言及がない段階で、融和的な姿勢を前面に打ち出し、こうしたカードを早々と切ってしまう韓国政府の姿勢に、私は大きな違和感を覚えてなりません。

 最後に、メディアや識者の論調の中には、今回の首脳会談の結果を見て、「日本は置き去りにされるのではないか」とか「蚊帳の外に置かれているのではないか」との懸念も散見されますが、私はこうした見方は的を得ていないと考えます。

 確かに、今回の板門店宣言にも、「南・北・米の3者」か「南・北・米・中の4者」の会談を積極的に開催していく旨記載されています。

しかし、これまで北朝鮮に対する制裁(圧力)を主導してきたのはどこの国なのか?

まぎれもない、我が国です。

トランプ政権を動かした直接のきっかけは度重なる北朝鮮のミサイル実験・核開発かもしれませんが、ここまで同政権を引っ張ってこられたのは、強固な日米同盟の存在に加え、安倍政権の強力な働きかけ、そして、日米の首脳同士の信頼関係があったからこそだと私は考えます。

北朝鮮の立場に立った時に、一番脅威に感じるのは、勿論米国でしょう。

しかし、次に「やっかいな」存在は明らかに日本です。

中露はもとより、韓国の現政権も北朝鮮側にうまく誘導されている現状の下で、日米の首脳間・政府間の強固な信頼関係は我が国にとっては大きな財産であり、北朝鮮にとっては脅威なのです。

だからこそ、北朝鮮は何よりも日本こそを枠組みの中から除外したいと考えているはずです。

我が国にはそれだけの存在感があるということを的確に認識した上で、これまでの路線、すなわち、北朝鮮が非核化に向けた具体的な行動をとるまでは最大限の圧力をかけ続けるという方針を今後も自信を持って堅持すべきです。

追い詰められているのは日本ではありません。北朝鮮です。

 国家の平和と国民の命を守り抜くのが政治の最低限の責務です。

このことを肝に銘じ、与党の一員として政府の外交を支えてまいります。

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2018年04月26日

「小林鷹之君と明日の日本を語る会」in 東京

4月24日に都内で「小林鷹之君と明日の日本を語る会」を開催させて頂きました。お礼の挨拶を秘書がメモに起こしてくれました。私の問題意識の一端をお話させて頂きましたので、下記をご覧いただければ幸いです。

  本日は、お忙しい中、多くの皆様方にご参加いただき、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

 二階幹事長はじめ、多くの先輩・同僚議員にも助けていただきながら、また、本日はあえて地元の方々にはお声がけしてませんが、こうして選挙区外の多くの皆様にも支えていただいているお蔭で、国会活動の幅も、少しずつではありますが、広がってきたように感じます。

 昨年の夏に防衛政務官を終えまして、現在、党内では、経済産業関係を中心に各種事務局や青年局国際部長などの立場で汗をかかせて頂いています。それぞれの仕事を通じて、私が国会議員として常に意識していることは、国際社会で日本の存在感を更に高めたいという気持ちです。

  そのためには「強い外交力」が必要です。

私は、強い外交力というのは、主に「国防力」と「経済力」から生まれると思います。

  まず「国防」については、皆様ご案内の通り、朝鮮半島情勢が動く兆しが出てまいりました。予断は許されませんが、我が国主導で進めた経済的プレッシャーを含めて、安倍政権の卓越した外交手腕によるところが大きかったのではないかと私は思います。ただし、北朝鮮が言及していない「非核化」に向けた具体的な行動をとらせなければ意味がありません。先月、私も指示を受けて、ワシントンに派遣され、アメリカの連邦議員を中心に日本の考え方を説明してまいりました。概ね認識は共有できたと思いますが、やはりアメリカに多くの部分を頼らざるを得ない中で、北朝鮮との交渉を我が国独自で進めていけないことに忸怩たる思いがあるのも事実です。

 また、私は、8年前のオバマ政権時にワシントンで外交官として勤務していたんですね。今回訪米してみて、トランプ政権とオバマ政権を改めて比較した時に、トランプ政権の方が確かに意思決定のスピードは速いけれども、政策の一貫性や予見可能性という点では少なからず不安があるというのが私の率直な感覚です。

こうしたことを踏まえますと、私は、今後の日本の安全保障を考える上で重要なのは、すべてをアメリカ任せにするのではなく、「自分の国は自分で守る」という強い自負と相応の力を備えることだと思います。言う間でもなく、日米同盟は極めて重要ですし、信頼関係を醸成していく努力を続けることは不可欠です。しかし、一方で「アメリカに守ってもらえば良い」という認識を持ち続ける限り、いつまでたっても我が国の外交上の交渉力には自ずと限界が存在し続けるのではないかと思うんです。だからこそ、防衛予算をしっかりと確保し、自衛隊の存在を憲法に明記し、国家の自立というものを追求すべきだと考えます。

 

 こうした国防力に加えまして、外交力を裏付けるのはやはり「経済力」です。まさに日本が本領を発揮できる分野です。しかし、2010年に、GDPが世界3位に落ちて以降、米中との差は開く一方ですし、世界経済フォーラムによるイノベーションランキングでは日本は常時4位か5位であったのが、最近は8位にまで落ちています。また、世界の大学ランキングでは、200位以内に入ったのは東大と京大の2校のみで、トップの東大ですら2013年に23位であったのが昨年は46位にまで低下しています。

 この状況を打破するためにも、日本が本来得意とする「ものづくり」を進化させて、さらにサービスとの連動や新たな産業を創出することによって、日本がイニシアティブをとっていかなければならないと思います。

日本のイノベーション力を復活させ、世界をリードし、更には日本発の世界標準を作っていくために、国がやるべき事は、イノベーションを起こすための「人づくり」と「環境づくり」だと思います。そのために、現在私も、党の知財戦略調査会や行革推進本部の事務局として、イノベーションのエコシステムを作るための具体的なあり方について日々考える毎日です。昔、豊田佐吉が「研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし」と言いましたが、これは、大学や企業の研究者だけでなく、私たち政治家にも必要なマインドだと思います。

  また、今回のアメリカによる鉄鋼・アルミの関税のように、海外から、強引で筋の通らない要求を突きつけられたとしても、「いやいや、日本製品の質は高いから、他の国は代替不可能ですよ。そんなことしたら、困るのはそちらの企業であり、国民じゃないですか」。そう言って堂々と対峙できる強い経済構造を作ることに貢献していきたいと思っています。

 最後になりますが、社会がものすごいスピードで変化していく中で、未来を見通すことは至難の業です。でも、だからこそ、そうした中においても変わらないものを見分けて、軸のぶれない国家を創っていくことが必要だと思います。

その時々のグローバルスタンダードを否定するわけではありませんが、そこに国の形を無理に合わせていくのではなく、日本にしかない価値、日本が世界に誇れるものは何なのか。

この国の長い豊かな歴史の中にこそ、その本質は存在すると思います。

 本当の意味で、日本を自立した国家にする。

そして、自立しているからこそ可能となる、国際社会との連携を更に深めていく。

このことを意識しながら、研鑽と挑戦を続けてまいりますので、今後ともご指導賜りますことを心からお願いし、お礼の挨拶といたします。

ありがとうございました。

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2018年04月18日

成年後見制度について

本日は、朝8時からは党の安全保障調査会で防衛装備・基盤整備の勉強会、昼は事務局長を務める浄化槽推進議員連盟の総会がありましたが、その他は終日、厚生労働委員会に出席。野党の委員は朝から夕方まで全員欠席(日本維新の会以外)ということで、野党に割り振られている時間(4時間30分)でさえも現れることなく、我々与党の委員は質疑者たちが一切現れない委員会室で、ただ缶詰になっている状況です。生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案の審議で、野党自身も議員立法を提出しているくらいの関心の高い法案の審議なのに、本当に不思議です。

こんな姿を有権者の皆さんが見たらどう思うのだろう?と考えると、非常に複雑な心境ですし、生産性を最も高めなければならないのは国会なのではないか、との気にもなります。

 さて、今回のブログのテーマは成年後見制度についてです。

厚生労働委員会とも関係するテーマですが、現在、事務局長を務めている党の司法制度調査会でも議論しているテーマの一つです。

 成年後見制度は2000年に介護保険制度と共にスタートしました。認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力が不十分な方々は、自分自身で財産を管理したり、契約を結んだりすることが難しい場合があります。よく分からずに自らに不利益な契約を結んでしまったり、悪徳商法などの被害に遭ったりすることもある中で、成年後見人(判断能力の程度など本人の事情に応じて、「後見人」の他にも「保佐人」「補助人」があります)が本人の利益を考えながら、本人の代理人として契約行為などを行うことによって本人を保護・支援する制度です。

 まだ当初の想定ほどには利用が進んでおりませんが、今後、認知症の方々が増えていくことが予想される中で、成年後見制度の利用者数は右肩上がりに増えていくことが予想されています。制度ができてからもうすぐ20年が経過しようとする中で、課題も現れつつあります。

例えば、後見人自身が不正を働くケースも生じています。また、後見人等には被後見人の財産管理のみならず、日々の暮らしを守る身上保護の役割も期待されていますが、財産管理に重きが置かれ過ぎているケースも見られます。

 そこで、現在私が問題意識として持っていることは、後見人等をしっかり監督する役割が本当に機能しているのか、という点です。原則、後見人の選任、監督、解任を担当するのは裁判所です。しかし、選任と解任はともかく、後見人の監督となると、どうしても裁判所のマンパワーが足りない現状があります。

だとすれば、この重要な監督機能を他の組織に任せることも検討すべきだと考えます。

私は、その一つの候補は法務局だと考えています。

法務局には準司法機能がありますし、また、自治体が保有する個人情報についても法務局であれば共有しやすいと思います。

 所有者不明土地に関する法改正なども予定されている中で、法務局自身が担う役割もこれから増えてくるかと思います。成年後見という、これからますます顕在化してくる社会のニーズに現実的に応えられる対応をどのように作っていくのか、責任をもって考えてまいります。

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2018年04月15日

政治家の責務~日米首脳会談に向けて~

「政治家の責務~日米首脳会談に向けて~」

 地元では、一連の政府による不祥事や疑惑への厳しい言葉をいただきます。不祥事や疑惑そのものに対する苦言と共に、厳しい国際情勢に置かれる中で本来期待される役割を国会が果たしていないことへの苦言です。

 これらの苦言に対する反論の余地は乏しいと思いますし、与党の果たすべき役割は何だろうかと考えます。

不祥事や疑惑そのものに関しては、真相及び原因の解明と共に、政治による官僚機構へのガバナンスを効かせていくことが求められているのは当然です。

  しかし一方で、数日後に、安倍総理が我が国のリーダーとしてトランプ大統領と面会します。恐らくは、これまでの日米首脳会談の中で、最も重要かつ厳しい会談になると思います。状況次第では、地域情勢に激変が生じる可能性や、日朝首脳会談の可能性なども排除されません。まさに国家の命運のかかった訪米。

  確実に言えることは、今、国のリーダーとして他国のリーダーと交渉する立場にある人間は安倍総理のみであるということです。私たち政治家を含め、日本国民は安倍総理の交渉に賭けるしかありません。

  野党やメディアに限らず、一連の不祥事等に対して、現政権に言いたいことがある方は大勢いると思います。しかし、与野党問わず、今の状況を考えた時に、単なる政局という視点を超えて、国際社会において我が国が今置かれている状況を踏まえた冷静な対応が求められていると思います。交渉者の交渉力を削ぐような言動は、今はできる限り避けるべきではないでしょうか。それが政治家としての責務だと考えます。

支持率が下がる中で、政権与党の一員という立場でこうしたことを言っても説得力はないかもしれませんが、批判も承知の上で、あえて今の心境を吐露します。

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2018年04月11日

サイバーセキュリティ対策について

 この通常国会で重要法案の一つとなっている生産性向上特別措置法案(通称「生産性革命法案」)の中に、インターネット・オブ・シングス(Internet of things。いわゆるIoT)に関する投資を促進していく項目が盛り込まれています。IoTとはすべての「モノ」をインターネットで繋いでいくということで、自動運転などもその一つの例です。

この大きな流れは逆らいえないものがありますし、日本企業の生産性を高めていく上でも一つのチャンスとして捉えるべきだと思います。

  しかし、先般の衆議院経済産業委員会でも指摘しましたが、IoT投資の肝は、サイバーセキュリティです。安全保障の面でも、これまでの「陸」「海」「空」のドメインに加えて、「宇宙」と並んでこの「サイバー」も重要ドメインとして位置付けられており、サイバーセキュリティに関する社会の関心は急速に高まっています。

 情報やデータの価値も高まる中で、自民党のサイバーセキュリティ本部においても様々な議論がなされています。

  個別の企業がセキュリティを強化しても、サプライチェーンのどこかに「穴」があれば意味がないですから、「全体として」セキュリティ対策を講じていく必要があります。この国会で審議されているIoT投資に関連した投資減税措置の一つの要件として「サイバーセキュリティ対策を講じること」が位置付けられていますが、私は、今後はサイバーセキュリティ投資に「特化した」減税や補助金といった支援措置を講じることによって、セキュリティ対策を国家として更に加速していく必要があると考えます。

 その理由としては、サイバーセキュリティ対策は、一回やれば終わりというものではないからです。悪事を働くハッカーの側は、常に新たな技術やノウハウをもって攻撃レベルを上げてくるわけですから、それに応じて、随時更新し続けなければならないものなのです。

  また、サイバーセキュリティについては、優秀な人材の獲得と育成が不可欠です。中長期的な人材育成については、2020年から小中学校におけるプログラミング教育の必修化が決まりました。このこと自体は評価しますが、「教える側の人材」の確保・育成は急いで対策を講じなければなりません。また、短期的な人材の確保・育成については、「ホワイトハッカー(良いハッカーのこと)」の育成を含め、政府が各種プログラムを講じていますが、そこには悪いハッカーは来るわけありません。我が国には少ないと言われている(ダークサイドの)ハッカーをホワイトハッカーに転向させるためのインセンティブ措置なども検討すべきなのかもしれません。

 

 更には、サイバーセキュリティ対策以前の問題として私が懸念しているのが「バックドア」と呼ばれる問題への対策です。

 能動的な行為であるサイバーアタックとは異なり、IT製品にバックドアと呼ばれる不正なプログラムが組み込まれ、データが知らないうちに盗まれてしまう危険性が指摘されています。報道によれば、現在、アメリカでは、安全保障を理由として特定の国の通信機器を閉め出す規制を検討しているとも言われています。我が国の場合、WTO協定上、特定の国の製品を排除することは困難ではあるのですが、さりとて、日本にとって安全保障上の脅威が高い国のIT製品についての対策は不可欠です。

 政府はバックドアへの認識をしっかりと持って、可及的に速やかに対策を検討し、講ずるべきだということを本日の委員会でも訴えました。

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2018年04月6日

イノベーションエコシステム構築に向けて

久しぶりのブログです。

しばらく遠ざかっていたこのサイトですが、今後はできるだけ更新していきますので、よろしくお願いします。

 先ほど、衆議院の厚生労働委員会が閉会しましたが、今週は国会対応をめぐり与野党間の緊張がやや高まった週でもありました。最近問題として取り上げられている一連の政府の対応を見ていると、やはり何かがおかしいという気がしてなりません。

それぞれの問題について、国民の皆様への説明責任をしっかり果たすことを求めていくのも与党の役割ですが、一方、今月中旬には日米首脳会談が予定されています。

我が国を取り巻く、現下の厳しい国際情勢に鑑みれば、我が国政府のリーダーである安倍総理がしっかりと他国と交渉できる環境を作っていくことが国益にかないます。その意味で、現在の国内の政治情勢は決して楽観できるものではありません。常に国際的な日本の立ち位置をも頭に入れながら、責任ある行動を心掛けてまいります。

 昨秋の総選挙によって3期目になってから、様々な政策課題に取り組んでいます。随時、紹介していきたいと思いますが、その一つはイノベーション政策です。

GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)など、シリコンバレーを抱えるアメリカはもとより、隣の中国においてもアリババやテンセントといった新たな企業が急成長し、世界に大きな変革をもたらし、新たな市場を生み出しています。

こうした中で、日本はイノベーションという点で他国に遅れているとの見方が大勢ですし、将来に対しても悲観的な見方も少なくありません。

しかし、長い歴史を振り返った時に、これだけ多くのイノベーションを起こしてきた島国も珍しいと私は考えています。ポテンシャルはある。そして、アメリカやヨーロッパとは異なる、日本独自の強みや蓄積もある。

それらを活かした日本発のイノベーションが自然発生的に生まれ続ける自律的なエコシステムを作っていくこと。私たちにとって大きな挑戦です。自民党知的財産戦略本部の甘利明本部長の下で、精力的に取り組んでいます。

 そのためにも、シーズ(seeds=種)とニーズ(needs)をマッチングさせるにはどうすれば良いか。大学や国立研究所、そして産業界の意識改革やそのための仕組みも必要でしょう。

そして、そこで生まれた知的資産をマネタイズしていく仕組みはどうあるべきか。更には、我が国企業が国際競争力を持つためのルール形成にも積極的に関与していかねばなりません。

メインプレイヤーは言うまでもなく民間の企業であり個人です。ただ、そのプレイヤーが力は発揮しやすい環境づくりに国が貢献できることもあると思います。

  多くの有識者からのヒアリングや党内での議論を重ねながら、日本のポテンシャルを引き出せるアウトプットを出すべく尽力してまいります。

 それでは、地元の会合へ向かいます。皆さん、1週間、お疲れ様でした。

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2017年05月18日

我が国企業が誇る機微技術の管理のあり方

昨日の参議院本会議で、経済産業省が提出した「外国為替及び外国貿易法(外為法)の一部を改正する法律」が可決・成立しました。今国会にて重要法案が数多く審議されていますが、中でも本改正は最も重要な法改正の一つにあたるものと個人的に考えています。

 

ここ1~2年の間でも、米国のマイクロン・テクノロジー社やドイツのアイクストロン社などの半導体企業を中国企業が買収しようとした動きが米独政府により阻止された例にも見られるように、近年、事業の国際化が加速する中で、安全保障上機微な技術が海外へ流出する懸念が大きくなってきています。

 

こうした中で、我が国も、従前から、国際的に平和や安全の維持を妨げる貨物輸出や技術提供を許可制にしたり、国の安全を損なう対内直接投資などを審査付き事前届出制という形で規制していますが、実効性が必ずしも十分に担保されておりませんでした。

 

工作機械、炭素繊維、パワー半導体、特殊な合成樹脂など、我が国の企業が優位性を誇る分野は数多く存在します。現在経営難に陥っている東芝のような企業は単なる一企業ではありません。そこで培われた技術や人のあり方については、国家としてしっかりと注視していく必要があります。外為法による技術管理などの面での規制について更なる実効性を担保するために、今回、罰則や行政制裁を大幅に強化し、また、投資規制の対象も拡充しました。

 

資本主義社会において、投資の自由や予見可能性は最大限確保されるべきですし、我が国としても対内直接投資を呼び込むべく政策努力を重ねてきています。その姿勢は今後とも堅持すべきと考えますが、前回のブログでも書いた通り、「安全保障」を様々な角度から捉え、国益を確保していくことも同時に求められています。今回の法改正はその意味で我が国の国益に資することになると考えますので、今後のしっかりとした運用を期待します。

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2017年05月9日

二国間通貨スワップ取極に係る新提案について

久しぶりのブログ更新です。

連休中に横浜でアジア開発銀行(ADB)総会が開催されました。そのサイドイベントとして、麻生副総理が議長を務める日ASEAN財務大臣・中央銀行総裁会議が行われました。

そこで日本政府は、金融危機に陥り短期流動性が失われそうになるASEAN各国に対して、日本が「円」を供給する仕組み(二国間通貨スワップ取極)を新たに提案しました。

ASEANへの日本企業の進出も進む中で、「円」の調達をしやすくすることで域内の金融安定に貢献するもので、私は、非常に評価に値する提案だと捉えています。

 そもそも、グローバルな金融セーフティネットとしては、次の4段階があるとされています。

①IMF(国際通貨基金)

②地域金融取り決め(従来のチェンマイイニシアチブ)

③二国間通貨スワップ取極

④外貨準備

 今回の日本提案は③にあたります。

既に③の取極は存在しますが、ドル建てです。これに円での引き出しも選択的に可能とするものです。

 中国も同様の取り組みを通じ、人民元の国際化を積極的に進めようとしています。ただ、人民元は貿易決済の手段としてはニーズが増えていますが、金融危機などのいざという時に頼れる通貨(ハードカレンシー)としては、アジアでは「円」しかありません。

 やや専門的なテーマでもあるので、思ったほど報道はなされておりませんが、日本がアジア各国、地域の金融安定化のために積極的に貢献することを通じ、良い意味で、アジアにおける日本の存在感を高めていける今回の財務省の提案。

外交は決して外務省だけがやればいいというものではありません。オールジャパンで日本の国益に資する外交を追求していくべきです。

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2016年08月30日

世界銀行によるSDR建て債券の発行を通して見る、人民元の今後について

随分久しぶりのブログ更新になりました。

さて、既に報道されている通り、SDR建ての債券を世界銀行が中国で発行する見通しとなりました。

http://www.worldbank.org/en/news/press-release/2016/08/12/world-bank-approved-as-the-first-sdr-bond-issuer-in-china

この世銀のプレスリリースによると、中国でのSDR建て債券の発行は世銀が初。発行額は20億SDR(≒28億ドル)とされ、人民元での払い込みが予定されているようです。世銀としても、人民元の更なる国際化へのステップと評価しているとのこと。

 

そもそもSDRとは、IMFにおける疑似通貨。従来、SDRの価値は、ドル、ユーロ、ポンド、そして円の通貨バスケットで決められていましたが、昨年、人民元が追加されました(私のブログで以前に紹介させて頂きました)。

報道等によると、当初、中国開発銀行がSDR建て債券を発行する準備をしていたようですが、より信用の高い世銀による発行準備が整ったことから、こうした流れになったようです。そして、今回のSDR建ての世銀債を我が国の金融機関も購入する予定であるとされています。

 

これまでも指摘してきたところですが、国際社会において人民元に対する「実需」が存在する中で、人民元の国際化が進んでいく流れにあることは事実ですし、中国当局もその流れを加速しようとしています。

人民元の国際化を加速する観点に立てば、本来であれば、人民元建ての債券をどんどん発行した方が良いわけですが、そのためには、先進国並みに資本規制を速やかに撤廃していく必要があります。しかし、年初の中国マーケットの動きや中国当局の対応を見れば分かるように、中国の金融システムはまだ脆弱ですし、予見可能性も十分ではありません。そうした中で、昨年、人民元のSDR通貨バスケット入りが実現したことに伴い、今回は、ワンクッション置く形で、より信用の高いSDR建てという形を採ったものと考えられます。そして、発行体としての信用が高い世界銀行が発行するということで、「箔がついた」と言えると思います。

 

我が国の金融機関の立場に立てば、こうした動きをビジネスチャンスと捉え、この流れに乗っていくのが自然な考え方ですし、日本政府としても、中国の経済成長に伴う需要を日本経済の活力へと転化していくべく、人民元を活用しやすい環境整備も必要なのかもしれません。

 

しかし、その一方で、私自身、以前から強い問題意識を持っているのですが、人民元の国際化の先に、仮に中国当局が「人民元の基軸通貨化」を位置付けているとすれば、我が国としてはそう単純な対応にはならないと考えます。既に以前のブログで書いているので詳細は繰り返しませんが、基軸通貨国になるということは「通貨発行益(シニョレッジ)」と呼ばれる利益を相応に享受できることになるのです。その利益の使途は国家の意思次第であることは論を待ちません。

 

もちろん、現在の中国の金融システムを見れば、資本規制が依然として強く残っている中で、短期的には現実的なこととは捉えられません。しかし、中国は、中長期的な目標を設定し、その実現に向けて徐々にではありますが、着実に布石を打ってくる国家です。安全保障政策を見てもそのことは明らかです。

 

こうした中で、既に日本国内では報道の熱も冷め気味ではありますが、アジアインフラ投資銀行(AIIB)が世銀やADBと協調融資を行いつつ、一帯一路構想の実現に向けて着実に歩み出している現実をしっかりと注視すべきです。加えて、霞が関、永田町界隈で殆ど話題に上がっていませんが、今年に入ってからも、3月のボアオフォーラムの開会式で李克強首相から「アジア金融協力協会」なるものを今夏に立ち上げると宣言され、その準備会合への参加を邦銀を含めた各国の金融機関に呼び掛けています。この組織の趣旨は明確ではありませんが、欧米主導の金融ルールのあり方に対して、中国主導で対峙していく色彩を帯びたものであることは間違いありません。

 

こうした大きな流れの中で、今回のSDR建て世銀債の発行についても、単に、経済・国際金融的な側面からのみではなく、より広い外交・安全保障上の観点からも複眼的に位置付けていく必要性を強く感じています。

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2016年03月18日

消費増税の再延期について

来年4月に予定される消費増税の再延期についての議論や報道が、衆参同日選挙の憶測とともに相次いでいます。

衆議院の解散・総選挙の時期については内閣総理大臣が決めることですので私がコメントする立場にはありません。

消費増税についての私の考え方を以下に述べます。

 

先に結論を申し上げれば、

・現時点では消費増税は予定通り実施すべき。

・ただし、今後、我が国の景気が「相当程度悪化した場合」は無理に増税に踏み切るべきではない。

・その場合(再延期する場合)には、次の事項とセットで行う必要がある。

―いかなる経済状況になれば増税するのかを明示することを含め、信頼に足る財政健全化に向けたプランを同時に公表すること。

―財源に穴が開く社会保障への具体的対応(社会保障の歳出カットなのか、国債増発なのかなど)を示すこと。仮に歳出カットで対応する場合、修正された具体的な政策パッケージを示すこと。

―マーケットと適切なコミュニケーションを図ること(金利上昇等のリスクを低減する努力)。

 

以上が、現時点での私の考え方です。

確かに、地元内外の多くの皆様からは、消費増税について否定的な声が大勢です。こうしたお声には真摯に耳を傾ける必要があります。

一方で、仮に景気が良い状況であったとしても、消費増税に対しては強い反対の声が上がるでしょう。

 

多くの国民の皆様が、消費増税に否定的だから、我々国会議員も反対するという態度をとるとすれば、いつになっても財政健全化は進みません。したがって、中国経済を含め世界経済の動向については引き続き注視しつつも、日本経済が増税に耐え得る状況にあるのか否かで冷静に判断すべきです。

確かに、個人消費が盛り上がってきていない面はあります。しかし、経済全体のファンダメンタルズは悪くはありません。こうした地合いにおいても2度目の増税延期を行えば、仮に「〇年後に『必ず』消費税率を引き上げます」とのメッセージを発したとしても、額面通り受け取る方は多くないでしょうし、実際、その時期に近づけば政治的に反対の声が必ず上がると思います。

 

消費増税は、子育て支援を含めた社会保障の財源確保のために行うものです。 

今、我が国の持続的な経済成長のために最も力を入れて取り組むべき課題は人口減少に歯止めをかけ、いずれかの時点で人口増加へと転じる道筋をつけることです。このことを通じて、供給サイドから潜在成長率を高め(勿論、技術革新も重要)、需要サイドからも消費等を押し上げていくことが求められています。時間はかかるでしょうが、一歩一歩着実に進めていくことが大切です。

 

そうした観点からは、子供を産み、育てやすい環境づくりに更なる注力を行うべきであり、その財源となる消費増税の再延期は若い世代に対しても誤ったメッセージを発信することにつながりかねません。

勿論、目下の需要が不足していることは否めませんので、短期的な財政出動(=経済対策)は一つの選択肢となると思います。

 

しかし、繰り返しになりますが、大きな方向性としては、我が国の経済状況が相当程度悪化しない限り、消費増税は予定通り実施し、子育て支援を含めた社会保障の財源を確保することによって、人口減少に歯止めをかけ、人口増へと転換できる日を一年でも早く迎えられるよう努力することが政治に求められていると考えます。

 

ご異論を含め、様々なご見解を賜りますようお願い申し上げます。

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2016年03月17日

振り込め詐欺による預保納付金についての政策提言が実現しました

昨夏、自民党犯罪被害者等の保護・支援体制の一層の推進を図るPTとしてとりまとめ、関係大臣に要請した項目の一つが、まずは一つ実現しました。

振り込め詐欺に関する預金保険機構への納付金の取り扱いに関する政策です。

http://www.fsa.go.jp/news/27/sonota/20160317-2/01.pdf

 

簡単に申し上げると、振り込め詐欺に使われた口座に残ったお金は、被害者に返還するのが原則ですが、諸々の理由により残ってしまったお金については預金保険機構に納付されることになっています。

この金額は現在50億円以上になっており、使途としては、①犯罪被害者の子供への貸与型奨学金と②犯罪被害者支援団体への助成金の2つが存在します。

 

しかしながら、

・犯罪被害者の子供への経済的支援の必要性の高さ

・貸与型奨学金のこれまでの低調な実績

・被害者支援団体への助成金の使い勝手の悪さ

などに鑑み、「貸与型」奨学金については「給付型」奨学金へと変更すること、被害者支援団体への助成金についてはより柔軟な使用を認めること、等について、政府に対し要請をしてきたところです。

 

金融庁を中心に、政府においても真摯に検討を重ねてくれたお蔭で、提言の内容が大方、盛り込まれました。

関係者の皆様に感謝するとともに、犯罪被害者やその関係者の皆様にとって少しでもお役に立つことを期待しています。

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2016年03月14日

金融政策にも限界がある

春の足音が近づいてきましたね。

寒さも和らぎ、朝の駅頭活動もやりやすくなりました。

一方で、政治家としては、日々の仕事や活動に追われ、なかなか頭や心を落ち着かせる時間がありません。そこで、先日、留学仲間と共に台東区谷中にある全生庵で座禅を組んでまいりました。

全生庵は、安倍晋三総理や石破茂大臣なども座禅を組まれた場所です。以前、中曽根康弘元総理とお話をさせて頂いた際に、哲学(カントと西田幾多郎)と座禅の重要性を強調されました。その中曽根元総理は総理時代にも全生庵で相当な頻度で座禅を組まれていたそうです。

平井正修ご住職にご指導いただきながらの座禅。

2月の冷えた空気が張り詰める静寂の中での慣れない胡坐(あぐら)を組みながらの40分間。

色即是空、空即是色。

なかなかこうした境地に達することはできなさそうです。

雑念を含め、物事を「捨てる」ことの難しさを実感しましたが、同時に、修練の場としての魅力を感じました。これからも、引き続き、「心」を作っていきたいと思います。

 

さて、国会の方は、平成28年度予算案や税制改正関連法案が衆議院を通過し、現在参議院において審議がなされています。衆議院の予算委員会のメンバーとして審議に参加する中で、やはり足元の経済情勢についての政府の認識と今後の見通しに関する議論に多くの時間が割かれました。

 

「マイナス金利」

 

当初は、聞き慣れない言葉に戸惑われた方も少なくなかったと思います。

この1か月でようやく言葉として定着してきた感じがしますが、私たち国民が金融機関に預ける預貯金にマイナスの金利が付されるわけではないことを冒頭申し上げておきます。

マイナス金利については日々メディアで報じられておりますので説明は省きます。期待される効果としては、銀行が余った資金を日銀にお金を預けるのではなく、企業や個人への貸出を通じて、設備投資や消費を増やしていくことが挙げられます。また、結果として、為替相場を円安方向へと誘導することになるので、輸出を刺激することも考えられます。更に、中長期の金利まで下げていく(いわゆるイールドカーブを緩やかにする)ことによって、例えば、住宅ローン金利を引下げ、経済波及効果の大きい住宅市場を活性化していく効果も考えられるでしょう。

勿論、目下の金融市場を見れば、期待された効果が既に現れている面も、そうでない面もあります。

 

様々な効果が期待される一方で、マイナス金利政策には様々な副作用や不確実性もあります。国政を預かる立場にいる政治家にとって重要なことは、金融政策には一定の限界があり(万能ではない)、こうした異例の政策を講じていくことによってその限界に着実に近づいていることをしっかりと認識することだと思います。いずれ直面する正常化へのプロセス(いわゆる出口戦略)を困難にするような金融政策への過度な依存は禁物です。

 

日本経済の状況(ファンダメンタルズ)は決して悪くはないと考えていますが、やはり需要が足りていない(需給ギャップの存在)と考えます。したがって、短期的に、経済対策によって国が需要を生み出していくことも選択肢の一つとして位置付ける必要があると思います。

但し、厳しい財政状況も考えれば、余力のある中国に財政出動を促し、世界経済を下支えさせることは必須でしょうし、何より、我が国としては、今後の世界経済の動向をにらみながら慎重に判断していく必要があるでしょう。

世界経済の下振れ要因として指摘されている中国経済の減速、人民元安を伴う資本流出の動き、原油価格低迷によるオイルマネーのリスク回避の動きもさることながら、個人的には、世界経済の安定にとっては、欧州の金融機関の信用不安が拡大しない点が重要であると感じています。英国のEU残留・離脱に関する国民投票も控えていますから今後の欧州の動きから目が離せません。

 

少し長くなりましたが、いずれにしても、金融緩和や財政出動も時間を稼ぐためのカンフル剤に過ぎません。課題の先送りは許されません。何のために時間を稼ぐのか、しっかりと肝に銘じて政治家として精進してまいります。

 

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2015年10月28日

人民元をめぐる動き

IMF(国際通貨基金)のSDR。

日本語では「特別引出権」と訳される、IMF加盟国の国際準備資産です。

SDRについての詳細な説明は省きますが、このSDRの価値は米ドル、

ユーロ、ポンド、円の通貨バスケットから構成されています。

今回の報道によるとIMFの事務方が通貨バスケットに人民元を入れる

方針を固めたとのことです。仮にこれが実現したとすると、人民元は

「国際通貨」への仲間入りを正式に果たすことになります。結果として、

各国の外貨準備に人民元が用いられるなど、人民元が使用される領域は

格段に広まることになるでしょう。

 

中国経済の規模を考えれば、人民元が国際通貨に近づいていく流れは

止められないでしょう。我が国としても、戦略的互恵関係を構築して

いく中で、国益を追求する観点から人民元との効果的に向き合わねば

なりません。また、日本円の地位低下は必至の中で、円をめぐる今後の

方針を明確に打ち出していくことも求められます。

 

しかし、仮に報じられているように、来月のIMFの理事会において

人民元の「SDR入り」が認められるとすれば、明らかに時期尚早です。

確かに人民元の使用エリアは近年急速に拡大しているとしても、

それは中国市場のポテンシャルへの評価や期待の裏返しに過ぎず、

資本の自由化を含め、国際通貨として認めるまでには踏むべき

ステップがまだまだ残されている現実を忘れてはなりません。

 

そして、これまでも申し上げている通り、何よりも忘れてはならない

ことは、通貨問題を単なる金融・経済の面だけから捉えてはならない

ことです。

第二次世界大戦時に、米国が武器貸与をてこに、英国主導の

スターリング・ブロックを解体し、金・ドル本位制へと移行させ、

基軸通貨をポンドからドルへと力づくで切り替えた歴史を振り

返れば、通貨問題は世界のパワー・ゲームの文脈で捉えなければ

ならないことは自明です。

中国が将来的に米ドル依存からの脱却を考えていることは明らかです。

その後の中長期的な展開(人民元の基軸通貨化)までを視野に入れて

いるかは分かりませんが、我が国としてはそこまでを念頭において

布石を打っていく必要があります。

 

今後の中国経済の行方に不透明感も漂う中で、今、我が国とっては

人民元のSDR構成通貨入りについては極めて慎重なスタンスを取る

ことが国益に適うと考えます。

報道の中には、「人民元をSDRの構成通貨として認めた後、中国が

改革を進めていくよう注視する必要がある云々」ともありますが、

順番が逆。

中国自身による改革の実行をSDR構成通貨入りの認定条件とし、

中国に改革を促すツールとして効果的に本件を用いなければなり

ません。

 

SDR構成通貨への認定には、IMF理事会において投票権のうち7割

以上の賛成が必要。裏返せば、阻止するには3割以上の反対が必要

です。

日米合わせても3割には届かない中で、中国を安全保障上の脅威と

感じない欧州は本件につき前のめり。加えて、既に米国は容認の

姿勢に舵を切ったとの報道もありますが、本件を認めることは

東アジアの安定にとって将来に禍根を残すことになりませんから、

我が国として安易な妥協をすることは許されないと考えます。

いずれ容認するタイミングが来たとしても、日米がそれぞれの

立場で今後の基軸通貨のあり方、人民元との向き合い方を明確に

示すことがパッケージとしてなければ、中国に対して誤った

メッセージを発することになりかねない。

冷静な判断が求められています。

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2015年09月11日

台風18号

今朝は実籾駅での早朝活動を終えて上京。

本会議を始め会合が続く一日。

午後3時から党本部にて開催された、台風等による災害対策本部の会合が先ほど終了。

今回の被害状況の情報を共有した上で、急を要する対応、今後の課題等について議論しました。被災地を地元とする同僚議員が現場の切実な声を代弁。

今回、茨城、栃木、宮城を中心に生じた災害ですが、台風の進路等によっては、日本各地どこでも生じ得るものです。

 

行方不明となられている方々の一刻も早い救出、被災者の方々への速やかな対応、そして、事に最前線で当たっている自衛隊、海保、消防等の関係者の方々への支援。

72時間のタイムリミットもありますから、与党としても全力を尽くす必要があります。

 

被災地の議員からは、被災者の生活再建支援、被災農家の支援、無堤防部分への対応等々、様々な角度から意見が出ました。その中で、出席者の一人から、報道ヘリについての指摘がありました。

私も報道を見ていて気になっていたことですが、濁流の中で救助を懸命に求める方を撮影する各社のヘリが飛んでいます。それ自体は決して悪いことではありませんが、人命最優先の救助活動の支障となってはなりませんし、限られたエリアに自衛隊や海保のヘリを含め相当数のヘリがいる中で接触事故など二次災害を惹起するものであってもなりません。

国交省によると、防衛省からの依頼により、ノータムと呼ばれる航空情報を昨日16時頃発出したとのこと。ただし、その内容は、報道各社によるヘリの運航を特段規制する効果があるものではありませんでした。報道の自由を尊重しながらも、例えば、映像を共有してヘリの数を限定したり、自衛隊機に代表者が同乗したり、運用面で工夫する必要性を感じます。

 

なお、私の地元は幸いなことに大きな被害はなかったとのことですが、朝、何人かの地元農家の方々とお話したところ、今回の豪雨で稲刈りのタイミングが遅れ、品質の低下を懸念する声などを頂きました。

これから地元に戻り、現場を周ります。

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2015年09月1日

通貨・人民元についての考え方

小林鷹之です。

 

9月に入りましたね。

先月以来、世界の株式市場の値動きが非常に荒い時期が続いています。

特に、上海株式市場の株価が6月中旬以降急落。政府による買い支え(PKO)に続き、中国人民銀行が、先月11日に突如人民元を切り下げ、同25日には金利と預金準備率を同時に引き下げるなど、景気のテコ入れになりふり構わぬ姿勢を見せています。

経済大国となった中国の動きに、世界の当局・市場関係者の視線が集まっています。

 

今回の一連の事象の中で、私自身が特に気になるのは人民元の切り下げの動きです。

中国当局は、(人民銀行が毎朝公表する)基準値と市場の実勢値との間にこれまで3%程度の乖離があり、今回の切り下げでこのギャップを埋めたとしています。こうしたギャップの存在はIMFのレポートでも指摘されていた事項なので、中国当局は今回の切り下げをIMFの助言にも沿ったものとして肯定しようとしておりますが、事はそんなに単純な話ではありません。

 

気になるのは、今後、中国が為替相場をマーケットベースにしていく覚悟が本当にあるのか否かです。今回の切り下げは、株式市場が急落した中での突然の出来事でした。タイミングだけを見れば、景気刺激策の一環として人為的に行われた措置とみなされても仕方ありません。また、切り下げ後に基準値と市場値が近づきましたが、依然として中国当局が為替介入を通じて市場値を操作している疑念も排除できません。

 

通貨にまつわる問題は、単なる国際金融の問題ではなく、外交・安全保障を含めた幅広い視点から捉えるべき重要な課題です。

その中で、まさに今年はIMFが5年に一度、SDR(特別引出権)と呼ばれる国際準備資産の通貨構成を見直す年。

現在、SDRの価値は、ドル、ユーロ、ポンド、円で構成される通貨バスケットで決められていますが、ここに人民元を入れるか否かが問題となっています。

専門的な議論でもあるので、国会ではなかなか取り上げられませんが、これは極めて重要な問題です。

 

SDRの通貨バスケットに加わるということは、人民元が主要国際通貨として認められることを意味します。ここには大きな象徴的な意味があります。

そして、私の見立てでは、中国政府は、こうした布石を丁寧に打ちながら、中長期的にではありますが、いずれ人民元を世界の基軸通貨へと位置付けていく意思、人民元ブロックを形成していく意思を持って動いているように感じます。AIIB(アジアインフラ投資銀行)や、人民元を用いたシルクロード基金などもこうした動きの一環として映ります。

 

ある通貨が「基軸通貨」になるということは、世界中の取引で決済手段等で使われることを意味します。通貨への信用があることになるので、他国の外貨準備を構成することにもなるでしょう。

そうした基軸通貨国が有するメリットの一つは、為替リスクがなくなるということ。

そして、もう一つは、より多くの通貨発行益(シニョレッジ)を得るということです。

例えば、現在の基軸通貨は米ドルです。米FRBが新たに100ドル札を一枚刷って市場に供給すると、100ドル銀行券の対価として買い入れた資産から得られる利息が通貨発行益となります。

もちろん、これをやり過ぎると、通貨に対する信頼が失われるので自ずと限度はあるわけですが、基軸通貨国になるということは、それだけ大きな意味があるということです。

 

世界史を振り返れば、基軸通貨が変更したのはたったの一回のみ。

20世紀前半に世界の基軸通貨は英ポンドから米ドルへと推移していきました。

特に、1944年のブレトン・ウッズ協定で金ドル本位制が定められた際に、覇権を握ろうとする米国の政治的な意思が強く働いたことは言うまでもありません。

 

IMFの話に戻ります。

SDRの通貨バスケットに人民元を入れるか否かの詳細な議論の中身については、更に専門的になるのでここで深入りはしませんが、アジアの覇権を確固たるものとするために力を背景とした一方的な現状変更に走っているようにも見える中国の昨今の動向を踏まえれば、世界経済における中国経済の占める割合が増えたことをもって直ちに人民元のステータスを上げることを認めるべきではありません。

 

何より、現時点においては、先日の当局による突然の株式市場への介入などにも見られるように、中国の資本市場は統制色が濃いのが現状です。

周小川人民銀行総裁などは、資本規制を2020年までには撤廃することを表明するなど威勢が良いですし、IMFのラガルド専務理事も中国当局の動きに寛容ですが、IMFの世界第二位の出資国である我が国としては、中国が実際に市場改革を断行するのかしっかりと見極めながら慎重な対応をすべきです。

裏返して言えば、米国などと連携し、本件をテコに中国に市場改革を促していくなど、戦略的な動きが求められていると思います。

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2015年07月30日

犯罪被害者等保護・支援体制の一層の推進のための提言

標記について、自民党政務調査会(稲田朋美会長)の了承を得ました。

提言内容は下記からご覧いただけます。

http://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/128436_1.pdf

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2015年06月26日

北極海航路等から見た今後の日露関係

来年、日本が議長を務めるサミットの開催地が三重県の賢島に決定しました。

伊勢・志摩サミット。

決定後、友人である鈴木英敬三重県知事と会った際に、ホスト県としての強い意気込みを感じました。楽しみです。

 

さて、このサミットですが、あえて単に「サミット」と書きました。

ロシアによる一方的なクリミア占領を受けて、一昨年のブリュッセル・サミット、今年のエルマウ・サミットはG8ではなく、G7として開催。

ロシアの参加を拒否したわけです。

さて、来年はG7サミットなのか。G8サミットなのか。

 

言わずもがな、我が国はロシアとの間に北方領土問題を抱えています。

そのためにも、安倍総理もプーチン大統領の年内訪日を実現したいとの意向を表明しています。

ウクライナをめぐる状況は由々しき事態であり、力による一方的な現状変更を日本としても認めるわけにはいきませんが、一方で、ロシアとしっかり対話をしていく姿勢は我が国の国益の観点からは重要です。

 

その理由は、北方領土問題は言わずもがな、我が国の安全保障上、極東におけるロシアのプレゼンスを東アジアにおけるパワーバランス均衡の観点からも捉えていく必要があるからです。

ロシアとの関係については、欧州はもとより、米国もヨーロッパの視点から捉える傾向が強いのに対し、G7の中で唯一日本のみが、極東の視点から捉えています。

端的に言えば、中露関係に対し、我が国は敏感にならざるを得ない。

歴史的に見れば、中露の関係は複雑です。両国が強固な信頼関係を築き上げることは容易なことではないと思います。しかし、ウクライナ問題を巡り、欧米とロシアとの距離が開く中で、中露の距離は接近しています。同床異夢かもしれませんが、この事実を念頭においた我が国としての外交政策が求められています。

一方、同盟国である米国から見れば、プーチン大統領訪日については様々な感情があるでしょうが、我が国として戦略的な視点を持って動くことが必要です。

 

東アジアのパワーバランスという意味で、今、気になっているのは北極海をめぐる今後の関係諸国の動向です。

温暖化の影響で北極海航路や海底資源に各国の熱い視線が注がれ始めています。

その中でも最近になってアイスランドやグリーンランドに急接近している中国の動向が気になります。

今、話題の一帯一路構想には中国の北極海航路は入っておりませんが、私は潜在的には含まれていると捉えています。

そして、それは資源や航路を目的とするだけではなく、北極海やベーリング海、オホーツク海といった北太平洋の領域において今後、中国海軍の影響力が強まっていくのではないかという懸念を惹起します。

 

今、南シナ海や東シナ海における中国の動きの先には、西太平洋における中国海軍、特に原子力潜水艦の自由な航行を確保する目的が見える中で、同時にSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の開発が進んでいます。

この動きが進んでいくと米国の(対中国)抑止力は減じることになるわけですが、ワシントン、ニューヨークなどの米国東海岸を射程に入れるためには相当程度太平洋の奥深くまでいかなくてはなりません。

 

一方で、北極圏、北太平洋から見た米国の景色は、私たちが通常見る世界地図から抱く印象とは相当異なります。そこからは東海岸も西海岸もそれほど距離は変わらなくなる。

505px-Arctic.svg

こうしたエリアに中国の原子力潜水艦が航行することになると米国の対中抑止力は劇的に低下し、東アジアにおけるパワーバランスは大きく崩れることになるでしょう。

冷戦下から戦略核の不使用について信頼関係を積み重ねてきた米ロが支配するエリアに中国が入ってくることも不安定要素になります。

 

こうした観点から、北極海航路の今後を展望すると、宗谷海峡や津軽海峡、そして北方領土の戦略的価値が更に高まります。中露間の利害の対立を生む可能性も高まるでしょう。

北方領土問題の解決に資する「潮目」の変化がそこにあるかもしれません。

そうした中期的・複合的な視点を持ちながら、我が国としてもロシアとの関係を戦略的に構築していく必要があると思いますし、昨年から北極海のルール策定に取り組み始めた国際海事機構(IMO)等の議論に積極的に参加していく必要があると考えます。

私も国会議員としての立場で尽力してまいりたいと考えています。

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2015年06月24日

バーゼル銀行監督委員会の議論について

久しぶりのブログ更新になりました。

今日は財政再建について一言。

政府が財政健全化の中期計画を今月末までに策定・公表するため、与党との議論が最終局面に入っています。

2020年度の基礎的財政収支の黒字化に向けて、歳出抑制と経済成長による税収増とのバランスをどうとっていくという議論がなされています(先般の国政報告『小林鷹之からの手紙 Vol.24』もご参照ください)。

http://kobayashi-takayuki.jp/cms/wp-content/uploads/2015/06/8024c8bd75e42c231f26b4f3f0b02e72.pdf

 

その中で、私が懸念しているのは、バーゼル銀行監督委員会という場で行われている、金融機関が抱える資産等の金利リスクの評価に関する議論の動きです。

事の性質上、やや専門的・技術的な話になってしまいますが、懸念する点を端的に申し上げれば、この議論の決着の仕方次第では、金融機関が国債を保有することに事実上のペナルティが課される(保有するインセンティブが減じる)ことになり、結果として、①我が国金融機関の貸出が減り、景気回復の動きに水を差しかねないこと、②長期金利が跳ね上がりやすい環境が生まれ、財政負担が増加しかねないと考えます。

 

金融庁の公表資料によると、現在のバーゼル委員会における検討は「銀行の国債保有に焦点を当てたものではない」と強調されています。

確かに、本検討は、金融機関が保有する国債だけを対象としているわけではなく、住宅ローン債権なども対象にされているのは事実。

しかし、これまでリスクフリー(リスク無し)とされてきた国債に対しても一定のリスクを見込むことになるわけですから、その分、金融機関は分厚い資本を積むことが求められますので、上記①のような結果をもたらすことになります。

加えて、金融機関は取引の担保として一定量の国債を持っておりますが、その保有国債にリスクを見込むとなると、できるだけ残存期間の短い短期の国債を持つことを選好することになると考えられます。

つまり、長期国債を金融機関が保有しにくくなり、いわゆるイールドカーブが急になり、長期金利が上昇しやすい環境が生まれると思います。

 

バーゼル委員会では、こうした動きを進めようとするイギリス等の金融監督当局に対し、日本の金融監督当局が米国と連携しながら、我が国のスタンスをしっかり主張してきていると評価していますが、予断は許しません。

財政再建を進めていく際には、こうした海外の動きにまでアンテナを張って、様々な角度から検討を加えていく必要があります。

これから市中協議(パブコメ)が開始されることになり、我が国金融機関からも国益を踏まえたコメントが出るものと期待していますが、政治の立場からもしっかりとサポートしていきたいと考えます。

 

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2015年03月18日

アジアインフラ投資銀行(AIIB)構想について考える

以前から私が注視してきたアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立の動き。

ここ数日、イギリスを皮切りに、ドイツ、フランス、イタリアが参加を表明したとの報道が見られます。

 

中国がAIIBの設立を主導する背景には、

 

・成長著しいアジアにおける投資ニーズとビジネス機会が存在すること、

・既存の国際金融機関であるアジア開発銀行(ADB)の資金だけではそのニーズに十分に応えることができない。にもかかわらず、日米主導のADBでは中国の発言力増大につながる増資には消極的であること、

・ADBのみならず、IMFにおけるSDR(特別引出権)の通貨バスケットへの人民元追加が遅々として進まないことなどを背景として、戦後の欧米主導のブレトンウッズ体制に対抗していく政治的な意図が垣間見られること、

・習近平体制が提唱する、いわゆる「一帯一路」構想の一環としてAIIBという装置が必要とされていること、

・中国包囲網とも見えるTPP交渉が漸進する中、中国を核とする経済圏の構築を急ぐ必要があること、

など、様々な事情や思惑があると考えます。

 

足元の米国の政治力に陰りが見える中で、「アジアにおける経済的利益 > 米国と歩調を合わせる政治的利益」という構図が顕在化したのが本件だと考えます。

欧州に続き、韓国やオーストラリアも期限とされる今月末までに参加を表明するのではないかとの憶測が流れる中で、日本と米国が孤立しているとの声も広がりつつあります。

米国内においても、AIIBと距離を置くオバマ政権のスタンスに対する批判が一部識者から発せられています。

 

米国とともに、我が国がAIIBの設立や参加に対して消極的な理由としては、

・国際開発金融機関であるADBが既に存在しておりAIIBをあえて設立する必要性は乏しい

・AIIBのガバナンスの弱さ(常任理事会の設置が想定されていない)に対する懸念、

・結果として、融資における環境・社会配慮を定めたセーフガードが、ADBに比して緩くなり、借入国の環境等が悪化するリスク、

・借入国のキャパシティを超える乱雑な融資が横行すると、ADBを含めた他の債権者に損害を与える恐れ、

といった点が公式に表明されています。

 

こうした問題意識は私も共有しますが、これに加えて、私としては、

・ただでさえ東アジアの勢力均衡が図れていない状況の中で、他のアジア諸国が中国に追随することにより、(我が国にとっての)地政学的リスクが増加するのではないか。

・(宇宙を除けば)最後のフロンティアであるアフリカにおいて、ここ数年中国との関係構築に熱心な英仏等の旧宗主国によるレバレッジが効いて、中国による影響が更に強まるのではないか。すなわち、AIIB=「Asia and Africa」 Infrastructure Investment Bankとなるのではないか。

という懸念があります。

 

そして、何よりも、AIIBという装置を通じて、中国がドル基軸体制に挑戦する意図を強く感じます。

 

まず、現時点では、AIIBの原資がどうなるか判然としません(出資国債?)が、いずれにしてもこれまで中国が為替介入の結果生じた外貨準備の大半を米国債で運用している中で、今後外準を用いてAIIB案件に投融資していくとなると、米中の相互依存関係が解消していくことになります。現在、微妙なバランスの上に成り立っている安定が崩れることが我が国を取り巻く環境にどのような影響を与えるのか、冷静に分析する必要があります。

 

また、中国が数年前より、イギリスを筆頭に、決済を含め、人民元による海外取引を徐々に認めてきている動きの中で、国際通貨としての人民元の存在感が急速に増しています。本当の意味での国際通貨になるには、資本取引の自由化など、まだまだ克服すべき課題は少なくありませんが、いずれ、ドル、ユーロに並ぶ基軸通貨の一つとして位置付けられる可能性はありますし、そうなると、シニョレッジ(通貨発行益)や取引コストの低下などの恩恵を享受することになり、まさに「人民元ブロック」が形成されることになります。そうなれば、勿論、円の存在感は今よりも失われることになるでしょう。

 

引っ越しできない関係にある隣国が経済成長を遂げること自体は、私は決して悪いことではないと思います。しかし、現在のように覇権主義的な臭いを漂わせる中での中国の動きは東アジアの緊張を高める方向へと働くのではないかと危惧しています。

中国は、対外的な視点のみならず、2040年には現在の我が国と同様の高齢化社会を迎えると推測される中で、国益を最大化し、国家を維持するための中長期の戦略を巧みに実行に移していると私は感じています。

こうした中で、本件を含め、我が国として国益をどう確保し、追求していくべきなのか、そしてその大前提となる東アジアの緊張を抑制していくためにどう行動すべきなのか、中長期の戦略を早急に編み出し、実行しなければならないとの危機感が更に強まりました。

 

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2015年03月13日

地方創生について

こんにちは。
小林鷹之です。


衆議院議員2期目として臨んでいる通常国会では、平成27年度予算の審議が佳境に入っています。私も予算委員会(NHKで放映されている委員会)の委員に任命され、経済成長と財政健全化の両立を図るべく予算審議に臨んでおります。

様々な政策課題の中で、とりわけ政府、与党が最重要課題として取り組んでいるのが「地方創生」です。
地方からの人口流出と東京への一極集中が進む中で、このままいくと地方からの人口減少が加速し、最終的には無人の市や町が出現するという危機感があります。
地方の人口減少に歯止めをかけるためには、地方に活力を取り戻す必要があります。
そしてそれを実現する手法は、国が自冶体に対し、全国一律のやり方を押し付けたりお金をばらまくといった従来の方法ではなく、自ら知恵を出し、汗をかきながら本気で頑張る自治体を支援する方法へと転換する必要があります。

そもそも、この「地方創生」という考え方は目新しいものではありません。今から遡ること約35年前、大平正芳総理(当時)の時代に幅広い分野の専門家が集い、まとめられた「田園都市国家構想」において、まさに同様の問題意識と主体性ある地方の活性化の必要性が指摘されています。

35年間何故このことが実現されなかったのでしょうか。勿論、将来の人口減少に対する危機感が薄かったことも一因でしょう。加えて、安定成長期とはいえ、1980年代のバブルに向かう過程や、その後の失われた20年間の我が国の経済、政治情勢の不安定化の中で国にも各自治体にもそこまでの意識を徹底する余裕がなかったのだと思います。
安倍政権になって、様々な評価はあるものの、一定の支持率を維持する中で、ようやく腰を据えて「地方創生」に取り組める環境が整いました。

今後、具体的な施策を進めていくことになりますが、先般のプレミアム付商品券のようなものは短期的には地域の消費を喚起し得るとしても、地方創生の本質とは異なると私は捉えています。

地方「に」金を。
地方「に」人を。
地方「に」仕事を。

こうした地方分権的な考え方は、一見正しそうに思えます。しかし、私はより中長期的に地方が活力を生み出すには、

地方「で」人を育み、
地方「で」仕事を創り、
地方「で」金を稼ぐ

という視点に基づく政策が必要だと考えます。

先週、予算委員会地方公聴会で島根県に赴き、まちづくりに真剣に挑む方々と意見交換を行いました。その中で、隠岐島海士町(あまちょう)の島根県立隠岐島前(どうぜん)高等学校魅力化コーディネーターの岩本悠さんからもお話を伺いました。今や海士町と言えば、街づくりの代名詞となっています。山内町長の口癖は「街づくりに必要なのは『やる気』ではなく『本気』だ」そうです。
街づくりを「やりたい」という首長は多勢いても、「本気」の人は少ない。そんな考え方を持って、「ないものねだり」ではなく「あるもの探し」をする姿勢で、隠岐牛、サザエカレー、岩ガキ春香等様々な名産品を産み出しています。

そして何より教育方針が素晴らしいと感じました。「ない」ことの価値に目をつける。コンビニがない、便利さがない。これを逆手にとって、不便だからこそ、生きていくために本当に必要な力を身につけることができると捉え、島の年配の方から生きた知恵を学び故郷への愛を育む教育をしています。
一方でICTを活用し、島にいながら海外の高校生などとのコミュニケーションを図る。こんな教育に魅力を感じた生徒が国内外から島に集うようになり、刺激も生まれ、入学者も進学実績も飛躍的に向上しています。

岩本さんの考え方は、島から東京に出てまた戻って来いというのではなく、むしろ世界を思う存分経験してから戻って来い。ブーメランと同じ。中途半端に投げても途中で落下し戻って来ない、思い切り投げればやがて戻ってくる。
「仕事がないから故郷に戻らない」のではなく「故郷で仕事を創りに戻りたい」という意識を身に付ける教育をしています、と断言していました。

ピンチをチャンスにかえる。

そんな自治体が次々と出てくればいいなと思います。そして、そうした環境づくりに国会議員として尽力してまいります。
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<p><!– レスポンシブに対応していない為、非表示にしています。2017年10月23日佐野
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–></p>

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<p><!– レスポンシブに対応していない為、非表示にしています。2017年10月23日佐野
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