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2019年11月8日

レジ袋有料義務化は本質的な対応なのか?

本日、自民党本部にて小泉環境大臣出席の下、環境部会が開かれ、レジ袋有料義務化が議題に上りました。私は、これまで政府やマスコミが本件を喧伝することに少なからず違和感を覚えていました。

 

本日私が述べた意見は、

 

「日本国内で発生するプラスチックゴミのうち、レジ袋が占めるのはたったの0.5パーセント。このレジ袋を有料義務化したところで本質的な対応だとは思えない。
ただし、既に決まったことであり進めなければならないのであれば、有料義務化したことによる収益の使途は、現在各事業者に委ねられていると聞いているが、『自国で出したゴミは自国内でリサイクル・処分する』との前提に立って、地方の焼却炉の更新や最新の設備投資に充てる方が消費者の理解を得やすいのではないか。

 

また、『自国で出したゴミは本来自国内で処理すべき』と申し上げたのは、これまで日本を含めた先進国こそが、ペットボトルを含めたプラごみを中国や途上国に輸出し、その途上国等が海洋廃棄してきたから。中国を含めてプラスチックごみの輸入禁止国が増えてきているが、逆に、今もなお輸出を続けている日本こそが、範を示すべく、原則自主規制をするなどの措置をとるべきではないか。そうでないと物事の本質的な解決にはならないと思う。」

 

政府側からは、今のところレジ袋有料義務化の先の具体的な政策はないとの回答がありました。身近なところで国民の意識を変える1つのきっかけとしては否定するものではありませんが、ぜひとも本質的な対応をして頂きたいと考えます。

 

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2019年11月3日

「デジタル円」について

10月8日付けのブログ『通貨安全保障について』の中で、リブラやデジタル人民元についての考え方を記した上で、最後に、現在のドル基軸通貨体制ができる限り続くように動くことが日本の国益にかなうとの私見を記しました。

 

今回はその続きとして、「デジタル円(E-YEN、E-JPY)」について記します。結論から言えば、わが国としては、デジタル円の発行も視野に入れた検討を速やかに進めていくべきです。

 

前回のブログにも書いた通り、リブラやデジタル人民元の発行は、単なる金融・経済の話に留まるものではなく、安全保障と直結するものとして捉えるべきです。その観点からすると、我が国を取り巻く厳しい国際情勢を考えた時に、デジタル人民元が途上国を皮切りに世界に広く普及し、デジタル人民元圏(ブロック)を形成することは、我が国にとって決して良いことではありません。

 

普通に考えれば、デジタル人民元の発行には、資本の自由化など、クリアすべき高いハードルがあると考えますが、デジタル人民元の「仕組み方」によっては、そのハードルを回避する形で進められる可能性も否定しきれないと考えます(例えば、国内に流通するデジタル人民元は中央銀行である人民銀行が管理し、海外に流通させるデジタル人民元については放置するなど、様々なやり方があると思います)。

 

こうした中で、わが国としては、将来的に起こりうる様々な状況を想定した対応を考える必要があります。今回、リブラについては、米国やEUにおいてバックオフが見られます。特に、米国では議会を中心に批判が激しいですし、EUの大国であるドイツやフランスは単一通貨ユーロ導入のために、自国通貨を手放した経緯がある中で、リブラに対して肯定的になりにくい。既に中国人民銀行は、独自のデジタル通貨であるDCEP(Digital Currency Electronical Payment)の発行に向けた準備をしていますが、仮に、今後「人民元」がデジタル化され、急速な勢いで普及していくシナリオをも想定すれば、その独走を一定程度止められるのは、経済規模や通貨への信認等からして、現時点ではデジタル円しかないと思います。

 

デジタル円を発行するにあたっては、いかなる方法が良いのでしょうか。

現在、中国は、既存のSWIFTやコルレス等の仕組みを回避する観点から、分権型のブロックチェーン技術を駆使した新たな仕組みを考えているとも言われていますが、日本としては、むしろ世界に誇れるSuicaの技術を使い、日本銀行が一元的(≒中央集権的)に管理できる体制を構築した上で、世界のどこでも使えるような端末を整備していくのが良いのではないかと個人的には考えています。

 

デジタル円が仮に発行されるとすれば、中央銀行である日銀と他の金融機関との現在の関係に少なからず影響を与えることになるかもしれません。また、乱立気味の〇〇ペイなどのようなサービスも不要になるでしょうから、各企業の反対があるかもしれません。そうした中においても、より広い視野で国際社会を見つめ、今後起こりうる様々な状況を想定した上で、責任ある対応ができるよう、デジタル円を発行するとした場合の検討を速やかに進めていくことが政治の責任だと考えます。

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2019年10月18日

水産庁漁業取締船と北朝鮮籍とみられる漁船の接触事案について

本件については、自民党内の様々な場で議論がなされています。

今回の事案への対処をめぐっては私も思うところをいくつか指摘してまいりましたが、今後の対応を考えた時に、以下に述べるとおり、法整備も視野に入れた検討が必要だと考えています。

 

まず、今回の事案が発生したとされる大和堆(やまとたい)周辺海域は我が国のEEZ(排他的経済水域)です。主権が完全に及ぶ領海とは異なりますから、法の適用・執行の観点からはむしろ公海と類似しています。しかし、国連海洋法条約上、EEZは公海と異なり、沿岸国は天然資源の探査、開発、保存及び管理のための主権的権利が認められていますので、例えば、EEZ内で明らかにこの主権的権利が侵害されている場合については、我が国の国内法規に則り、水産庁の漁業取締船は、臨検、逮捕、取り調べ、送検等が可能です。

 

因みに、大和堆を挟む我が国沿岸と北朝鮮沿岸との距離は400海里未満(通常は沿岸から200海里までがEEZ)と短くなっていますが、大和堆はその中間線より日本側に位置するため、我が国の漁業取締船や海上保安庁が警備にあたっているわけです。

 

今回の案件については、政府は、より毅然とした態度をとるべきであったと考えますが、恐らくこのままだと、今後も同様の事案が続くと予想される中で、実情にあった法整備を検討していく必要があるのではないかと感じています。

 

国際法上も国内法上も、我が国の漁業取締船には、上述の様々な権限が付与されています。それにも拘わらず、現行法令上は、乗組員に銃器などの装備は認められておりません。私は、漁業取締船による放水などの従来型の対応が生ぬるいから銃器等を使うべきだ、と申し上げているのではありません。近年、武装している「漁民」も出てきている中で、現場で対応にあたっている我が国の乗組員の安全確保を考えれば、海保との更なる連携を追求することはもちろんのこと、水産庁の漁業取締船自身も更なる能力強化を検討しても良いのではないかと考えるのです。

法律で権限が与えられていながらも、それを執行するに足る能力に制約がかけられている状態で、仮に何かが起こってしまった場合、それは立法の不作為との誹りを免れないのではないかとも考えます。また、こうした検討を進めることこそが、結果として、相手に対する抑止力の向上にもつながっていくとも思います。

 

国益を守る観点から毅然として、かつ、冷静に議論をしていく姿勢が求められていると思います。

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2019年10月16日

情報通信インフラに関する国家戦略を!

 平成28年に閣議決定された第5期科学技術基本計画において、我が国が目指すべき未来社会の姿としてSociety 5.0が提唱されました。今後、IoTで全ての人とモノがつながり、あらゆる情報がデジタル化され、そのビッグデータがAIにより分析・解析されることを通じ、新たな価値や社会変革(イノベーション)が創出され、少子高齢化や地方の過疎化等がもたらす閉塞感の打破、希望の持てる社会の実現を目指すこととされています。

 

 こうした中、次世代通信といわれる第5世代移動通信システム(5G)が、新たな社会インフラとして期待されています。我が国においても、5Gを駆使することによって、自動運転、スマートシティ、遠隔医療、製造プロセス全体を最適化するスマートファクトリーなどが研究され、実証実験に入っているものもあります。

 

 このように、あらゆるものがネットワークに繋がると、2030年には世界のデータ量は現在の約7倍に膨れ上がり、ネットワークに繋がるデバイスも500億台にも達するとの予想もあります。また、データはIoTデバイスからのものだけではありません。人工衛星が取得したデータとAIを組み合わせることにより、農作物の生産調整や経済動向の予測などの新たなサービスも期待されることから、今後人工衛星から取得されるデータも併せればその量は膨大なものとなります。

さらに、自動運転や遠隔治療などは通信の低遅延が求められることから超高速通信が可能となるインフラが必要になってきます。

 

 従って、5Gに移行するには、少なくとも現在の10倍以上の5G基地局の整備が必要であると共に、ギガビット/秒クラスの通信速度とミリ秒以下の遅延を可能にするためにも、多数の基地局を接続し、また、データの集積・解析機能を有するデータセンターに繋ぐ光ファイバーネットワークの整備が不可欠です。

 

さらに、自動運転などの素早いレスポンスを必要とするIoTデバイスが今後増加するに従い、従来のクラウドコンピューティングでは対応できなくなることが予想されます。これを解決するためのシステムが、エッジコンピューティングとそれに伴うマイクロデータセンター(サーバー、電源装置、冷却装置等をすべて収容したモジュール型システム)が必要になります。

 

 このように、情報通信インフラの整備を推進するにあたっては、5G基地局と光ファイバ網のみならず、ビッグデータを集積するデータセンター、エッジコンピューティング、海外との情報通信に不可欠な海底ケーブル等も含めて幅広く検討していく必要があることに加え、サイバーセキュリティ・災害・テロ等に関するリスク管理の強化(強靭化)、サプライチェーンリスクの低減やインフラシステムの輸出を視野に入れた国内産業・人材の育成、膨大な消費が想定されるエネルギーの安定供給等の諸課題についても喫緊の対応が求められています。

 

 こうした認識の下、5G及びポスト5G社会の到来を見据えた情報通信インフラの整備のあり方について、様々な角度から検討を加え、具体的な国家戦略を描き、その速やかな実現を目指していかねばなりません。そして、その骨格を作るのは政治の責任だと考えています。

 

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2019年10月10日

タクシーの運賃改定の是非を通して考えること

 

先日、自民党タクシー・ハイヤー議員連盟の総会が開かれ、運賃改定について添付の決議をした上で、同日、衛藤消費者担当大臣に要望活動をしてまいりました。

 2019.10タクシー議連 決議

今般の消費税率の引き上げ時に向けて、全国の多くの地域において、タクシー運賃の改定について関係者の協議会を立ち上げ、検討が行われてきました。その主な内容は、消費税率の引き上げに相当する運賃の改定に加え、近年のタクシー業界を取り巻く環境変化に起因する改定(実質改定)を行うことに関するものです。

 

訪日外国人の増加(インバウンド)に伴う外国語対応や、これから進むであろうMaaS(「マース」。モビリティ・アズ・ア・サービスの略。)への対応、これまでの(消費税率の引上げを含めた)運賃改定のたびに行うメーターのチップの交換など、タクシー業界による設備投資額は引き続き増加していくでしょう。

また、政府が主導する働き方改革に伴い、労働時間が制限される中で、歩合制で働くドライバーの方の収入にも制約がかかることになります。結果として、ただでさえ厳しい人手不足の状況に拍車がかかり、人材確保のために処遇の改善も必要となってくるでしょう。

 

こうした中で、今回の消費税率引き上げに合わせたタクシー運賃の実質改定は見送られることとなりました。理由は、消費者庁を含めた複数省庁から、実質運賃の改定については「慎重であるべき」との回答が寄せられたからと聞きました。

しかし、例えば、北海道においては、同じ公共交通機関であるJR北海道については、この度、実質改定の引き上げが認められたとのこと。赤字経営であることは、中小・零細企業が殆どの北海道のタクシー業界も同じです。今回のような実質改定を認めないとすれば、特に、地方において、高齢者を含めた住民の方々の「足」を確保し続けることはますます困難になっていくものと思われます。

 

確かに、利用者(私もその一人ですが)の立場からすれば、同じサービスを享受するのであれば、一円でも安い方が良いに決まっています。しかし、その事業の継続が困難になれば、私たちが利用することができなくなる。サービスが提供されなくなるわけですから当然のことです。

 

世の中は消費者や利用者だけで成り立っているわけではありません。生産者、流通業者、廃棄業者等々、様々な関係者が存在します。これはタクシー業界に限ったことではなく、例えば、おいしく、安全な農産物を提供していただきながらも、価格の低迷が続く、我が国の農業もその例にもれません。

 

多くの関係者の方々がその努力に見合う適正な価格がついてこそ、社会はしっかりと成り立っていく、その当たり前のことをしっかりと肝に銘じつつ、これからも活動を続けてまいります。

 

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2019年10月8日

通貨安全保障について ~「リブラ」と「中央銀行デジタル通貨」から見えてくる景色~

私が政治家として大切にしていることは、当然のことながら「国益」です。

 

究極の国益は、国民の生命と暮らしを守り抜くことだと考えますので、国家の根幹となる戦略は経済戦略と安全保障戦略です。そして安全保障は、いわゆる防衛省・自衛隊が担う狭義の「安全保障」だけではなく、より広く、エネルギー、食料、技術など「経済安全保障」として広く捉える視点が必要です。

 

 その中で、以前から主張し続けている「通貨」に関する安全保障の視点から、Facebook社が推し進めようとしているリブラ、また、中国が研究を進めているデジタル通貨について、私の基本的な考え方を記します。

 

 私が、「通貨安全保障」にこだわるのは、過去1世紀を振り返った時に、パクスブリタニカからパクスアメリカーナ、すなわち、世界の覇権が英国から米国へと移行した背景にあった事象の一つが、スターリングポンドからドルへの基軸通貨の交代があったからです。1944年にブレトンウッズ体制、そして金ドル本位制が確立し、アメリカの覇権は確立されたと考えます。

 

 基軸通貨国の特権とは何でしょうか。

 

為替リスクを回避することなど、様々ありますが、特に重要なことは、シニョレッジと呼ばれる通貨発行益です。(通貨発行益の定義も複数ありますが)例えば、米国は自由にドル紙幣を(ほぼ無料で)印刷・発行し、これを貸し付け、その利息収入を得ることができます。もちろん、他国も自由に自国通貨・紙幣を発行することはできますが、過度に発行し過ぎるとインフレを招き、通貨・紙幣の価値が減じますので自ずと制約があるわけですが、基軸通貨は世界中に大量に出回っていますので、その制約が緩い(=より自由に)通貨・紙幣を発行し、莫大な利益を手にすることができます。

 

 この他にも、例えば、現在、原油取引はドル建てで行うのが通常です。米国はドル建ての取引をコントロールできるので、こうした力を使って経済制裁などを行うことも可能になります。

 

 近年、米国の覇権に対し、経済力・軍事力を伸ばしてきている中国が挑む構図となっていますが、その一環として、「人民元の国際化」を謳いつつ、基軸通貨としての地位を享受してきたドルに対して挑んでいこうとする国家意思を私は感じています。まさに、一帯一路の構想が示される中で、AIIB(アジアインフラ投資銀行)の設立とともに、国家ファンドであるシルクロード基金が設けられた時にその意思を強く感じました。現在、順調に進んでいるか否かは別として、同基金はAIIBと異なり、主に人民元建てです。ここに国家としての隠された、しかし、強い意志を私なりに感じた次第です。

 

また、2016年にIMF(国際通貨基金)のSDR(特別引出権)のバスケット構成通貨に、従来のドル、ユーロ、円、ポンドに加えて、人民元が国際政治上の力学により追加されたことで、いずれドルに対抗していくとの国家意思が表面化したと思います。

 

 しかし、人民元を基軸通貨とするといっても、クリアしなければならないハードルがいくつもあります。まず、大きなハードルは資本規制の自由化。経済学上、国際金融のトリレンマという理論があります。これは、「自由な資本移動」と「為替相場の安定(≒固定相場制)」と「独立した金融政策」のうち、二つは両立できても、三つを鼎立することはできないというものです。

 

 基軸通貨になるためには、中国は、変動相場制に移行し、自由な資本移動を認めなければならないのですが、資本流出と人民元安を危惧する中国当局はなかなかそのハードルをクリアすることができません。かなり前から、中国のオピニオンリーダー的存在でもあった周小川 前人民銀行総裁が「2020年までに資本の自由化を実現する」と言い続けてきましたが、現時点では、その実現は相当困難だと言わざるを得ない状況にあります。

 

 そうした状況の中で、Facebook社が「リブラ」を発明。具体的な設計までは公表されていませんが、ドルやユーロなどのハードカレンシーのバスケット制によりその価値を担保するという意味で、価値に関して何の裏付けもないビットコインなどとは異なります。しかし、こうした「通貨」が広く流通するようになると、従来型の銀行による信用創造機能の低下等、様々な問題が生じうるのみならず、各国政府・中央銀行によるコントロールが効かなくなる可能性が出てきます。特に、基軸通貨であるドルの相対的な価値・力は減少するはずです。そして、上述の通り、基軸通貨ドルの力の減少は、米国の経済力・軍事力の減少とパラレルに捉えるべきです。

 

 また、リブラの登場は、2014年から中銀デジタル通貨の研究を始めていたとする中国にとって脅威であり、デジタル人民元の登場を加速させることになるかもしれません(ここで詳細は論じませんが、中銀のデジタル通貨といっても、様々な形態や目的があります)。デジタル人民元が広く中国の国内外に流通するには克服しなければならないハードルは多々あるにせよ、仮に実現すれば、利便性が高いものになることは間違いないでしょうから、途上国の中には、自国通貨を捨て、人民元に移行する国が出てこないとも限りません(現実に、今でもエクアドルなどはドルを採用しています)。その蓋然性をどう見るかは人それぞれでしょうが、仮にデジタル人民元が広く流通するような状況になれば、基軸通貨ドルとの相対的な力関係は大きく変わるでしょうし、経済安全保障上も大きなインパクトが生じるに違いありません。

 

 こうした状況の中で、わが国として、どのような対応をとるべきなのか。

 

もちろん、日本円がこうした役割を多少なりとも担えれば良いのでしょうが、1990年代のAMF(アジア通貨基金(アジア版IMF))構想が諸事情により頓挫して以来、なかなか現実的でもありません。だとすると、少なくとも当面はドルが基軸通貨であり続けること、そして、いずれドルの基軸通貨としての力が減少していくとしても、そこに至るまではできる限り時間をかけることが、私は日本の国益にかなうと考えています。

 

 こうした視点に立って、リブラや中銀デジタル通貨への対応という政策課題に向き合ってまいります。

 

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2019年09月21日

台風15号による被害への対応について

台風15号による被害に遭われた方にお見舞い申し上げますとともに、お亡くなりになられた方に心からお悔やみ申し上げます。

 

ピーク時最大約64万世帯の停電が生じた今回の被害において、21日20時点では、約3,600世帯まで減少してまいりました。ご尽力下さっている多くの関係者の皆様に感謝しかありません。

発災後、本日に至るまでの13日間、選挙区内外の対応に従事していた関係でFacebookのアップもままならなかったのですが、この間の活動の主な概要を時系列的に記しておこうと思います。なお、下記の他にも、随時、被災された方はもとより、省庁、東電、地元の首長などと情報交換、対応協議を続けておりました。

 

〇 9日未明、千葉県を中心に大きな爪痕を残した台風15号。10日にかけて地元(千葉市花見川区、八千代市、習志野市)を回り、被災の概況を目視で確認。また移動中の車内で様々な産業や地域の方々に電話で被害状況を確認。その上で、今日に至るまで、必要と思われる対応をとりつつ、情報発信についてはツイッターを活用して継続してまいりました。

https://mobile.twitter.com/kobahawk

 

〇 10日の早朝から、選挙区内で特に停電・断水。通信が深刻な状況にあった千葉市の熊谷市長と断続的に連絡をとり合いながら、省庁等へ必要な支援を要請。
例えば、
医療・福祉施設や避難所などへの電源車の配車を依頼(資源エネルギー庁)
通信途絶への対応として、車載式携帯電話用基地局の配備を依頼(総務省)
東電HPに掲載されている停電エリアが実情を反映していないため、不安・不信を招かないような正確な表示を依頼(東電)
など。

 

〇 千葉県農協青年部協議会の皆様と面会し、農産物被害への対応についての要望もうかがう。

 

〇 13日には自民党本部で開催された災害対策特別委員会に出席。多くの関係者の方々のご支援に感謝を申し上げた上で、私からの指摘と省庁の回答については次の通り。

 

・「今回の対応については、県に情報が十分に集約されていない感じ。自治体を含めた様々な関係者と個別にやりとりせざるを得ない状況。」→内閣府「(各自治体によるマンパワーや制度認識の不足を前提に)要請がなくともプッシュ型で支援を行っていく。今後、初動対応のマニュアル化も検討する。」

 

・「停電対応(倒木処理を含む)について。(倒木処理については東電や自衛隊が対応しているが、)マンパワー不足。消防も対応できるはずだが、広域消防応援の要請が県から出ていないので、周辺自治体から応援に行けない」→消防庁「ニーズを早急に把握し、政府全体として消防職員を回せるか検討する」

 

・「携帯電話の基地局の電源自体が切れて、熱中症などで119番したくてもできなかった人が千葉市にもいた。既に私から総務省に千葉市への車載型移動基地局の配備を依頼したが、房総エリアでもまだそうした方がいるかもしれない。早急な対応を」→総務省「移動電源車やポータブル電源で支援を継続したい」

 

・「東電HPに停電地域に漏れがあるのではないか? 例えば、花見川区こてはし台は2丁目のみだが、停電中の他の丁目の方々が心配している。配電網のエリア表示との説明があったが、住民の不安や不信を招かない正確な発信を。」→東電「今後、復旧見通しを示す際に、住民の皆様に分かり易く表示したい」

 

・「給水について。習志野市や八千代市の給水車が多古町に支援に行っている。しかし、水源は各自治体で調達するとのルールに縛られ、一度給水が終わると習志野や八千代まで戻ってきて水を補給し、再度出ていかなければならない状況と聞いた。事実だとすると非効率。途中で補給できるようにすべき」→厚労省「そのような決まりになっているので、給水が途切れることのないように工夫している」→他の同僚議員からも「非常時なので、人命優先で柔軟な対応を」との声。

 

・「農業について。ビニールハウス等の被害が甚大。農協青年部の話では、県発表の被害総額の倍以上に膨らむと思うとのこと。ハウス等の設備が直らないと栽培ができず、収入も入らない。壊れたハウスの撤去と、新たに設置する人が足りない。また、泥がついたままだと廃棄できない自治体が殆どと聞いたので何とかならないか」→農水省「今の被害総額で終わるとは毛頭考えていない。ビニールハウスの撤去・設置については他県の業者のリストを提供するなど対応を急ぎたい」

 

〇 13日午前中に山武市からブルーシートが足りないとの要望を受け取る(3連休後半に降雨が予想されていた)。千葉市の熊谷市長と習志野市の宮本市長に連絡すると即断即決頂く。ただし、枚数が足りないため、不足分を政府に依頼。

 

〇 13日昼に自民党本部にて千葉県選出国会議員団会議。私からは、①早期の激甚災害指定の要請について、県選出国会議員団による決議をすべきであること、②災害対応が落ち着いた時点で、国会議員、県議、市議、首長を含む自民党千葉県連として、今回の災害対応について検証すべきであることを提案。

 

〇 13日夕方に、東電の発表により、選挙区内で最後まで残っていた停電地域が解消。

 

〇 週末は、習志野市の宮本市長からは、給水支援や倒木処理・ブルーシート展張支援について消防の力を借りてはどうかとの提案もいただく。元消防幹部の方を含め、専門家にも意見を聞いた上で、県から自治体に対し広域消防応援の要請が出ていなかったが、消防庁・資源エネルギー庁等に何度か掛け合い、最終的には「本来の業務ではないが、倒木処理やブルーシート展張についての支援をしても差し支えない」旨の通達を発出して頂く。安房地域の非番の消防職員約80名の皆様に館山市・南房総市・鴨川市・鋸南町に早速出動して頂くことに。習志野市はそれに先立ち、南房総市への消防職員派遣。

 

〇 改めて、千葉市花見川区、習志野市、八千代市の農家・酪農家の方々を中心に被害状況を伺う。やはりビニールハウスの破損・倒壊がひどい。

 

〇 17日、八千代市役所にて、服部市長などから台風15号による市内被害状況及び対応の進捗についての説明。

 

〇 17日、熊谷千葉市長からの市長会・町村会(被災自治体の首長を含む)として国へ要望活動を行いたいとの連絡を受け、日程等の調整。

 

〇 停電が解消したと思っていた千葉市の花見川区内で、局所的に停電中のお宅が若干残っていることの連絡を受け、東電に対し速やかな対応を依頼。

 

〇 18日、県選出国会議員団で安倍総理大臣、武田防災担当大臣、二階自民党幹事長へ、早期の激甚災害指定を含め、国による支援強化を要望。

 

〇 19日10時から自民党本部で開催された農林部会に出席。農水省はじめ関係省庁へ要望・意見交換。私からは3点指摘。

・早期の激甚災害指定を要望。→(農水省)現在、被災自治体、県において被害額を算定・積算しているところ。

 

・破損したビニールハウス等の撤去・再建について。高齢の方はこれを機に離農を考える方も多い。若手農家には大規模にビニールハウスを活用している方も多い中、撤去・再建に必要な人手と資材の早急な確保を強く要望。加えて、地元の梨農家は、「新高」の収穫の矢先に多くが落果。梨を含め、県内の果樹栽培に必要な防災網の修復については、業者が限られており、人手不足への対応が必要。→(農水省)資材メーカー等に迅速な資材供給を依頼。一定の在庫はある。施行職人が足りないので他県からの応援を検討。梨等の防災網の被害については把握していなかったので速やかに確認する。

 

・ビニールハウス撤去につき、農家負担を大きく軽減する環境省の災害廃棄物処理事業はありがたい。但し、他の補助事業との重複は認められておらず、対象は処理のところまで。その後の再建までをも見据えた別の補助事業は農水省にあるのか?→農水省から明確な回答がなかったため、要確認。

 

〇 19日午後、千葉県の市長会、町村会のメンバー(被災自治体の首長を含む)と二階自民党幹事長、武田防災担当大臣に、早期の激甚災害指定を含め、国からの支援強化を要望。

 

〇 21日午後、地元の千葉市花見川区、八千代市、習志野市において(私が認識する限り)最後まで停電中であった1世帯に通電の連絡。

 

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2019年08月14日

(講演録⑤) 憲法改正について

これまでお話させて頂いた国力のマトリクスを作り上げる上で基本となるのが、やはり「憲法」です。

 

憲法は、法治国家における最高法規。国のあるべき姿を定めたものです。

先ほど、究極の国益は、「我が国の主権、国民の命と暮らしを守り抜く」ことであると申し上げてきました。この目指すべきところに照らし合わせても、また、制定から70年以上経過する中での社会の変化に照らし合わせても、足りない点や現実に合わない点が出てきています。

 

一昨年の5月に安倍総裁が自衛隊の明記を含む憲法改正の必要性に言及した後、私が所属する政策集団・志帥会で憲法改正案を検討するという話になり、その時、事務局を仰せつかりました。憲法全体を全般的に検討し、見直すべきか、総裁の発言を中心に検討するのか、そんなことで悩みながらも、有識者の方々からのご意見を伺っておりましたところ、志帥会の最高顧問である伊吹先生からもご講話をいただきました。

 その中で、「何よりも憲法というのは、その国の歴史や国柄の上にできあがっているものであると。明治憲法や現憲法の制定過程も含めて、よく勉強するように」とのアドバイスをいただきました。 

 

憲法改正は自民党の綱領に明記されています。そもそも国会議員が発議することなしに、国民投票にかけられない以上、国民の皆様にご判断いただくに値する改正案の作成に向けて汗をかくのが国会議員としての務めです。しかし、昨年から、衆議院憲法審査会の幹事という役員をさせていただいていますが、昨年来、憲法審査会での実質的な審議は殆ど行われていません。憲法については多様な考え方があるのも事実なので、各党にも議論への参加を呼びかけ、丁寧かつ活発な議論を通して、また、国民の皆さまにも地道に訴えかけ続けて、憲法改正に向けて取り組んでまいります。

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そして最後に繰り返しになりますが、政治家として、自分自身が過ちを犯しうる存在であることを肝に銘じつつも、一方で、アテネ民主政の黄金時代を気づいたペリクレスという政治家がいます。彼は、「本当に人々のためになることを実行するには憎まれてでも志を曲げぬことが必要」といったように、本当に国民のためになると信ずることを実現すべく、いわゆるポピュリズムとは対峙をしていく気概を持って、地道に国政にあたってまいりますので、これからも皆さまからご指導を賜りますようお願い申し上げ、講演を終わらせて頂きます。ありがとうございました。

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2019年08月13日

(講演録④) イノベーションについて

そして、先ほど述べたイノベーションについても触れたいと思います。

 

皆さん、日本のイノベーションの現状は、世界の中でどの位置にあるのかご存知でしょうか?

昨年、本庶佑先生がノーベル賞を受賞されました。自然科学分野では日本人としては23人目、この人数は世界で5番目。凄いですよね。また、ノーベル賞まではいかなくとも、素晴らしい技術やノウハウが日本にはたくさんあります。

一方、世界のトレンドを見ると、日本のイノベーション力や大学ランキングといった様々な指標は、年々、低下傾向にあるというのが悲しい現実です。

 

しかし、私はここで負けているわけにはいかない、そう強く思うんです。日本のイノベーション力を高めて、いかに国富を増やし、国益を護り、日本の国際社会の中での存在感を高めていくか。私は政治家として、ここにこだわっていきたいと思っています。

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では、日本はどこで勝負するのか。勝負できるフィールドはたくさんあります。例えば、その一つが、リアルデータです。

インターネット上のバーチャルデータについては、残念ながら、既に、GAFAのような海外の巨大プラットフォーマーが掌握してしまっている中で、日本企業が対抗することは難しい。

ですが、日本には、良質なリアルデータが豊富にあります。例えば、健康医療データ。世界に冠たる国民皆保険制度を持つ日本には、質が高くて膨大な健康医療データがある。この健康医療データのプラットフォームができれば、予防医療や、創薬の分野で、世界をリードするようなイノベーションを起こしていけるし、私たちのQOL、人生の質の向上にも大きく貢献できると考えます。

 

今後、この健康医療分野を含め、データドリブンと呼ばれる、データ駆動型社会が到来する中で、そのリアルデータで世界と勝負するためには、それに伴う情報インフラも必要になってきます。昨今話題になっている5Gは、次世代通信システムのことですが、現在の4Gから比べると通信速度が100倍、通信容量が1000倍となって、私たちの生活や社会が大きく変わります。 

 

ところが、こうした分野で世界各国がしのぎを削る中で、わが国の情報インフラ整備は決して進んでいるとは言えません。日本が5Gあるいは、更にその先の6Gの分野で世界と勝負するには、それに見合った情報通信インフラ、つまり、無線通信基地局、それらを有線で結ぶ光ファイバー網、そして膨大なデータを集積する巨大なデータセンターの3つが必要だと私は考えています。

 

米中対立の中で、ファーウェイなどが名指しで批判されていますが、私は、以前から、国会質疑や党の会合の場においても、こうした情報通信インフラは、セキュリティの観点からは、可能な限り国産のシステムを構築することが望ましいと主張してきています。今、5G対応の無線基地局ひとつとっても日本企業のものは殆どありません。世界のマーケットを見ると、北欧のノキアやエリクソン、中国のファーウェイやZTEなど海外企業が大半のシェアを占めています。しかし実は、そこには日本企業の多くの部品が使われているんです。目指すべきは、単に部品を供給するサプライヤーの立場に日本企業が終わるのではなく、完成品あるいはシステムを作る立場になる、ということで、政府もしっかりとサポートしていく必要があると考えます。

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日本が勝負できるところはたくさんありますが、急がなければならないことの一つが、この情報インフラです。勝負する分野が5Gなのか、あるいはその先のポスト5Gなのかは別として、今申し上げたことを本当に実行しようとすると膨大な資金やリスクテイクが必要となります。だからこそ、決断が必要になるんです。それは政府が行うには難しいこと。やはり政治がリーダーシップを発揮して、制度を後押ししていかなければならない。その思いで、今、この分野に力を入れています。

 

以上、私が目指す国のカタチ、国力のマトリクスについてお話させて頂きました。

 

(講演録⑤に続く)

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2019年08月12日

(講演録③)教育について

これら「経済」と「安全保障」を根底で支えているのが、「イノベーション」。イノベーションとは、「技術革新」と訳されることが多いですが、私の場合は、より広く捉えて、「世の中に対して新たな価値を生み出して、社会を大きく変えていく」こととして捉えています。

 

皆さんもGAFAという言葉は知っていますよね。グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンといったアメリカの巨大企業がデジタルプラットフォームを作って、世の中を大きく変えています。こうした動きに対して、日本はどう対応していくか、この点についてはのちほど触れたいと思います。

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重要なのは、そのイノベーションを起こすにあたって、そのイノベーションの種、いわゆるシーズを見つけるのも「人」ですし、社会から求められているもの、いわゆるニーズを見つけるのも、結局は「人」だということなんです。シーズをイノベーションに結びつけていくのは人。AI、人工知能にしても、そのデータをプログラミングするのは人、新しい技術を社会的価値のあるものへと繋げていくのも人。つまり、経済、安全保障、イノベーションすべての基盤になるのは「教育」だということです。

  

そして、更に重要なことは、イノベーションは社会に役立てられなければならないものであって、決して悪用されてはならないということです。その意味で、イノベーションを創出する人たち、また、その成果を利活用する人たちは、単に知識を積み重ねるのみならず、教育を通じて、価値判断の基となる倫理観を醸成し、哲学も深めていかなければなりません。

 

やや話はそれますが、政策に携わる政治家も同じです。昨年、党の政治制度改革実行本部という組織で、議員力の向上について検討する担当となりました。「議員力」と言っても選挙力や政策力など、色々ありますよね。その中で焦点を当てたのは「教養力」です。私が議論のたたき台として当時作った紙を持ってきたので、ここで一部を読み上げますね。

 

教養とは:単なる知識の集積ではなく、個人が社会と関わり、経験を積み、体系的な知識や知恵を獲得する過程で身に着ける、ものの見方、考え方、価値観。

 

【教養の要素】

1.主体性ある人間として向上心や志を持って生き、より良い新しい時代の創造に向かって行動する力

2.伝統・文化・歴史に対する深い理解

3.他者の立場に立って考える想像力、及び他国や地域の伝統・文化を理解し、互いに尊重し合う資質

4.自然や物の成り立ちを理解し、論理的に対処できる能力

5.倫理的課題を含め、科学技術に対する正確な理解と判断力

6.語学、特に論理的思考力や表現力の根源である国語力

7.古典に対する深い理解

8.礼儀・作法をはじめとする「修養的教養」

 

以上が、そのたたき台の紙にした内容の一部です。

言うは易く、行うは難し。もちろん、こうしたことは人に言われるものでもないですし、大人であれば自分自身でやるべきことなんだろうとは思います。いずれにしても、こうした土台があってこそのイノベーションだと思いますね。

 

繰り返しになりますが、私が目指す国のカタチを創るために必要なことを、「経済、安全保障、イノベーション、教育」、この国力のマトリクスの中に具体的な政策として落とし込んでいくのが私の今後の課題だと捉えています。

(講演録④に続く)

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2019年08月11日

(講演録②)今後の国造りについて:常に意識しているのは「国益」 ~経済、安全保障、イノベーション、そして教育から成る国力のマトリクス~

次に、政治家として今後の国造りについて意識していることを申し上げます。そもそも私たち国会議員は、国民主権という国家の基本原則の下で、選挙を通じて、多くの有権者の方々から、その主権の行使を委ねられた立場にあります。だからこそ責任は重い。その国会議員の一人として、私が常に意識していること。それは「国益」なんです。

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もちろん、世界の平和や世界の繁栄などは素晴らしいことですし、日本にとって重要なことではありますが、日本の国会議員としてまず追求すべきことは、我が国自らの国益だと私は考えています。中でも究極の国益は、「我が国の主権、そして国民の命と暮らしを守り抜くこと」だと考えています。したがって、国際社会との関わり方についても、飽くまで、日本の国益にかなう形で主体的に考えていく必要があると思います。

 

その意味で、19世紀のイギリスの首相パーマストンは、「我々には永遠の同盟も、永遠の敵もいない。あるのは永遠の国益のみ」と言いました。

私は、「いかにしてこの国益を守り、国富を増やすか、そして、いかにして国際社会における日本の存在価値、発言力を高めていくか」ということを常に考えています。

 

もちろん、既に国際社会において、日本は、他国との協調や競争を通じて、国益の追求を図っているが、その過程において、私たちが意識しなければならないことは、「日本独自の価値観や主体性」をもっと大切にすること、そして同時に、「他国の価値観や考え方」についても尊重することだと思います。

 

こうしたことを踏まえた上で、日本の国益を追求していくためには、まずは日本の国力そのものを上げていく必要があります。国力とは何か。常に私の頭の中には国力のマトリクスというイメージ図があるんです。それは、経済戦略と安全保障戦略があり、それを支えるイノベーションがあり、さらにそれを支える教育がある。

 

まず、国家の根幹となる基本政策は、経済戦略と安全保障戦略。豊かな暮らしを生み出す経済政策と、国民の命を守る安全保障政策を車の両輪として、いかにうまく回していくか。そして、この両輪をうまく回すことによって、国際社会における日本の存在価値や発言力を向上させて国際社会のルールメイキングにも積極的に関与し、結果として、日本の経済力や安全保障力を更に高めていく。この好循環を作っていかねばならないと考えます。

 

もう少し具体的に申し上げれば、経済政策については、「日本人」や「日本企業」が国内外において、持てる力を最大限発揮できる環境を整えていくことが必要です。しかし一方で、グローバル化した世界において、他国と競争しつつも、必ずしも欧米の基準や考え方に合わせる必要はないと思います。特に、短期的に株主への配当を重視するアメリカ型の資本主義に無理に合わせる必要はないし、過度な格差を容認してしまう社会であるべきでもない。「売り手によし、買い手によし、世間によし」といった近江商人の三方良しの理念や、江戸時代の思想家・石田梅岩が石門心学の中で「商売において正直であることを徳」としましたが、日本がこれまでに大切にしてきた価値観を埋め込んだ経済の仕組みを考えていく必要があります。

 

一方、安全保障については、現実を踏まえ、日米同盟を基軸としていく必要があると考えますが、先ほどのパーマストンの言葉にもあるように、永遠の同盟はありません。日米同盟を永遠に続くことを前提に、いつでも、いつまでもアメリカが守ってくれるだろうと思い込むことは責任ある姿勢とは言えません。まずは「自分たちの国は自分たちで守る」という体制の構築を目指すべきですし、時間はかかっても、本当の意味での自立に向けて必要な施策を粘り強く進めていくべきだと考えます。

 

加えて、かつて国際政治学の大家である高坂正堯先生が、国家間の関係について、力の体系、利益の体系、価値の体系の3つの体系から成ると指摘したように、複雑な国際情勢を複眼的な視点から捉える必要があります。したがって、単に安全保障といっても、防衛省や外務省が担当する狭義の安全保障のみならず、エネルギーの安全保障、食糧の安全保障、通貨のあり方、あるいは日本の先端技術をどう守るのか、経済安全保障や技術安全保障なども含めて安全保障の概念をより広く捉えていく必要があるし、その体制を作っていかねばなりません。

(講演録③に続く)

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2019年08月10日

(講演録①)これからの政治に求められる姿勢と保守政治の本質について

8月9日(金)に京都で開催された元衆議院議長伊吹文明先生のサマーセミナー『令和の時代を如何に生きるか』で講師を務めさせていただきました。
茶道裏千家の前家元である千玄室大宗匠はじめ、そうそうたる講師陣の中で、稲田朋美衆議院議員と共に、『令和の時代の政治を担う覚悟』というセッションでそれぞれ30分ずつお話をさせて頂きました。その講演内容を文字に起こしたものを何回かに分けてブログに掲載させて頂きます。

 

 

「講演録①:これからの政治に求められる姿勢と保守政治の本質について」

 

衆議院議員の小林鷹之と申します。千葉県からやってまいりました。フォーラムとは関係ありませんが、ただ今、地元の市立習志野高校が甲子園で沖縄尚学高校と戦っていて、5回表を終わって3対3。私が話し終わる頃には、試合は終わっているかと思います。本日は、日頃からご指導いただき、尊敬する大先輩である伊吹文明先生のフォーラムでお話させて頂く機会をいただき心から感謝をしております。感謝という次元を超えて、本セミナーの最後のスピーカーが私であることに大変恐縮しておりますが、今朝の千玄室大宗匠の話の中で、「国会議員は国のために命を捨てる覚悟で臨め」というお言葉を頂き、身が引き締まる思いですし、これからの政治人生に生かしていきたいと思います。

 

今日は、「令和の時代の政治を担う覚悟」と題されておりますが、私からは、まず最初に、伊吹先生からご指導いただく中で、国内外の様々な情勢を見ていて、これからの政治に求められる姿勢のあり方について私なりの考え方を申し上げます。その上で、まだ当選3回ではありますが、私自身が政治家として何を目指しているのか、お話させていただきます。

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今、世界に目をやると、ホルムズ海峡の緊張の高まり、米中対立は激化し、朝鮮半島情勢は不透明。国際情勢が流動化しています。また、日本国内も含め、世界各地でいわゆるポピュリズムが台頭しつつある国際政治の中で、感じることがあります。

それは、この講演の副題にある「揺るがぬ信念・寛容な姿勢」とは裏腹に、「揺るがぬ思い込み、すなわち独善と、偏狭な姿勢」が蔓延しつつあるように感じます。

 

その中で、日本が国際社会において毅然とした立ち振る舞いをするには、政権与党である自民党が本当の意味での保守政党として、責任あるかじ取りを担い、「秩序の中に自由を求める自立した国家」を目指す必要があります。

伊吹先生の勉強会で稲田先生たちと一緒に「真の保守主義」とは何かを学ぶ中で、私の中での「保守主義」が立脚する原点は、自分自身も含め、人は不完全な存在であり、常に過ちを犯しうる存在であることを真摯に認めることだと考えています。今朝の大宗匠の話にも、「人間は未完全」であるとの言葉がありました。

 

京都大学名誉教授の佐伯啓思先生が「西田幾多郎先生」に関するご著書の中で、洋の東西を問わず、「哲学に関しては、思い上がりを捨てて、自らの無知を自覚することが第一歩である」と指摘しています。

 

その西田幾多郎先生は、自分と徹底的に向き合い、自己の底をのぞき込み、その底を突き破った、その果てに普遍的で絶対的なもの、いわゆる「無」、「絶対無」を見出されたわけですが、そこの境地にたどり着くことは私のような凡人には難しいことではあるにしても、自分が過ちを犯しうる存在であることを真摯に受け止め、謙虚であり続けようと意識することはできると思います。

 

そうすることで、自分一人の“ちっぽけな”理性に頼るのではなく、夥しい数の先人たちの経験や英知の結集が詰まった「伝統」や「慣習」を重んじる姿勢につながっていきます。そこで大切にすべきことは、自立する気概や、他者への思いやり。また、家族、地域、国家への帰属意識、また、過去・現在・未来と続く縦の時間軸の中で形成される共同体への帰属意識といったものの価値をしっかり認めていかなければなりません。

 

イギリスの保守の政治家であり思想家でもあるエドマンド・バークは、フランス革命について、あと先考えることなく、ただ闇雲に既存のシステムを壊した姿勢を痛烈に批判しました。大切なのは、歴史の流れ、慣習の体系、伝統の精神の重要性を認識して、既存のシステムをいかに活用していくかを常に念頭に置くこと。そして、改革や変化は、急進的に行うのではなく、できる限り徐々に漸進的に行うこと。また、権力についても、むやみやたらと振りかざすのではなく、権力の行使については自ずと抑制的であること。

 

こうしたことが保守の政治姿勢だと私は思います。国際政治が流動的であればあるほど、目先の事象にとらわれて近視眼的に判断する行為は慎まなければならないし、ましてや、判断を感情に委ねるなどもってのほか。歴史をしっかりと振り返ることによって中長期的な未来を見据えながら着実に国家運営を進めていく姿勢が大切になってくると思います。

以上、これからの政治に求められる基本的な姿勢について、私なりの考え方を申し上げました。

(講演録②に続く)

 

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2019年06月19日

浄化槽法の改正について

6月12日の参議院本会議にて、「浄化槽法の一部を改正する法律案」が賛成多数で可決、成立しました。14年ぶりの大きな制度改正。自民党浄化槽推進議員連盟の事務局長として、昨年来、力を入れて取り組んできた議員立法でしたので、参院選前の政局の波が高い中、超党派による多くの議員の賛成を得て成立したことには充実感があります。ご協力いただいた多くの関係者の皆様に感謝申し上げます。

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さて、そもそも「浄化槽って何?」と聞かれることが少なからずあります。

便所が水洗化されている場合、し尿は主に下水道か浄化槽に流され、そこで処理・浄化され、川に放流されます。下水道が整備されている都市部ではあまり見られませんが、それ以外の場所では各家庭の敷地内などに設置されています。ちなみに平成13年度以降、新設する場合は、し尿のみしか処理しない浄化槽(「単独処理浄化槽」といいます)は禁止され、し尿に併せて生活雑排水(台所・浴室・洗濯排水)も処理する浄化槽(「合併処理浄化槽」といい、単独処理浄化槽の8倍の処理能力があるとされています)のみが認められています。

 

今回の法改正を行うに至った理由としては、大きく2つの背景があります。

一つは、これまでの政策努力にもかかわらず、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換がなかなか進まず、単独処理浄化槽が未だに約400万基も残存(浄化槽全体の53%)し、老朽化による破損・漏水した浄化槽が生活環境保全・公衆衛生上問題をもたらす事例が増えてきていることがあります。

もう一つは、法定検査の受検率が平均40%と低く、浄化槽台帳の整備を通じた法定検査の受検率向上と管理の指導強化の必要性が高いことです。

 

こうした背景の下で、今回の法改正に盛り込んだ主な内容としては、

 

・定期検査等で補修・交換が必要な単独処理浄化槽について、合併処理浄化槽への転換命令権限を都道府県知事に付与すること。

・市町村が設定する浄化槽整備区域内において単独処理浄化槽を使用する住民が同意した場合には、市町村が設置する浄化槽(公共浄化槽)の使用・接続を義務化すること。

・浄化槽台帳の作成を都道府県に義務付けること。

・国家資格である浄化槽管理士に対し、最新の知見を身に着ける研修の機会を確保すること。

・それぞれの地方公共団体が地域の実情に照らして適切に対応できるよう、関係者による協議会の設置を可能とすること。

 

などが挙げられます。

 

また、この法改正を見据えて、自民党の議員連盟としても財務省に要望を続けた結果、個人にかかる金銭的な負担をできるだけ軽減し、合併処理浄化槽への転換を更に促進する観点から、必要となる宅内配管工事について上限30万円までの予算措置が認められることとなりました。

今後は、法改正の目的を達成すべく、関係者と力を合わせてまいります。

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終わりに、与野党問わず、多くの同僚議員に貴重な意見や協力をいただきつつ、成立に辿り着けたと感じていますし、その過程で、貴重なご縁もいただきました。

なお、反対にまわられた党から、「なぜ議員立法で行うのか?閣法(政府が提出する法案)で行えば良いではないか?」とのご指摘もいただきました。しかし、浄化槽法は、昭和58年に議員立法で制定されて以来、平成12年及び17年の法改正も議員立法、しかも全会一致で行ってきた経緯もあります。

そして、議員立法も閣法も法律であるという点においては同じですし、何より、立法府に身を置く立場として、立法措置を政府に任せておけば良いという姿勢ではなく、できる限り政治家が立法していくという姿勢を私自身は意識してこれからも活動していきたいと考えます。

 

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2019年04月30日

内平らかに外成る

退位礼正殿の儀において、天皇陛下のおことばをテレビ中継で拝聴しました。

 

「国民への深い信頼と敬愛」、「国民に心から感謝」というおことばが心に染み入るとともに、天皇皇后両陛下の凛としたお姿に、敬意と感謝と日本人として生まれて良かったとの思いが交錯いたしました。

 

中学生の時に平成を迎えた私にとって、この約30年間は人生の2/3にあたります。平成の時代は、国内では多くの自然災害に見舞われた時代でもありましたが、その復旧・復興の過程において、日本人の絆や底力を体感した時代でもありました。一方、日本を取り巻く国際情勢は大きな変化を遂げ、我が国の人口減少も相まって、国際社会における日本の位置付けにも少なからず変化が生じた時代でもありました。

 

明日から始まる令和の時代においても、我が国の国力を高め、平和と繁栄、そして希望に満ちた未来を実現すべく、政治家として力を尽くしてまいります。

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2019年04月27日

通貨政策には複眼的かつ中長期的な視点が必要 ~だからこそ日本版NECを~

来週、フィジーで開催されるADB(アジア開発銀行)総会に合わせ、ASEAN+3(日中韓)の財務大臣・中央銀行総裁会議が開催されます。その会議で、チェンマイ・イニシアチブ(CMIM)を強化する方策としてアジア各国の現地通貨を用いることが議論される予定であると報道されています。

 

CMIMとは、1997年のアジア通貨危機の経験を踏まえ、金融危機時にアジア域内の各国間で基軸通貨である米ドルを融通し合う目的(いわゆる通貨スワップ)で、2000年に構築された仕組みのことです。

(財務省HPより抜粋) CMIM

 

今回の報道が事実であれば、金融危機時に融通する通貨として、米ドルに加え、日本円や人民元も加わることになります(その他の現地通貨については、金融危機時のニーズは殆ど無いと考えられます)。

 

報道の中には、日本円が通貨スワップの対象として加わることは、日本企業の経済活動の安定につながるとの肯定的な見方を示しているものもあります。確かに、それは一面真実だと思いますが、他方で、広い意味で日本の国益とは何かを冷静に考える必要があると私は思います。

 

恐らく、今回、CMIMの対象通貨として現地通貨を加えるとの提案をした国は中国であると推察します。何故なら、今回の提案が実現することによって最も恩恵を受けるのは中国であり、また、人民元の国際化を標榜する中国の国家戦略とも合致するからです。

 

そもそも金融危機時にどの外貨が使われるかは、その外貨を必要とする国と提供する国との「自発的な意思」に基づいて決定されることになりますが、仮に、外貨を必要とする国が特定の国に経済的に依存している場合、その国から自国通貨を選択するようプレッシャーをかけられる可能性も排除できません。

 

既に基軸通貨ドルがCMIMの対象とされている中で、今回の提案が実現しても日本円の使用割合が大きく増えるとは思えませんから、その意味で日本へのメリットはさほど大きくないと思われます。

 

むしろ、人民元の国際化と脱ドル依存の動きを後押しすることを通じて、米ドルと人民元との相対的な力関係を変え、米ドルの基軸通貨としての地位を弱める結果になると思います。こうした動きは、本件以外にも、例えば、米国の対イラン制裁を受けて、中国、ロシア、欧州などが原油取引に通常使われる米ドルを介さない仕組みの検討を開始していることなどにも見られます。

 

基軸通貨としての米ドルの地位の低下。

そのことが何を意味するのかは歴史が示唆しています。

 

かつてのパクス・ブリタニカからパクス・アメリカーナへの覇権の移動は、1944年のブレトンウッズ体制の構築を含め、基軸通貨がスターリング・ポンドから米ドルへと変化したことにも一因があると見るのが自然です。

 

かつて日本も1990年代にアジア通貨基金(AMF)構想(アジア版IMFのようなもの)を提唱し、円の国際化を強力に推進しようとしましたが、こうした動きを警戒した米国の反対で頓挫したことはよく知られているところです。一方、同じ域内の中国も反対したことはあまり知られていません。

 

いずれにしても、現在は基軸通貨としての地位を確立している米ドルではありますが、中長期的に見れば、人民元の国際化の進展(これについてもクリアすべきハードルはまだまだ多いですが)と共に、米中の通貨の持つ力の格差は縮小していくと考えるのが自然であり、そのことが国際社会における米中のパワーゲームへの影響を通じ、結果として、我が国の国際社会での立ち位置にも影響を与えることになると考えます。

 

今回のASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議で議論される予定のCMIMへの現地通貨を加える提案についても、おそらく、国内では財務省と日銀のみが政策決定をしているはずです。しかし、既述の事情に鑑みれば、これは純粋な通貨・金融政策ではなく、広義の安全保障を含めた複眼的かつ中長期的な視点から検討されるべき話です。

だからこそ、経済安全保障の司令塔となる日本版NEC(National Economic Council=国家経済会議)のような組織が必要であるとの思いを改めて強くいたします。

 

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2019年04月10日

「明日の日本を語る会」

昨日9日、都内にて「明日の日本を語る会」を開催したところ、二階幹事長はじめ、多くの同僚議員や支援者(地元除く)にご参集いただき、激励いただきました。

私からのお礼の挨拶を秘書が文字にしてくれましたので、ブログの一環として以下に紹介させていただきます。

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本日は、お忙しい中、多くの皆様にご参加いただいたことに心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

また、二階幹事長はじめ、先輩議員の皆様からも過分なお言葉をいただき、そして、日頃より多くの皆様にご指導いただいていることにも感謝申し上げます。

 

初当選から既に6年以上が経過いたしました。国会でも地元でも常にせわしなく走り回っていますが、政策を形にするのは簡単ではないなあと日々痛感しています。その中で、「自分には何が足りないのか」ということと、「日本が世界をリードしつつ、国益を追求するために何をすべきか」、ということを自分に問い続けています。

 

まず、私自身についてですけれども、先ほど古屋先生が仰ったとおり、議員としては、選挙力、政策力、あるいは政治力、様々な力が必要なのだと思いますが、とりわけ私に足りないのは「人間力」だと自覚しています。こればかりは、永遠に達成できない課題かもしれませんが、不断の努力をしていきたいと思います。

 

そして、もう一つの「世界をリードしつつ国益を追求する」ということについて申し上げますと、私はかねてから、国家戦略の根幹をなすのが、経済戦略と安全保障戦略の二つであって、これら二つを支えているのがイノベーション。そして更にそれを根底で下支えしているのが教育。こうしたイメージを常に頭に描きながら、政策を考えるようにしています。

 

以前から問題意識として持っているのは、その「経済」と「安全保障」が重なる部分にどう対応するかということです。「安全保障」というと、防衛省・自衛隊を中心とする狭い意味での安全保障を指すことが多いですが、それを超えて、エネルギーや金融や通貨や先端技術や情報、こうした様々な政策を幅広く駆使して国を守っていく、より広い意味での安全保障、いわゆる「経済安全保障」を強化していくことが日本にとって喫緊の課題だと考えています。その意味で、これからお越しになられる予定の甘利先生が会長を務める議員連盟などで、日本版NECの創設といった話も出てきていますが、みなさん、このNECというのは企業名ではなくて、National Economic Councilというアメリカの国家経済会議という組織なんですけれども、こうした経済安全保障を担う組織や体制をどう構築していくかという議論も、政治が主導していく必要性を感じています。

 

その中で、現時点での私の大きな関心事項は、今申し上げた経済、安全保障、そしてイノベーション、これらすべてに深く関わる「情報戦略」と「宇宙利用に関するルールメイキング」なんです。時間の関係もありますので、今日は情報戦略についてのみ簡単に触れたいと思います。

 

情報を制するものが世界を制する、と言われる時代の中で、残念ながら、ネット上で得られるバーチャルデータについては、いわゆるGAFAが覇権を確立しました。自分の個人情報が吸い上げられるのは嫌だからといって、今更Googleなどを使わない生活は考えられないほどになりました。GAFAに匹敵するプラットフォーマーが日本に生まれていないことは残念ですけれども、じゃあ日本はこれからどうすべきなのか?ということなんです。

 

私から見れば、実は、日本という国は、世界に冠たる国民皆保険制度を通じた健康・医療データや、製造業が保有するリアルデータの宝庫なんです。例えば、膨大かつ質の高い健康・医療データを使えば、予防医療や創薬イノベーションにも大きく貢献しますし、自動車の走行データは、自動運転に必要なダイナミックマップと呼ばれる地図の作成に役立ちます。

 

GAFAを含めた世界が、こうしたリアルデータの争い合いを始めていますが、私は、このリアルデータの世界であれば、日本はプラットフォーマーになるチャンスがあるんじゃないかと思うんです。だからこそ私は、昨年来、まずは健康医療データのプラットフォームを早急に構築すべきと様々な場面で申し上げています。もちろん、個人情報保護を含めて、多くのハードルがあることは承知していますが、この分野で日本は世界に負けるわけにはいかないんです。最終的にはリアルデータ全体のプラットフォーマーを目指して、日本の英知を結集すべきだと考えています。

 

リアルデータのプラットフォーマーになるということは、それに伴う情報インフラをしっかりと整備することが必要になります。特に、私たちの生活を根本から変える5Gの世界がすぐそこに来ています。5Gの世界では、それに見合った無線通信基地局、それらを有線で結ぶ光ファイバー・ネットワーク、そして膨大なデータを集積する巨大なデータセンターの3つが必ず必要になると思います。

 

みなさん、最近、ファーウェイなどの機器に関する話題が米中間でも取り沙汰されておりますが、こうした情報インフラのセキュリティを考えると、私は、可能な限り、国産のシステムを構築することが望ましいと思います。膨大な資金が必要になるでしょうから、すべてを国でやる、というわけにはいかないかもしれませんが、一方で、民間企業に委ねているだけで自然に構築されるものだとも思えません。だからこそ、私は、情報インフラの整備を国家戦略としてしっかり位置付けるべきだと思いますし、こうしたことこそ、政治が突破していかなければならない壁だと思うんです。

 

最後に、改めて冒頭申し上げた「人間力」という点に関し、先日のイチロー選手の引退会見が非常に心に残りました。

その中で、

「あくまで測りは自分の中にある。その測りを使いながら、自分の限界をちょっと超えていくということを繰り返していく。そうするといつの間にかこんな自分になっている」

というような言葉がありました。

これからも皆様方にご指導いただきながら、国のために、自分の限界に挑戦していくことをお誓いしてお礼の挨拶にかえます。

ありがとうございました。

 

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2019年04月3日

主権者教育について

現在、衆議院の憲法審査会の幹事や、自民党の憲法改正推進本部の事務局次長という職責を担いつつ、地元においても憲法改正に関する集会を頻繁に開催しているところです。

 

党の憲法改正推進本部では、最近、主権者教育のあり方について議論しており、先日も東京大学の小玉重夫教授や、政治解説者であり文科省の「主権者教育推進会議」の篠原文也座長からお話を拝聴しました。こうした会合で共感したことを含め、私の考え方を述べます。

 

まず、主権者教育を含め、教育の根幹となるルールは、教育基本法です。その第14条には、

①良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。

②法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。

 

とあります。

私自身、日々、政治活動を通じて感じることは、②にある、いわゆる「政治的中立」を意識するあまり、教育現場の学校においては、どうしても政治そのものを忌避しがちな傾向が生じ、結果として①が疎かになってしまうという点です。

この点については、時代背景の変化もあって、以下の通達に見られるように政府の考え方が変わってきていることは妥当だと考えます。

 

(参考)

高等学校における政治的教養と政治的活動について(昭和44年10月31日文部省通知)(抜粋)

「生徒は未成年者であり、民事上、刑事上などにおいて成年者と異なつた扱いをされるとともに選挙権等の参政権が与えられていないことなどからも明らかであるように、国家・社会としては未成年者が政治的活動を行なうことを期待していないし、むしろ行なわないよう要請しているともいえること。」

高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について(平成27年10月29日文科省通知)(抜粋)

「18歳以上の高等学校等の生徒は、有権者として選挙権を有し、また、選挙運動を行うことなどが認められることとなる。このような法改正は、未来の我が国を担っていく世代である若い人々の意見を、現在と未来の我が国の在り方を決める政治に反映させていくことが望ましいという意図に基づくものであり、今後は、高等学校等の生徒が、国家・社会の形成に主体的に参画していくことがより一層期待される。」

 

 

先般、ご講演頂いた小玉先生が著書の中で、「政治の本質は、対立の調停や異なる価値観の共存にある。よって、そのような異なる価値が対立している場合に論争的問題での争点をいかに理解するかにこそ、政治的リテラシーの核心がある。」と指摘していますが、まさに教育現場においてもこうしたリテラシーを高めていくための主権者教育の充実が必要だと私は考えます。

 

その意味で、篠原文也先生が、論文等において、指摘している下記の点は傾聴に値します。

 

・18歳選挙権を導入後、初の国政選挙となった2016年の参議院選挙において、18歳の投票率は51.28%。しかし、その一年後、彼らが19歳になって行われた衆議院総選挙において、19歳の投票率は33.25%まで落ちた。様々な要因があると考えられるものの、18歳時の主権者教育が身についておらず、その効果が1年ではげ落ちたと見ることもできる。

・したがって、高校生になってから急いで主権者教育をやっても遅いのではないか。小中学校からの主権者教育が重要。

・また、「公共」の精神を育み、社会参画を促すことが主権者教育の最大の眼目であり、選挙はその出口に過ぎない。金融経済教育、環境教育、消費者教育等も主権者教育に含まれる。

・家庭の役割が重要。公職選挙法の改正により、親が投票所に子供を連れていける「子連れ投票」が全面解禁。親は子供の原体験を作ってあげて欲しい。

 

以上の点に、私は心底同感します。

 

いうまでもなく、日本は民主主義国家です。「民主主義は良いものである」との固定観念が広く普及しておりますが、物事の決定に時間がかかることを含め、民主主義が完全なものではないというのは先人たちが指摘している通りです。特に、ポピュリズムに陥りやすいという欠点については、昔、プラトンが『国家』において、国の体制は「名誉支配制」→「寡頭制」→「民主政」→「僭主政」へと変化していくことを説いたように、民主政と僭主政は本質的に近いといわれている通りです。

 

その中で、民主主義(民主政)をしっかりと機能させていくためには、篠原先生が指摘するように、投票「率」を向上させることはもとより、投票「質」も高めていかなければなりません。

 

教育現場においては、いまだ試行錯誤の段階だとは思いますが、この国の未来を創っていくためにも子供たちへの主権者教育の充実に向けた環境整備のために尽力してまいります。

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2019年03月28日

「真の地産地消型エネルギーシステムを構築する議員連盟」の設立

本日、同僚議員とともに「真の地産地消型エネルギーシステムを構築する議員連盟」(会長は古屋圭司衆議院議員)を立ち上げ、事務局長を務めていくことになりました。

 

議員連盟の設立趣旨はブログの最後に貼り付けた通りです。

イメージとしては、下図にあるように、地方自治体、大手電力会社、再エネ等業者が緊密に連携し(共同出資の会社をイメージ)、地域で生み出されたお金が地域内で周り、災害時には既存の送電網から隔離してリスクヘッジもできるようなシステム構築を目指します。

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自治体と再エネ事業者が連携する事例は増えてきていますが、ここに大手電力会社が加わる形はまだ見られません。既存インフラをしっかり活用する観点も取り入れていく必要があります。

 

また、都市部の事業者が投資の観点から、地方に太陽光パネルを乱雑に設置したまま、メンテナンスを行わなかったり、産業廃棄物を放置したりする例もあるため、こうした規制のあり方などについても検討を加えていきます。

特別アドバイザーにご就任頂いた東工大名誉教授の柏木孝夫先生にもお力添えを頂きながら、スピーディーに形にしていきます。

 

以下が設立趣旨です。

 

「真の地産地消型エネルギーシステムを構築する議員連盟」

設 立 趣 旨

 

昨年閣議決定された第5次エネルギー基本計画において、2030年のエネルギーミックスの確実な実現と、2050年を見据えた再生可能エネルギーの主力電源化、水素・蓄電等による脱炭素化を目指すこととともに、「エネルギーの自立」と「分散型エネルギーシステムと地域開発の推進」が明記された。

 

その背景には、原油や天然ガス等の資源の海外依存に伴う脆弱性、資源価格の不安定性、また原発の安全性に対する不安などから、太陽光、風力、地熱、水力等の再生可能エネルギーへの期待の高まりがある。しかし、再生可能エネルギーについては、発電量の制御等に課題があり火力等による調整が必要であること、天候等に左右されるため安定供給が困難であること、最も利用が進んでいる太陽光発電については大面積の設備の設置に伴う国土保全上の問題や固定価格買取制度の持続可能性への懸念が指摘されるなど、課題も存在する。例えば、北海道全域でのブラックアウト時の稚内風力発電の例などを見れば、単一の再生可能エネルギーではなく、多様な供給源を伴う形でのエネルギーシステムの構築が求められている。

一方、高齢化や人口減少が進む地方においては、再生可能エネルギーを地域活性化策として活用する(いわゆる「地産地消」型の再生可能エネルギー)自治体も増えてきている。しかし、過度に自立型にこだわり、結果として経済性を損なう例、また、地産地消を目指したものの地域内の経済循環には寄与しない、すなわち地域にお金が落ちない例も見られる。

 

真に地域の発展や地方創生に資する、新たな地産地消型のエネルギーシステムの構築が求められる中、旧一般電気事業者、自治体、再生可能エネルギー発電事業者等による連携の下、既存設備(送配電インフラ等)を有効に活用しつつ、太陽光、風力のみならず、中小水力、バイオマスなど多様な再生可能エネルギーによる発電をはじめ、燃料電池システムなどによるコジェネレーション、さらには電力貯蔵設備(蓄電池等)を組み合わせたハイブリッド型の分散型電源ネットワークシステムを地域内で構築し、エネルギー供給の強靱化、エネルギーコストの低減、及び地域内の経済循環を着実に実現する、自立した分散型エネルギーシステムを構築することを目的として本議員連盟を設立する。

 

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2019年03月18日

国家戦略としての情報インフラ整備について

データドリブン型社会が進行する中で大きな課題になるのは、集積される膨大なデータの送受信速度やデータ処理能力を司る情報インフラの整備です。

 

すなわち、現行4Gの100倍とも言われる通信速度の5Gが整備されることによって、自動運転やロボット、AI(人工知能)などによる新たなサービスが可能となります。そのために、早急に整備する必要がある重要インフラとしては、①スマートフォン等から無線で情報を受信する5G基地局、②基地局の間を有線で結ぶコア・ネットワーク、③それらの大量データを集積・分析する「クラウド型」データセンターの3つです。

 

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 出典:将来のネットワークインフラに関する研究会資料(和田尚也NICT所長) 

 

まず、無線アクセスのポイントとなる「5G基地局」に関しては、米中対立で議論の的となっているファーウェイ社の基地局については、その部品の多くは日本製だと認識しています。現在、移動通信基地局の世界市場の約9割を、ファーウェイ社、エリクソン社、ノキア社、ZTE社が占めていますが、今後、5Gをフルスペックで利用するためには、基地局の数も今の10倍以上必要となります。だとすれば、日本製の5G基地局の展開(少なくとも国内は)を国策として位置付けることも考えるべきではないでしょうか。

 

今後は、こうした基地局の間をつなぐ「コア・ネットワーク」、すなわち5Gに対応できるだけの通信容量と伝送速度を持つ光ファイバー網の構築が必要になります。こうした光ファイバー網や基地局は、「未来の公共インフラ」です。

莫大な投資が必要になるので、民間企業だけに任せていてはスピーディーな整備は難しいと思います。こうしたインフラ整備こそ、民間企業を巻き込みながらも、国が主導して早急に行うべきと私は思います。

 

そして、基地局やコア・ネットワークと共に重要なのが、「データセンター」です。

GAFAやBATによる超巨大データセンターの世界市場は2018年第3四半期のみで2.8兆円、前年同期比53%の増加です。とりわけ、Google社やAmazon社は世界中でデータセンターの拡大計画を進めており、四半期ベースで数千億円もの投資を続けています。最近ではGoogle社が2.5億ドルの税制優遇を受けてネバダ州の73万㎡の土地に700億円を投じてデータセンターを新設する予定とも言われています。まさに、データ市場サービスが成長市場であることの証左です。

 

IDC Japanによれば、日本国内におけるデータセンターの新たな増設投資額は、昨年は約1,500億円です。但し、国内にあるデータセンターは、数としては2014年時点で8万箇所を超えてはいるものの、小規模のもの、老朽化したものも含まれています。コネクテッドインダストリーを実現するためには、クラウド型のデータセンターを増やすことと、その大規模化が重要だと思います。

 

特筆すべきは、Amazon社が、企業や米政府をはじめ、様々な機関の「機密情報」を管理するサービスを提供している点です。CIAは2013年時点でこのサービスを利用してクラウド化を図り、セキュリティー性とアクセス性の向上に成功しました。また、ペンタゴンにおいても、同様の検討がなされていると言われています。

 

我が国が、米中に比肩しうるデータドリブン型社会を本気で構築していことするのであれば、政府が取り扱う全てのデータを早急にクラウドに移行していく必要があると思いますし、そのためには、大規模なデータセンターが必要だと私は考えています。

 

そして、データセンターは電力消費量が大きいのが特徴です(注:現在、小規模のデータセンターが集中している首都圏においては、全消費電力の12%にもあたる電力を消費しているとされています)。したがって、大規模データセンターの建設のためには、大容量の電力を安定供給できる広大な土地が必要です。サーバーや空調など、様々な機器が大量に必要になることから、大きな経済効果が期待できますので、地方にデータセンターを誘致することで、地方創生の一助となることも考えられるでしょう。

 

現時点において、日本にはAmazon社などに比肩しうる国産プラットフォーマーが存在していない以上、国家としてデータセンターを建設することも考えて良いと思います。

 

「5G基地局」、「コア・ネットワーク」、そして「クラウド型データセンター」の一体となった情報インフラシステムの整備。大きな構想でありますから、決断するのは役所ではなく、政治だと思います。日本の国家戦略の一つとして速やかに検討し、結論を出すべき課題です。

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2019年03月16日

外国人労働者に対するデジタルマネーでの給与振り込みについて

昨年末の法改正によって、今年の4月から外国人労働者の受入れ拡大が始まります。

この点について、これまでの自民党内の会議や国会審議で私自身がとってきた慎重なスタンスについては過去のブログで紹介した通りです。

 

法改正後も、政省令等の様々なルールの策定が残っていましたので、残る懸念については可能な限り明らかにすべく心がけてまいりました。

 

その中で、昨日法務省の政省令が交付され、これから労働者として在留資格を得ようとする外国人の方には「健康診断書」を求めることとなりました。

これまで、私たち日本人の保険料等で運営されている保険制度を利用して、低価格・高品質の医療行為を受けることを目的に日本に短期滞在する外国人の存在が指摘されていました。

党内議論や国会審議でも私自身、政府に提案・要請したことが形になったことは良かったと思います(国によっては診断書を容易に偽造できるかもしれないので、しっかりとした審査が必要であることに変わりはありませんが)。

 

加えて、今朝の日本経済新聞で、「外国人労働者への報酬については原則として預貯金口座に支払うことを義務付ける」というが報道されています。

実は、少し前に、こうした外国人労働者の中でも「口座開設が困難な外国人」に対しては給与振り込みを(口座振り込みではなく)デジタルマネーで行うことを認める方針が政府によって公表されました。

 

この点について、私は反対でして、先月の自民党法務部会の場においても、次のような異論を申し述べました。

 

・一般論として、社会におけるキャッシュレス化を進めていくことに異論はない。しかし、これから大勢入国してくる外国人労働者の給与をデジタルマネーで支払うことを認めることには反対である。

 

・そもそも「口座開設が困難な外国人」のために、給与のデジタルマネー支払いを認めるとあるが、仮に日本や英語が話せない外国人であっても金融機関が外国語対応は責任をもってやるという方針を掲げている以上、これは口座開設困難という理由にはならない。また、外為法上、預貯金口座の開設には「6カ月以上の滞在」が条件としてあるが、そうであったとしても、日本国内の企業で勤務する場合は口座開設が可能とされているので、これも理由にならない。だとすると、今後受入れを想定している「口座開設が困難な外国人」とは一体どのような外国人を想定しているのか?

 

・そもそも、現在の「技能実習制度」の下でも、既に年間7,000人以上の外国人が失踪している状況である。在留管理を強化する観点からは、何かあった時に、お金の流れをしっかりと把握できる体制が必要であり、そのためには、せめて預貯金口座の開設くらい義務付けてはどうか?

 

・また、外国人労働者に限った話ではないが、デジタルマネーによる給与支払いを認めるとすると、こうしたマネーを取り扱う業者は、いわゆる「銀行」ではなく、「資金移動業者」ということになる。預金を取り扱う機関である銀行については、破綻時には預金保険機構によって預金が守られることになるが、資金移動業者は元々は送金を主な業務とするため、こうした制度で守られることはない。問題が生じたときには労働者への賃金支払いが滞るリスクもあるので、外国人労働者の権利を保護することにも反する。

 

・マネーロンダリングやテロ資金対策でFATF(通称ファトフ。マネロン対策等を担当する国際的な組織)によって様々な規制や勧告がなされているが、資金移動業者の中でこうした規制基準をクリアしているところはそもそもどれくらいあるのか。決して多くないと思われる。

 

 

以上の問題提起をしたところ、法務部会の幹部の同僚議員もこの点についてはご存じなかったということで、後日、政府より再度説明ということになりました。

しかし、その後の説明においても、納得できる答えはなく、逆に、デジタルマネーでの給与支払いについては近々、政府内の労働政策審議会で議論が開始され、結論を出す予定であることが判明しました。

 

既に述べた通り、本件には多くの課題がありますし、そもそもの前提が「口座開設が困難な外国人」の存在にあるわけですから、その前提が崩れている以上、拙速な政策対応は厳に慎むべきです。

その意味で、「外国人労働者への報酬については原則として預貯金口座に支払うことを義務付ける」との本日の報道の詳細を確認したいと思います。

「原則として」義務付けるということは、「例外」が存在するということです。

政省令において、そうした例外が本当に存在するのか、制度が蔑ろにされないように、確認します。

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2019年03月13日

我が国の先端技術の流出を防ぐために

本日の経済産業委員会で世耕大臣にも質問をしましたが、私が以前より強い問題意識を持っている課題です。

 

昨年来、米国は、中国による知的財産の窃取や技術の強制移転、不公正な貿易慣行などを理由に、中国製品に新たな関税を課すなどの制裁を始めています。

さらに、米国では国防授権法の一部である「輸出管理改革法」と「外国投資リスク審査近代化法(FIRRMA)」に基づいて、先端14分野について、技術の国外流出に対する規制強化を図っています。

この規制対象には、安全保障とは一見関係がなく、また、実用化には時間がかかるけれども、有望と見込まれる技術の種、シーズも含まれています。

 

一方で、わが国では、東芝の半導体に関する研究データが韓国のSKハイニクスに漏洩された事件や、新日鐵住金の高級鋼材の製造技術がポスコに漏洩された事件をきっかけに、2016年に不正競争防止法が改正されました。

これによって、技術上の営業秘密を侵害する品目の譲渡や輸出入などが不正競争の類型として追加され、罰金上限も引き上げられました。

更に、日本企業が元従業員らの不正行為によって莫大な被害を受けたことが露見した結果、昨年、データを不正取得する行為なども不正競争行為として追加する法整備がなされました。

また、一昨年には外為法が改正され、安全保障に関する機微技術や貨物の輸出についても規制強化がなされました。

こうした一連の規制強化については、私は国益にかなうことだと考えています。

 

しかしながら、近年ではシャープが台湾の鴻海に買収され、東芝メモリが日米韓企業連合へ売却され、タカタも中国企業に買収されるなど、日本独自の技術や最先端技術を持つ日本企業が経営悪化を理由に外国企業に買収され、その技術が「合法的な形で」他国企業に流出している現実があります。

 

このように、現行の外為法などでは規制対象にはならないけれども、わが国の競争優位をもたらす「戦略的資産」である最先端テクノロジーを有する企業の買収に対して、私は国として何らかの対応ができるような仕組みが必要ではないかと考えています。

現行の外為法上の規制は、主に安全保障上の理由などに限られていますが、今の時代、どの技術、どの部品が軍事転用されるかわかりません。だからこそ、先端技術については、あまねく軍事転用可能性があるという前提で、我が国においても、外為法上の対内投資規制の対象を広げるべきだと考えています。

 

更に問題だと感じているのは、国が出資し、技術開発をしている企業が、安易に他国企業と連携したり、買収されたりすることです。

例えば、官民ファンドである産業革新機構(INCJ)の投資対象であるルネサスエレクトロニクスが昨年よりアリババと連携を開始しました。ルネサスは半導体技術を保有しています。また、有機ELパネルの技術を保有するJDIに関しても、中台企業連合が買収を検討しているとの報道もあります。こうした展開は、我が国の国益を毀損しかねないと思います。

 

こうした事態を未然に防ぐためには、国の出資のみならず、補助金を含め、公的な資金が入っている企業の買収案件については、事前に政府への届出を義務づけるなどの対応が必要なのではないでしょうか。

 

加えて、こうした海外からの対内投資の審査体制については、外為法上、財務省と各事業官庁とが審査することになっていますが、実質的には各事業官庁のみによる審査となっています。

より複眼的な審査を可能にするためにも、米国の対米外国投資委員会、いわゆるCFIUS(シフィウス)のような合議制にするか、または新たな審査機関をNSCの下に設置するなどして、審査体制を強化していくべきと考えます。

 

こうした考え方については、いまや一企業でイノベーションを起こすことは難しく、グローバルなサプライチェーンも組まれているとの理由や、ボーダーレスな自由経済の下においては政府による介入は可能な限り控えるべきだとの反論もあるでしょう。

 

しかし、ビジネスと政治は異なります。

政治家は、あくまで一企業の利益ではなく、「国益」を見据えて行動しなければなりません。その国益の定義の仕方も各政治家によって捉え方はまちまちでしょう。

ただ言えることは、国際社会においては、自由主義経済を標榜している国であっても、自国の国益をいかに最大化できるかを冷徹に考え行動しています。日本はこうした点において、ややナイーブな気がしてなりません。

制度面や運用面でどこまでできるか、同僚議員と共に検討していきたいと思います。

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2019年03月6日

児童福祉法改正について

昨日も自民党内で厚生労働部会と虐待等に関する特命委員会の合同会議が開催され、自民党としての提言や児童福祉法の改正案についての議論が行われました。

報道されているとおり、いわゆる「懲戒権」の位置づけや中核市への児童相談所(児相)の設置義務化などについての議論がメインでありましたが、私からは前回と重なる点も含め、主に次のような点について意見を申し上げました。

 

・児相内の家庭支援部局と介入機能部局とを分けるという案を頭から否定するつもりはないが、保護者から見れば、共に同じ児相内の部局なので、支援について相談したら逆に介入されてしまうのではないか、との懸念を抱き、かえって児相への相談を控えてしまうリスクがあるのではないか。

だからこそ、支援と介入は別々の「機関」に担当させるべきではないか?2022年度までに市区町村に設置される予定の子ども家庭支援センターには家庭支援の機能を持たせ、児相については、介入に特化させて、児童「相談」所ではなく児童「保護」所とすることも一案。仮に、児相内にて部局を分けるのであれば、(上記の)リスクを低減させるための制度的な担保はあるのか?

 

・党提言に、警察と児相の連携・情報共有とあるが、児相から警察への情報共有もさることながら、警察を含めた捜査機関から児相への情報共有にも焦点を当てるべき。

捜査機関である以上、捜査に関わる機微な情報については共有すべきではないことは当然のこととしても、単に釈放した親の表面的なプロフィールだけではなく、子どもの命を守る観点から必要な情報というものがあるはずで、できる限りの情報共有を進めていくべきだと考える。

 

・今回は焦点が当たっていないかもしれないが、党提言にある「司法面接」(児相・警察・検察など関係機関が連携して、虐待の被害にあった子供たちへの聴取をまとめて行い、心理的・肉体的な負担を軽減し、二次被害(トラウマ等)を防ぐためのもの)。

野田市や目黒区の事件は最悪の結末であるが、虐待の被害を受けている子供たちの大半は、虐待の経験を背負いながら、その後の長い人生を生きていく。だからこそ、二次被害を防ぐための司法面接については、先般の刑法改正時に参議院の付帯決議にも盛り込まれているので、そろそろ法定化を検討すべきではないか。

 

こうした党の会合の他にも、超党派で児童虐待の厳罰化を考える勉強会も発足しています。厳罰化すれば問題が解決するというような簡単な話ではありませんし、虐待が問題となっているのは高齢者の方や障害を抱える方など、児童に限った話でもありませんが、様々なアプローチを模索していく価値はあると考えています。

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2019年03月5日

原子力政策について

本日、久しぶりに、自民党のエネルギー総合調査会が開催され、資源エネルギー庁から我が国のエネルギー政策全般について説明がありました。

 

私からは原子力発電について次の点を指摘しました。

 

エネルギー安全保障の観点から、原子力政策をしっかりと位置付けていくべきである。

国内では再稼働が進まず、海外案件も事実上ゼロになった今、原子力の技術の承継や技術者の育成は喫緊の課題である。

既に、現場では原発を動かしたことのない30歳前後のリーダーが増えてきているし、このままいくと原発を製造する技術者が確実に減っていく。資源エネルギー庁が原子力イノベーションとしての高速炉などによって技術を維持していくというが、それで本当に充分なのか?私はそうは思えない。

もちろん、国民による原発の安全性・必要性に対する理解は大前提なので、科学的知見に基づいた冷静な説明や、海外の原発の状況を含めた説明を国民に対してしっかりと行っていくことが求められる。

その上で、国内では、再稼働を進めていくことはもとより、第5次エネルギー基本計画に盛り込まれなかったリプレースや新増設を国が一歩踏み込んで進めていくべきである。

また、海外案件については、コスト面が合わずに日本企業が事実上撤退せざるを得なかったとの報道があるが、国としてどのように関与したのか?インフラシステム輸出の旗を掲げるのであれば、案件を取るまでではなく、案件が取った後も、民間企業だけに任せるのではなく、国が様々な支援をして国策としてテコ入れしていくべきではないか。

 

 

以上です。

我が国が先の大戦に踏み込んでいかざるを得なかった背景にはエネルギー問題があります。

国民感情も大切ではありますが、エネルギー安全保障の観点から、冷静に議論をしていくことが求められていると思います。

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2019年02月21日

コミュニティー・スクールの普及に向けて

先日、自民党文部科学部会の会合で、日本連合教育会副会長・東京都教育会会長の貝ノ瀬滋先生からコミュニティー・スクールについてお話を伺う機会がありました。

 

学校運営に必要な支援について協議する学校運営協議会を有する学校がコミュニティー・スクールとされていて、全国の学校のうち14.7%がこれに該当します。

この協議会は保護者の代表や地域住民から構成されるもので、主な役割としては、①校長先生が作成する学校運営の基本方針を承認すること、②学校運営について教育委員会または校長に意見を述べることができること、③教職員の任用に関して教育委員会規則で定める事項について教育委員会に意見を述べることができることとされています。

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協議会において、多くの関係者が地域でどのような子供を育てるのかという点について議論することによって、学校・家庭・地域の間でビジョンや情報が共有され、地域の方々の教育に関する当事者意識も醸成され、教育現場も地域も活性化されていく効果が表れてきています。

 

一方で、学校人事に対して地域が介入するといった誤解などもあり、コミュニティー・スクール制度の導入には都道府県や市町村によって大きな差があります。例えば、山口県では導入率が100%であるのに対し、私の住む千葉県などでは殆ど導入が進んでいません。

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導入の進捗は、各都道府県の教育委員会の姿勢や知事などの首長の考え方にも大きく左右されるようですが、昨今EBPM(Evidence Based Policy Making)の重要性が強調される中で、コミュニティー・スクールとなることによっていかなる効果があるのかということについて、より具体的かつ精緻な検証を行っていくことが、今後の普及・拡大に向けた大きな鍵になると考えます。

 

私は、教育の基本は家庭にあると考えていますが、それを前提としつつ、こうした地域と教育現場の連携は、今も大きな課題とされている、いじめや虐待などへの対応を含めて、教育環境の改善につながるものと考えますので、制度の普及に努めてまいります。

 

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2019年02月20日

知財立国に向けて ~特許法の改正について~

昨日は朝8時から党本部で経済産業部会・知的財産戦略調査会の合同会議。特許法の一部を改正する法律案を議論しました。中小企業やベンチャー企業の価値ある技術を特許でしっかり守れるようにするため、特許訴訟制度を充実させることが主な目的です。

 

この法改正は絶対に必要なので、速やかに成立させていく必要がありますが、一方で、我が国が知財立国として生き抜いていくためには今後に向けて更なる課題に向き合う必要性も感じます。

 

会合では、私から3点指摘しました。

 

・知財立国としての環境整備が進んできているが、まだまだやるべきことが山積している。知財立国として勝負していくのであれば、特許を含めた知財をしっかり保護することによって、知財の価値を高めていく方向性が必要ではないか。

企業の中には、意図せず知財を侵害する側に回ってしまう可能性もあることを理由に、こうした方向性を嫌がる企業もあるだろうが、「侵害した者勝ち」にしないためにも、今後、いわゆる「懲罰的賠償制度(※)」の検討をしていく必要があるのではないか。

 

※実際の損害に対する賠償額を超えて支払いを命ぜられる制度のこと。

 

懲罰的賠償制度については、民法の規定を含め、日本の法体系に合わないとの法律論もあるが、比較法的に近いと思われる台湾は既に導入済み、韓国も既に法律が国会で成立し近々施行という状況に鑑みれば、法体系に関する議論に囚われることなく、飽くまでイノベーションを起こすという観点から、政策論として同制度の導入の是非について議論を掘り下げていく必要があると考える。

 

・知財インフラの充実という視点からは、訴訟制度を更に充実させていくべき。日本の知財訴訟は(これまでの努力でスピードは上がってはいるが)期間が長すぎて中小企業がもたないとも言われている。まずは行政庁が侵害の有無のみを判断するドイツの二段階制度なども参考に、更なる工夫が必要だと考える。

 

・中小企業の特許が弱いのは、中小企業自身の問題のみならず弁理士によるサポートが十分ではないことも一因ではないか。報酬などの理由で弁理士が大企業に偏る傾向があるので、中小企業に関わる弁理士の数と質を高めていく施策が必要だと考える。

 

 

冒頭にも記した通り、成果を出した人や企業がしっかりと報われるような環境づくりに向けて今後とも尽力してまいります。

 

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2019年02月18日

児童虐待の防止に向けて

週末は地元活動でした。

千葉県野田市で生じた小学4年生死亡事案についても見解を求められます。

自民党内においても、先週、虐待等に関する特命委員会、厚生労働部会、文部科学部会などの合同会議が開催され、私も出席しました。

 

 

昨年3月に目黒で当時5歳の女の子が死亡した事案を受けて、政府・与党で対策を講じつつあった中、同じ千葉県選出の議員として、また、何より同じ小学生を持つ父親として、本件については、やり切れない思いや怒りを感じます。今この瞬間にも、心から助けを求めている子供たちがいるはずです。

一つひとつの事件を検証することが大切であることは言うまでもありませんが、先日の党の会合においては、今後の政策対応という観点から私からは2点提案いたしました。

 

一つは、児童「相談」所を児童「保護」所と改組すべきではないかということです。

児童相談所(児相)には保護者への支援の機能と、一時保護を含めた介入の機能がありますが、報道によると、今回の事件を受けて、児相の介入機能を強化する観点から、家庭支援の機能を果たす部局とは別に、介入機能を果たす別の部局を児相内に設置する方針を政府が固めたとのことです。

私は、児相の介入機能を強化することには賛成ですが、同じ児相の中に、家庭支援と介入の機能を併存させたままで、その役割分担が実効的になされるのか疑問に思います。

親から見れば、機能は別であったとしても、同じ児相内の組織です。例えが良いかわかりませんが、困ったことがあって警察に相談しに行ったら、逆に逮捕されてしまった、というようなことになりはしないか。そのようなことになるとすれば、親として児相に本当は相談したいのに、相談を躊躇し、控えてしまうことにならないか。

現在、東京都内の各区には子ども家庭支援センターがあります。全国の市町村にも2022年までに設置する方向で国も動いています。だとすれば、相談や家庭支援の機能は市区町村の子ども家庭支援センターに任せ、児童相談所は相談(Consultation)ではなく、保護(Protection)に特化することとして、支援と介入という機能を別々の機関に任せた方がうまくいくのではないかと考えています。

 

もう一点の提案は、今後児相への配置を増やしていく弁護士については、量にこだわるのではなく、質の確保にこだわるべきということです。

既に厚生労働省では、すべての児相に弁護士、医師、保健師を配置する方向で検討をし、この通常国会に法案を提出する方向とされていますが、児童虐待について経験や知見の乏しい弁護士を形式的に配置しても、現場ではあまり力になり得ないと思います。

数にこだわるのではなく、子どもの権利保障を実現できる能力や経験、すなわち質にこそこだわるべきです。そのためには、経験年数や、家事事件を担当した数、あるいは質の高い研修など、一定の条件を満たした上での配置を進めていくことで、真に子どもを助けられる体制ができていくのだと考えます。

 

この他にも、論点は無数にありますが、一つひとつ形にしていけるよう力を尽くしてまいります。

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2019年01月15日

厚生労働省による毎月勤労統計調査について

先般、厚生労働省による毎月勤労統計調査が誤った手法でなされていたことが判明しました。これを受けて、本日開催された自民党厚生労働部会に参加し、私からは下記のような発言を行いました。

 

 

・本件は、国民による政府に対する信頼を失墜させただけでなく、国際社会による日本政府への信頼を棄損させる由々しき行為である。国内外の信頼を速やかに回復させるために、厚生労働省のみならず、オールジャパンとしての取組を強く要請する。

 

・その上で、厚労省の説明では、昨年12月に総務省から統計の不連続性について指摘を受けて判明したとのことであったが、そもそも昨年の早い時期から、一部のエコノミストから、今回問題となった「毎月勤労統計調査」及び、これをベースとして出す「雇用者報酬」の数値が上振れしているのではないか、との指摘は出ていた。

私自身も、昨年10月に「月例経済報告」をテーマとして開催された自民党内閣第2部会において、この点を指摘したが、内閣府から「全体の景気判断には大きな影響はないだろう」との返答はあったものの、毎勤と雇用者報酬が何故高めに出ているかの納得のいく説明はなかった。そもそも内閣府としてこの点についておかしいとは感じなかったのか?また、厚労省に対して内閣府を含む他省庁から何らかの指摘はなかったのか?省庁間でどのようなやりとりがあったのか明らかにして欲しい。

 

・500人以上の事業所に対して全数調査をしなければならないところ、東京都は約3分の1のみ抽出調査を行ったとのことだが、そもそも何故調査対象を減らしたのか、その理由が知りたい。マンパワーが足りなかったからなのか?費用がかさむからなのか?

そもそも500人以上の大きな事業所の場合は、IT化が進んでいるはずなので、調査の仕方を工夫すればそれほど大きな負担はかからないようにも思う。もし負担が大きいのであれば、全数調査ではなく、適切なサンプリングなどを行えばよい。例えば、株価についても、日経平均株価やダウ平均株価なども全数調査をするわけではない。この場合は、毎勤調査のルール自体を変更する必要がある。

 

 

他の議員からも様々な指摘がありましたので、私からは上記の点について指摘・質問しましたが、現在調査中の点もあり、少なからず疑問が残ります。

今回指摘された行為は、自民党政権時も民主党政権時も含め、長らく続いてきました。巷間、組織的隠ぺいの可能性も指摘されている中で、調査結果次第では、ガバナンスの観点から深刻な問題が明らかになる可能性も否定できません。与党の一員として、本件について今後もしっかりと向き合ってまいります。

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2019年01月13日

日韓関係について

年末年始、地元の皆さまから、最近の日韓関係の動向について意見を求められることが非常に多いです。

以前から韓国政府等の日本に対する言動には理解に苦しむことが少なくなかったわけですが、最近の一連の事案については到底看過することができません。

これらの事案を受けて、自民党内においては今月7日に国防部会・安全保障調査会の合同会議、11日には外交部会・外交調査会の合同会議が開催され、私自身も両会合に出席を致しました。その場で、同僚議員からも様々な意見が出されましたが、私から申し上げたのは主に下記の二点です。

 ・旧朝鮮半島出身労働者問題も、韓国駆逐艦による海上自衛隊P1哨戒機への火器管制レーダー照射も一連の問題として捉えるべき。特に、レーダー照射については、自衛官の生命を極めて深刻な危険にさらす行為であり、到底容認することはできない。韓国は超えてはならない一線を大きく超えてしまったと言わざるを得ない。国会議員である以上、感情に流されてはいけない。常に冷静でなければならないし、中長期的な視点に立ち、国益の観点から戦略的に物事を捉えなければならない。

しかし、今、冷静に考えれば考えるほど、韓国に自らの行為を反省させ、変更させるためには、我が国として様々なチャネルを通じて実効性ある措置を能動的に講じていく必要性を強く感じる。特に、自衛隊のオペレーションは今も継続しているし、日本企業の資産差し押さえについても喫緊の課題である以上、我が国が単独でなしうる対抗措置を速やかに、かつ、段階的に講じるべきである。

韓国に行動を変えさせ得る措置は複数あると考えるが、相手の反応を見つつ、まずは最もソフトな措置として韓国から日本への渡航について制限をすべきである。我が国が韓国に対して認めているビザなし渡航の制限。そして、現在景気が悪い韓国が官民一体となって日本での就職を推進しているが、その就労ビザの制限から始めればよい。もちろん、こうした措置は日本にとっても短期的にダメージがあるかもしれないが、こうした問題を放置することによって我が国が中長期的に失う国益上の損失を冷静に比較衡量すれば、実施はやむを得まいと考える。

 ・レーダー照射事案について韓国側が公開した映像は、韓国独自の映像は10秒程度で、残りの映像は全て日本側の映像を使っていると言ったもので、「反論」の証拠となるものではないと思う。韓国側の「反論」(反論というほどの大したものではないが)に対して、我が国としても、機密情報ではない限り、可能な限り韓国側の主張を一つ一ひとつ証拠をもって否定(再反論)することが重要である。また、韓国が8か国語で映像を流しているのに対し、日本は日・英・韓の3か国語でしか証拠映像を流していない。極めて基本的な部分ではあるが、国際社会に対して我が国の正当性を示すためにも、日本政府として速やかに多言語でメッセージをデリバーすべき。

 小野寺安全保障調査会長が指摘した通り、レーダー照射という極めて危険な行為をしておきながら、我が国に対して「謝罪」を求めてくるような国に対して「協議する」という我が国政府の姿勢には大きな違和感を覚えます。

本件については、少なくともメディアを通じては、野党からあまり声が聞こえてこないことも気になります。本来、与野党の立場を超え、立法府として正式に抗議しても良い事案です。こうした状況だからこそ、自民党として毅然とした対応策を速やかに検討し行動に移していかねばなりません。

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2018年11月10日

アメリカの中間選挙の結果を受けて

先日、アメリカの中間選挙が終了しました。

日本のメディアでは、民主党が下院を奪還したことがクローズアップされています。

確かに、事実はその通りですが、私はそれとは別に注目すべき点があると考えます。

 

まず、留意すべきことは、アメリカも日本と同様、単に共和党、民主党と言っても、それぞれウイングの幅は広いということ。その観点から見た時に、今回、民主党においては、いわゆる急進左派のバーニー・サンダース上院議員などが支援する候補の当選は一部に留まり、大半の当選者が中道左派であること。これは共和党から見れば、相対的には与しやすいことを意味しますし、有権者の姿勢としては、激しい党派対立ではなく、穏健に中道を歩んでいくことを選択したことを意味するのではないでしょうか。

また、弾劾裁判の可能性も指摘されることがありますが、確かに下院では過半数の賛成があれば弾劾裁判に持ち込むことはできますが、裁判が行われるのは上院です。その上院では3分の2の賛成が求められますから、実際にトランプ大統領が罷免される可能性は皆無に近いでしょう。勿論、下院の各委員会の委員長職は民主党が占めますから、関係者の証人喚問などを繰り返し行うことによって世論に訴えることは可能かもしれませんが。

 

そして、同じく重要なことは、州単位で選出される上院では共和党が勝利し、引き続き多数派を占める結果になったこと。特に、接戦とされた州において、トランプ大統領が応援に入った州は結果が出ているという事実です。

 

今後のキャピトル・ヒル(連邦議事堂)の動向は注視する必要はありますが、単に下院が民主党に奪還されたという事実のみに目を奪われると、米国政治の潮流を見誤る可能性があるということは念頭に置いて外交政策を練るべきだと考えます。

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2018年10月31日

韓国大法院による日本企業に対する判決確定について

いわゆる「徴用工」と呼ばれる件につき、昨日、韓国の大法院(最高裁)が新日鐵住金に対して、「損害賠償」の支払いを命じる判決を下しました。

本件について、昨日の衆議院本会議において、安倍総理が、

 

「本件については、1965年の日韓請求権協定によって完全かつ最終的に解決しています。今般の判決は国際法に照らしてあり得ない判断であります。日本政府としては毅然と対応してまいります。」

 

と答えました。

完全に同意します。

毅然とした対応の中身については、政府内部で検討中だと受け止めておりますが、様々な方面へ波及する可能性に鑑みれば、速やかな対応が求められているのは言うまでもありません。

本件に関し、今朝、自民党本部にて外交部会等の合同会議が開催されました。

 

私からは、

・いわゆる「徴用工」の一連の裁判は、2016年の三菱マテリアルが中国にて和解をしてしまったことから事実上スタートし、その後拡散していったものと理解している。この時、同社が和解に踏み切ってしまったのは、一民間企業による独断であったのか、あるいは、現在大使館や総領事館に置かれている日本企業支援窓口などを通じ、外務省が関与したけれども民間企業の経営判断でやむなく和解をしてしまったのか、答えられる範囲で答えてほしい。

 

・また、本件に限らず、一般論として、海外でビジネスを展開するリスクは一義的には企業が負うものだし、最終的な経営判断権は当該企業にあるのは当然だが、こうした外交問題に発展することが予見される案件については、「外務省として民間企業と密に連携をとっていきます」といった運用面での対応を超えて、事前に政府に通報する公式な仕組みを作るべきではないか。特に、外交問題に発展する蓋然性が極めて高いと判断されるものについては、政府への報告を義務付けることも考えて良いのではないか?

 

と提案しました。これは、今回問題となっている韓国や中国に限った話ではなく、海外全般についてです。

政府からの回答はこの場では記載しませんが、本当の意味で、官民一体となった対応を考えていかなければ、同様の問題が繰り返され、一民間企業の損害という次元を超えて、国益そのものを大きく損ないかねません。本腰を入れた対応が必要だと考えます。

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<p><!– レスポンシブに対応していない為、非表示にしています。2017年10月23日佐野
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